読者の方から、「 Windows Update 適用後に Open-Shell ( Classic Explorer ) のツールバーが表示されなくなったが、 QTTabBarFixTool.exe を使うことで復活できた」という有益なご報告をいただきました。
Windows 11 バージョン 24H2 および 25H2 における 2026年4月の更新プログラム ( KB5083769 ) 適用以降、エクスプローラーの仕様変更により、従来の古い UI を提供するツールバーが軒並み無効化される事象が発生しています。今回は、 Open-Shell ユーザーに向けた解決方法と、ツールが内部でどのようにシステム制限を突破しているのか、その仕組みについて解説します。
Open-Shell ツールバーを復活させる方法
Open-Shell のツールバーが表示されない不具合は、 QTTabBar が表示されなくなる問題と根本的な原因が同じです。そのため、当サイトで配布している QTTabBarFixTool.exe を実行することで、 Open-Shell のツールバーも再び表示させることが可能です。
過去の記事では、根本的な解決策として強固な親システムである 57048216 の無効化を推奨していました。しかし、その後の検証により、この ID を無効化すると「タスクバーのウィジェットが表示されなくなる」「イベントビューアーに Application Error が定期的に記録される」といった副作用が発生することが判明しました。
そのため、現在配布している QTTabBarFixTool.exe の最新バージョン ( v3 ) では、ウィジェット機能との両立とシステムの安定性を最優先とし、「57048216 を有効状態のまま残し、 57048237 のみを無効化する」という処理を新たな推奨としています。
ツールを起動し、「修復を適用 (ウィジェット維持)」を選択することで、エラーを出さずに Open-Shell を安全に利用できます。なお、将来の Windows Update によって 57048237 が削除されて機能しなくなった場合に備え、確実な修復を行うための「修復を適用 (従来方式 / ウィジェット非表示)」も安全な予備手段としてツール内に残しています。
オープンソース化しない理由とツールの仕組み
一部のユーザーの方から、「開発の継続性を担保するためにも、 QTTabBarFixTool.exe をオープンソースにしてほしい」というご要望をいただいております。古い UI を愛用する方々にとって、開発放棄への懸念はもっともなことと理解しております。
しかし、本ツールに関しては、ソースコードの公開を行わない方針としております。その理由は、ツールが内部で実行している「システム権限の自動確保とアクセス権の書き換え」という仕組みが、悪意のあるユーザーに悪用される危険性が非常に高いためです。
現在の Windows 11 では、 FeatureManagement のレジストリキーに対して強固な保護 ( ACL ) がかけられています。単に ViVeTool のような外部ツールを管理者権限や SYSTEM 権限で実行しただけでは、一時的な設定領域である Overrides\8 に値が書き込まれるだけであり、 OS 側の制御を完全に上書きすることはできません。
これを突破し、より優先順位の高いシステム領域 ( Overrides\15 ) を直接書き換えるため、 QTTabBarFixTool.exe は以下の処理をバックグラウンドで自動実行しています。
- タスクスケジューラ ( schtasks ) を利用し、 SYSTEM 権限で一時的なタスクを実行する。
- 一時的に ViVeTool を実行してレジストリ値の変動を監視し、対象となる機能の「ハッシュ値」を動的に割り出す。
- 割り出したハッシュ値をもとに、強固に保護された
Overrides\15以下の対象レジストリキーを特定する。 - PowerShell スクリプト内で ntdll.dll の RtlAdjustPrivilege を呼び出し、所有権の取得などの特権を有効化する。
- 対象キー (
Overrides\15\ハッシュ値) の所有者を強制的に書き換え、アクセス権 ( FullControl ) を付与して EnabledState を直接変更する。 - 変更完了後、事前に取得しておいた SDDL 形式のセキュリティ記述子を用いて、元の強固なアクセス権に復元する。
これまで当サイトでは、「タスクスケジューラを利用して SYSTEM 権限で対象 ID を無効化する」という大まかな概要に触れるにとどめておりましたが、実際の内部処理は上記のような手順を踏んでいます。
このアプローチは、マルウェアなどがシステムを乗っ取ったり、セキュリティ機構を密かに無効化したりする手法にそのまま転用できてしまいます。技術的な「概念」として仕組みを解説することはできても、これを「コピーすればすぐに悪用できる完成されたソースコード」として公開することは、管理者の責任として避けるべきだと判断しております。
ツールおよび関連記事のリンク
修復ツールのダウンロードと、不具合の背景についての詳細は以下のリンク先を参照してください。
ツールのダウンロード
0a119d6baf2d3de7d2b43bea09cc2698e2db8ce9abe11d4fba7a654e9a361171▶ 過去のバージョンのハッシュ値を見る
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QTTabBar-Fix-Tool-v3.0.0.3.zip
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一部の環境において、適用後に OS が自動修復ループに入るご報告を 1件いただいております。免責事項に記載しております通り、実行前には必ずシステムの復元ポイントを作成し、自己責任にてご利用ください。
※万が一、ツール実行後に OS が起動できなくなった(自動修復ループになった)場合の復旧手順
システムの復元を用いて、ツール実行前の状態に巻き戻すことで復旧可能です。
- 「自動修復」の青い画面(回復環境)が表示されたら、「詳細オプション」をクリックします。
- 「トラブルシューティング」>「詳細オプション」>「システムの復元」の順に選択します。
- ツールを実行する前の日時の復元ポイントを選択し、システムを復元してください。
おわりに
OS の仕様変更のたびに、長年親しまれてきた優れたフリーウェアが使えなくなるという状況は非常に残念なことです。しかし、システム内部の挙動を解析し、適切なアプローチをとることで、まだ回避する道は残されています。
当サイトでは、今後も環境の変化に合わせてツールのアップデートや情報提供を続けていきます。 Open-Shell や QTTabBar を引き続き利用したい方は、ぜひ最新の情報をチェックしていただければと思います。

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