今回は、Windows 11 のレジストリのアクセス許可を変更方法する方法を紹介します。
Windows 11 には、レジストリを編集する際にアクセスが拒否されて変更できないキーが存在します。
※当サイトでは、レジストリの編集を行うことで Windows 11 の設定を変更(カスタマイズ)する方法などを紹介してます。
レジストリのアクセス許可を変更することによるメリット
レジストリのアクセス許可を変更することによるメリットは、通常では変更できない Windows 11 の機能や設定を変更することができることです。
例えば、デフォルトの圧縮、展開(解凍)機能を無効化することでエクスプローラーの動作を速くしたり、Windows セキュリティの修復などができます。
レジストリのアクセス許可を変更することによるデメリットと注意事項
レジストリのアクセス許可を変更することによるデメリットは、アクセス許可が必要なレジストリキー(値)はシステムにとって重要なキーであります。
システムにとって重要なキーを編集するということは、システムが壊れるかもしれない、動作が不安定になる場合がある、というリスクがあります。
ですので、編集する前には必ずバックアップを取り、「Win10 レジストリの予備知識|概念、開き方、レジストリの内部構成」を読んでおくことをおすすめします。
レジストリの操作を間違えるとシステムが起動できなくなるなど不具合が起きる可能性があります。事前にシステムの復元などでバックアップを取り、自己責任で行うようお願いします。
- システムの復元ポイント作成方法及び復元方法
- レジストリエディタの開き方及びバックアップ方法
- Win10 レジストリの予備知識|概念、開き方、レジストリの内部構成
※Windows 11 のレジストリも基本は同じです。
そして、アクセス許可は必要なキーのみを変更し、元に戻すためにアクセス許可をする前のキーおよびサブキーの設定をスクリーンショットで保存しておきましょう。
レジストリのアクセス許可を変更する方法
※管理者権限のあるユーザーアカウントで Windows 11 にサインインしている必要があります。
レジストリエディタを開き、アクセス許可を変更したいキーの上で右クリック>「アクセス許可」をクリックします。
例えば、「HKEY_CURRENT_USER\SampleKey」キーにあるサブキー「Sample1」キーのアクセス許可を変更したい場合、「Sample1」キーの上で右クリック>「アクセス許可」をクリックします。
Sample1 のアクセス許可が開きますので、「グループ名またはユーザー名」の下にある「Administrators(*****\Administrators)」を選択します。
「アクセス許可」にある「フルコントロール」の「許可」にチェックがなければチェックを付けて OK をクリックします。
エラーがなければそのまま「Sample1」キーを編集できますが、「Windows セキュリティ」の警告画面が表示され、アクセスが拒否される場合があります。
その場合は「キャンセル」をクリックしてください。
アクセスが拒否される理由は、所有権が今のユーザーよりも権限の高いユーザー、または他のユーザーにあるためです。
所有権を Administrators(管理者権限のあるユーザーアカウントすべて) に変更するために「Sample1 のアクセス許可」の下にある「詳細設定」をクリックします。
※Administrators でなくても、現在サインインしているユーザー名でも構いません。
「Sample1 のセキュリティの詳細設定」が開きますので、「所有者」の右側にある「変更」をクリックします。
「ユーザー または グループ の選択」が開きますので、「詳細設定」をクリックします。
「ユーザー または グループ の選択(詳細設定)」が開きますので、「検索」をクリックします。
すると、下の検索結果にユーザー名が表示されますので、「Administrators」を選択して OK をクリックします。
「ユーザー または グループ の選択」が表示され、「選択するオブジェクト名を入力してください (例)」に「*****\Administrators」と表示されたのを確認したら OK をクリックします。
「Sample1 のセキュリティの詳細設定」に戻りますので、所有者が変更されたのを確認したら OK をクリックします。
これでアクセスが可能になりましたので、「アクセス許可」にある「フルコントロール」の「許可」にチェックを入れて OK をクリックします。
以上でレジストリのアクセス許可の変更は完了です。
「サブコンテナーとオブジェクトの所有者を置き換える」とは?
「サブコンテナーとオブジェクトの所有者を置き換える」とは、所有者を変更する際に、そのキーの中のサブキーの所有者も同時に変更する機能です。
例えば、「HKEY_CURRENT_USER\Sample1」キーにサブキー「Sample1_1」キーがある場合、「Sample1」キーの所有者を変更する際に「サブコンテナーとオブジェクトの所有者を置き換える」にチェックを入れて OK をクリックすると、「Sample1_1」キーの所有者も同時に変更されます。
「子オブジェクトのアクセス許可エントリすべてを、このオブジェクトからの継承可能なアクセス許可エントリで置き換える」とは?
「子オブジェクトのアクセス許可エントリすべてを、このオブジェクトからの継承可能なアクセス許可エントリで置き換える」とは、アクセス許可を変更する際に、そのキーの中のサブキーのアクセス許可も同時に変更する機能です。
例えば、「HKEY_CURRENT_USER\Sample1」キーにサブキー「Sample1_1」キーがある場合、「Sample1」キーのアクセス許可を変更する際に「子オブジェクトのアクセス許可エントリすべてを、このオブジェクトからの継承可能なアクセス許可エントリで置き換える」にチェックを入れて OK をクリックすると、「Sample1_1」キーのアクセス許可も同じように変更されます。
そして、サブキー「Sample1_1 のセキュリティの詳細設定」を見てみると、「継承元」が「CURRENT_USER\SampleKey\Sample1」となります。
継承元がないキーは「なし」と表示されます。
よくある質問
- Qレジストリ値の編集が完了したらアクセス許可は元に戻した方がいいですか?
- A
はい。できる限り元に戻した方が良いでしょう。上でも説明したように、アクセス許可が必要なレジストリキー(値)はシステムにとって重要なキーであるため、誤って編集や削除をしないように、アクセス許可を元に戻すことをおすすめします。
- Q所有者を TrustedInstaller から Administrators に変更後、元に戻すことができません。どうすればいいですか?
- A
所有者を TrustedInstaller に戻したい場合は、「ユーザー または グループ の選択」の「選択するオブジェクト名を入力してください (例)」に直接次のコードを入力して OK をクリックしてください。
NT Service\TrustedInstaller
- Q特に注意することは何ですか?
- A
特に注意することは、わからない値の編集、削除はしないこと。よくあるのは、あるサイトで紹介されていたレジストリ値を安易に削除して後悔してしまうことです。バックアップをしていないレジストリ値は元には戻せませんし、Windows が起動できなくなっても自己責任ですので注意してください。
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