今回は、「KB5007651(1.0.2402.27001)」が何度もインストールされる場合の対処法を紹介します。
ユーザー様からコメントを頂き、筆者の環境で検証をしてみました。
「KB5007651」が何度もインストールされる問題は以前にも発生しており、ユーザー様は次のページの「SecurityHealth」を手動でインストールする方法で解決していました。
Win11 「SecurityHealth」の修復|Windows セキュリティ
しかし、今回の KB5007651(Version 1.0.2402.27001) では効果がなかったとのことで、筆者の環境で検証して有効な方法を見つけました。
少し難しい作業になりますので、確認しながら手順通りに行ってください。
「KB5007651(1.0.2402.27001)」が何度もインストールされる場合の対処法
1.アクセス許可の設定
1.次のフォルダーを開いてください。
C:\Windows\System32
2.「SecurityHealth」フォルダーの上で右クリック>「プロパティ」をクリックします。
3.「SecurityHealth」のプロパティが開きますので、セキュリティタブの「詳細設定」をクリックします。
4.「所有者: SYSTEM」の右側にある「変更」をクリックします。
5.「ユーザーまたはグループの選択」が開きますので、「詳細設定」をクリックします。
6.「ユーザーまたはグループの選択(詳細設定)」が開きますので、「検索」をクリックします。
7.すると、下に検索結果が表示されますので、現在サインインしているユーザー名を選択し、OK をクリックします。
8.「選択するオブジェクト名を入力してください」に現在サインインしているユーザー名が表示されていることを確認したら OK をクリックします。
9.「サブコンテナーとオブジェクトの所有権を置き換える」にチェックを入れ、OK をクリックします。
10.「SecurityHealth」のプロパティに戻りますので、もう一度「詳細設定」をクリックします。
11.「アクセス許可の変更」をクリックします。
12.すると、「追加」が表示されますのでクリックします。
13.「アクセス許可エントリ」が表示されますので、「プリンシパルの選択」をクリックします。
14.手順 5~8 を繰り返します。
15.「基本のアクセス許可」が表示されますので、「フルコントロール」にチェックを入れ、OK をクリックします。
16.「子オブジェクトのアクセス許可エントリすべてを、このオブジェクトからの継承可能なアクセス許可エントリで置き換える」にチェックを入れ、追加したユーザー名を選択してから OK をクリックします。
17.Windows セキュリティの警告画面が 2つ表示されますので、どちらも「はい」をクリックします。
18.「SecurityHealth」のプロパティの OK をクリックします。
これでアクセス許可の設定は完了しましたので、「SecurityHealth」フォルダーを開いておきます。
2.プロセスを停止してファイルを削除
ファイルを削除するためには現在実行されているプロセスを閉じる必要があります。
1.タスクマネージャーを開き、詳細タブを開いてください。
2.「SecurityHealthService.exe」と「SecurityHealthSystray.exe」の上で右クリック>「タスクの終了」をクリックします。
3.タスクマネージャーを終了し、「SecurityHealth」フォルダー内のファイル、フォルダーをすべて削除してください。
※削除が心配な場合はどこかのフォルダーに移動してください。
3.Windows セキュリティ プラットフォームの最新の更新プログラムのインストール
1.次のページから通常は「64 ビット」をダウンロードします。
Windows セキュリティ プラットフォームの最新の更新プログラム(Microsoft)
2.ファイルのダウンロードが完了したら、「securityhealthsetup.exe」の上で右クリック>「管理者として実行」をクリックしてインストールします。
3.「SecurityHealth」フォルダーを確認し、「1.0.2306.10002-0」フォルダーが作成されているのが確認できたら、そのままフォルダーを閉じ何もせずに PC を再起動してください。
PC が起動するとタスクトレイには Windows セキュリティのアイコンが表示されますが、何もせずにレジストリ値の編集に進んでください。
2024/09/17:
Win11 Microsoft が「KB5007651」の新バージョンの提供を開始
4.レジストリ値の編集
このままで Windows Update を実行しても、「KB5007651(1.0.2402.27001)」のインストールは実行されませんので、レジストリ値を編集してインストールできるようにします。
レジストリの操作を間違えるとシステムが起動できなくなるなど不具合が起きる可能性があります。事前にシステムの復元などでバックアップを取り、自己責任で行うようお願いします。
- システムの復元ポイント作成方法及び復元方法
- レジストリエディタの開き方及びバックアップ方法
- Win10 レジストリの予備知識|概念、開き方、レジストリの内部構成
※Windows 11 のレジストリも基本は同じです。
1.Windowsキー + R を押して「ファイル名を指定して実行」を開き、「regedit」と入力して Enter を押します。
2.レジストリエディタが開きますので、次のキーを開きます。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows Security Health\Updates
3.右側の欄にある「wu」という文字列値の値のデータを確認してください。「1.0.2402.27001」となっていると思います。
4.文字列値「wu」をダブルクリックし、値のデータを次のデータに変更して OK をクリックします。
1.0.2306.10002-0
5.値のデータが変更されているのを確認したらレジストリエディタを閉じます。
5.Windows Update の実行
1.Windows Update の画面を開き、「更新プログラムのチェック」をクリックします。
すると、「Windows Security platform マルウェア対策プラットフォームの更新 – KB5007651(Version 1.0.2402.27001)」のダウンロードとインストールが始まります。
2.インストールが完了したら何もせずに PC を再起動してください。
3.PC が起動したら Windows セキュリティを開いてみましょう。
※現在、「SecurityHealth」フォルダーの中には「1.0.2306.10002-0」と「1.0.2402.27001-0」の 2つのフォルダーがある状態です。
すべて正常に表示されるようになったら Windows Update を実行してみてください。
他に問題がなければ「KB5007651(1.0.2402.27001)」が何度もインストールされる問題は解決されているはずです。
手順3 で「1.0.2306.10002-0」フォルダーは作成されているが中身が空の場合
手順3 で「1.0.2306.10002-0」フォルダーは作成されているが中身が空の場合は、次の手順を行ってください。
1.手順2 の「プロセスを停止してファイルを削除」を行い、「SecurityHealth」フォルダーの中身を空にします。
2.Windowsキー + R を押して「ファイル名を指定して実行」を開き、「regedit」と入力して Enter を押します。
レジストリの操作を間違えるとシステムが起動できなくなるなど不具合が起きる可能性があります。事前にシステムの復元などでバックアップを取り、自己責任で行うようお願いします。
- システムの復元ポイント作成方法及び復元方法
- レジストリエディタの開き方及びバックアップ方法
- Win10 レジストリの予備知識|概念、開き方、レジストリの内部構成
※Windows 11 のレジストリも基本は同じです。
3.レジストリエディタが開きますので、次のキーを開きます。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows Security Health
4.「Windows Security Health」キーの上で右クリック>「削除」をクリックします。
5.キーの削除の確認画面が表示されますので、「はい」をクリックします。
6.現在の状態が次の状態になっているのを確認したら、そのまま PC を再起動してください。
- 2つのプロセス「SecurityHealthService.exe」と「SecurityHealthSystray.exe」が実行されていない
- 「C:\Windows\System32\SecurityHealth」フォルダー内には何もない
- 「Windows Security Health」キーは削除されている
7.PC が起動したら Windows Update の画面 の画面を開き、「更新プログラムのチェック」をクリックします。
すると、「Windows Security platform マルウェア対策プラットフォームの更新 – KB5007651(Version 1.0.2402.27001)」のダウンロードとインストールが始まります。
8.インストールが完了したら何もせずに PC を再起動してください。
9.PC が起動したら Windows セキュリティの状態を確認し、問題がなければ Windows Update の画面を開き、「更新プログラムのチェック」をしてみましょう。
解決できない場合
上記の方法で解決できない場合は、システムに何か異常がある可能性がありますので、Windows 11 の再インストールや初期化、クリーンインストールをしたほうが良いかもしれません。
Windows 11 の初期化「PC をリセットする」及びドライバーのバックアップ方法
一部のユーザー様によると、「設定」>「システム」>「回復」>「WindowsUpdateで問題を解決する」から Windows 11 を再インストールすることで解決したそうです。
コメント(降順)
念のため、「3.Windows セキュリティ プラットフォームの最新の更新プログラムのインストール」を、前回の手動インストールに置き換え、レジストリにUpdateキーを追加して試しましたが、今回のKB5007651(1.0.2402.27001)はインストールできませんでした。
「3.Windows セキュリティ プラットフォームの最新の更新プログラムのインストール」
を実行しましたが、C:\Windows\System32\SecurityHealth\1.0.2306.10002-0 フォルダができるものの、中にはファイルが一つもありません。
「4.レジストリ値の編集」ですが、当方の環境ではHKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows Security Health 配下にUpdateキー自体が存在しません。
また、前回手動でレジストリエントリのパスを変更した箇所が、すべてC:\Windows\System32 に戻っています。
>「3.Windows セキュリティ プラットフォームの最新の更新プログラムのインストール」
を実行しましたが、C:\Windows\System32\SecurityHealth\1.0.2306.10002-0 フォルダができるものの、中にはファイルが一つもありません。
上記の症状を再現できました。ちょっと試してみますのでしばらくお待ちください。
手順を追記しました。症状を再現した状態で検証してみましたのでお試しください。
手順3 で「1.0.2306.10002-0」フォルダーは作成されているが中身が空の場合
https://windows-waza.com/win11-kb50076511-0-2402-27001-is-installed-many-times/#toc7
「手順3 で「1.0.2306.10002-0」フォルダーは作成されているが中身が空の場合」の手順を試しましたが、KB5007651(Version 1.0.2402.27001)はインストールされません。
削除したレジストリも戻りません。
「C:\Windows\System32\SecurityHealth」フォルダー内には「1.0.2306.10002-0」フォルダが作られ、その中に「JA-JP」という空のフォルダが1つできるだけです。
では、今の状態で 2つのプロセス「SecurityHealthService.exe」と「SecurityHealthSystray.exe」を閉じ、Microsoft Updateカタログの KB5007651 を管理者として実行したらどうなりますか?
すいません。再度はじめからやり直したのですが、
・「C:\Windows\System32\SecurityHealth」フォルダー内は空のまま。
・レジストリには「Windows Security Health」キーが追加された(Updateキーはなし)。値のディレクトリはC:\Windows\System32が指定されている
という状態になりました。
再度レジストリキー「Windows Security Health」キーを削除し、
>2つのプロセス「SecurityHealthService.exe」と「SecurityHealthSystray.exe」を閉じ、Microsoft Updateカタログの KB5007651 を管理者として実行
を行いましたが、同様に
・「C:\Windows\System32\SecurityHealth」フォルダー内は空のまま。
・レジストリには「Windows Security Health」キーが追加された(Updateキーはなし)。値のディレクトリはC:\Windows\System32が指定されている
という状態になりました。
Windowsセキュリティのデバイスセキュリティページに移動できないなど、Windowsセキュリティの動作が一部不完全です。
そのままの状態で 2つのプロセスを閉じ、何度か繰り返し KB5007651 を管理者として実行してみてください。
数回繰り返しても「C:\Windows\System32\SecurityHealth」フォルダー内が空のままであれば、再起動をしてから 2つのプロセスを閉じ、再度何度か繰り返し KB5007651 を管理者として実行してみてください。
それから、検証で失敗するたびに、50個近く手動で変更したレジストリ内のパス設定が変わってしまう(C:\Windows\System32になる)ので、元に戻すのが非常に手間です。
手動で戻す必要はありません。 KB5007651 がインストールできれば自動で値が戻りますので、何度か管理者として実行してみてください。
KB5007651 がダメであれば「Windows セキュリティ プラットフォームの最新の更新プログラム」からダウンロードした「securityhealthsetup.exe」を何度か管理者として実行してみてください。
もしも繰り返しているうちに「C:\Windows\System32\SecurityHealth」フォルダー内に「securityhealthsetup.exe」が表示された場合、デスクトップなどに移動してから管理者として実行してみてください。
また、お使いのセキュリティソフトが影響している可能性もありますので、リアルタイム保護を停止してから試してみてください。
KB5007651 を管理者として実行する際にインターネットに接続する必要はありませんので遮断した状態でも構いません。
> KB5007651 がインストールできれば自動で値が戻りますので、何度か管理者として実行してみてください。
>KB5007651 がダメであれば「Windows セキュリティ プラットフォームの最新の更新プログラム」からダウンロードした「securityhealthsetup.exe」を何度か管理者として実行してみてください。
WindowsUpdateも、KB5007651のsecurityhealthsetup_e16941e14861a6d24750ecdf05c548189b33182a.exeも、「Windows セキュリティ プラットフォームの最新の更新プログラム」からダウンロードした「securityhealthsetup.exe」も、どれを使っても、何度やっても、ファイルが1ファイルもインストールされません。当方の環境が何か根本的に壊れているのでしょうか。
WindowsUpdateで、レジストリキーHKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows Security Health\Updates配下だけ復活するだけなのですが。
もう一度 Windows Update を行ってみてインストールできない場合は初期化やクリーンインストールをしたほうが良いかもしれませんね。
>当方の環境が何か根本的に壊れているのでしょうか。
その可能性はあります。
そもそも、2023.09.12のときも、当方の環境では「SecurityHealth」の修復法1 、「SecurityHealth」の修復法2 ではファイルは復活しませんでした。
[設定]→[システム]→[回復]→[WindowsUpdateで問題を解決する]でWindows11の修復バージョンをインストールしたら解決しました。
報告ありがとうございます。
やはりシステムに何か異常があったようですね。
あまりお力になれませんでしたが、今回の件では私の方も勉強になりました。解決して何よりです。
ついでに、「データ使用状況」が表示されない問題も解決し、かつ、今まで表示されなかった原因もわかりました。
どこかのブログで紹介していた、
「「システムと圧縮メモリ」がメモリやCPUを大量に使用してしまう問題と解決法」
という記事で
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\Services\Ndu
にあるstartを4(無効)にする
を行ったため、ネットワークデータ使用量監視が無効になっていたのが原因でした。
情報をありがとうございます。
サービスの有効、無効は慎重に行う必要がありますね。
何度もすみません、一つ質問です
完全にWindowsセキュリティ1.0.2402.27001-0が更新された状態で、Windows UpdateカタログのKB5007651(securityhealthsetup_e16941e14861a6d24750ecdf05c548189b33182a.exe)を実行すると、「既にインストールされています」というダイアログ表示も何もなく終了するだけなのですが、これは正しい挙動でしょうか?
既に「C:\Windows\System32\SecurityHealth」フォルダー内に「1.0.2402.27001-0」フォルダーが存在している場合はそのようになりますね。
確認は自動で行われていてダイアログは表示されないようにしているようです。