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Win10 レジストリの予備知識|概念、開き方、レジストリの内部構成

今回は、Windows 10 のレジストリの概念、開き方、レジストリの内部構成、各ルートキー(大元となるキー)の相互関係、レジストリエディタの操作方法等を紹介します。

レジストリの編集をする前の予備知識としてお読みください。

目次

レジストリの予備知識

1.レジストリの概念

レジストリは Windows OS(オペレーティングシステム)の中心となるもので、PC のソフトウェアとハードウェア(周辺機器)に関するすべての情報を格納する巨大なデータベースです。

  • ユーザーが PC にインストールしたソフトウェアと各プログラムの相互関連情報
  • PC 固有のハードウェア構成、自動構成されたプラグアンドプレイ デバイスの説明
  • ステータス属性、および様々なステータス情報とデータ
  • ハードウェアやユーザーのアプリケーションの機能や設定など

レジストリは非常に大きなツリー状の階層型データベースであり、ハードウェア機器やユーザーのアプリケーションを正常に動作させるための設定を保存する場所です。

強力なレジストリデータベースにより、システムのハードウェアおよびソフトウェアの設定情報を一元管理することで、管理を容易にし、システムの安定性を向上させることができます。

わかりやすく例えると、レジストリは Windows やアプリケーション、外部機器を正常に動かすために必要な材料を集めた倉庫です。

各値(材料)には名前が付いており、Windows はレジストリ(倉庫)から必要な値(材料)を読み込むことで正常に動くことが出来ます。

値(材料)がなかったり、違うものであれば Windows やアプリケーション、外部機器は正しく動かすことが出来ません。

2.レジストリエディタの開き方

レジストリのデータはレジストリエディタを使用して見ることが出来ます。

Windowsキー + R を押して、「ファイル名を指定して実行」を開き、「regedit」入力して Enter を押します。

ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリックします。

するとレジストリエディタが開きます。

レジストリエディタ

3.レジストリ エディタの説明|レジストリの内部構成

レジストリはツリー状の階層型データベースです。

① キー

ここには 5つのルートキーが存在します。

エクスプローラーのフォルダーに似ていますね。

HKEY_CLASSES_ROOT

「HKEY_CLASSES_ROOT」キーは、複数のサブ項目で構成され、2 つのタイプに分けられます。

1つは登録されている様々なファイルの拡張子であり、もう 1つは様々なファイルタイプに関する情報です。

拡張子、アプリケーションとドキュメントの関係、ドライバー名、DDE(Dynamic Data Exchange、動的データ交換) および OLE(Object Linking and Embedding、オブジェクトのリンクと埋め込み) 情報、クラス ID 番号、アプリケーションとドキュメントのアイコンなど、アプリケーションの起動に必要なすべての情報が含まれます。

HKEY_CLASSES_ROOT
HKEY_CURRENT_USER

「HKEY_CURRENT_USER」キーには、環境変数、個人用プログラム、デスクトップ設定など、現在ログイン(サインイン)しているユーザーの構成情報が含まれています。

HKEY_CURRENT_USER
HKEY_LOCAL_MACHINE

「HKEY_LOCAL_MACHINE」キーには、ハードウェアと OS(オペレーティング システム)の情報、セキュリティデータ、様々な PC 固有のソフトウェア設定情報など、ローカルコンピューターのシステム情報が含まれています。

HKEY_LOCAL_MACHINE

このキーはレジストリの心臓部であり、PC のハードウェアとソフトウェアに関する情報が存在します。

HKEY_USERS

「HKEY_USERS」キーには、PC のすべてのユーザーが使用する構成データが含まれており、ユーザーがシステムにログオン(サインイン)している場合にのみアクセスできます。

この情報は、現在のユーザーが使用しているアイコン、アクティブなプログラムグループ、スタートメニューの内容、色、フォントなどをシステムに伝えます。

HKEY_USERS
HKEY_CURRENT_CONFIG

「HKEY_CURRENT_CONFIG」キーには、現在のハードウェア構成情報が含まれており、「HKEY_LOCAL_MACHINE」にマッピングされています。

HKEY_CURRENT_CONFIG

② 値

レジストリの値は「名前」、「種類」、「データ」で構成されています。

レジストリエディタで編集できる値の種類は次の 6つです。

  • REG_SZ – 文字列値
  • REG_BINARY – バイナリ値
  • REG_DWORD – DWORD(32 ビット)値
  • REG_QWORD – DWORD(64 ビット)値
  • REG_MULTI_SZ – 複数行文字列値
  • REG_EXPAND_SZ – 展開可能な文字列値

4.5つのルートキーの相互関係

5つのルートキーは、レジストリエディタ上では並列しているように見えますが、それぞれ何の関係もありません。

しかし実際には、「HKEY_CLASSES_ROOT」と「HKEY_CURRENT_CONFIG」に格納されている情報は「HKEY_LOCAL_MACHINE」の一部であり、「HKEY_CURRENT_USER」に格納されている情報は「HKEY_USERS」の一部でしかありません。

「HKEY_LOCAL_MACHINE」には「HKEY_CLASSES_ROOT」と「HKEY_CURRENT_USER」のすべての情報が含まれています。

5.レジストリのセキュリティ要件とレジストリのバックアップと復元

レジストリエディタには、確認、キャンセル、やり直しの機能は一切ないため、ユーザーの操作のすべてのステップが自動的に送信され、実行されることに注意してください。

レジストリを 1回でも誤って編集すると、OS(オペレーティングシステム)がダウンする可能性があるため、レジストリエディタを使用する前に、次のセキュリティ要件に注意する必要があります。

1.レジストリを編集する際には必ず事前にバックアップをすること

バックアップをせずに編集を行えば、もしも間違った値を入力してしまった場合などに元に戻すことが困難になります。

レジストリのバックアップと復元方法

できるだけシステムの復元ポイントも作成しておくことをおすすめします。

システムの復元(バックアップ)作成、復元、削除方法

Win11 セーフモードなどが選択できる「高度なスタートアップ オプション」の開き方

2.サブキーだけではなく、ルートキーも同じ方法でバックアップできる
3.システムに異常が出た場合、バックアップしたレジストリファイルのインポートまたはダブルクリックで復元できる
4.他の Windows OS(オペレーティング システム) バージョンのレジストリ情報で Windows 10 のレジストリを置き換えないでください
5.レジストリの操作後、PC の再起動をすることで反映されます(一部を除いて)

6.レジストリエディタの基本操作

キー、サブキー、値の作成

ルートキーまたはサブキーの上で右クリックするとメニューが表示され、「新規」にマウスカーソルを合わせるとサブメニューが表示されます。

ここからキーや値を作成することが出来ます。

キーは選択しているキー下へ、値は右側の欄に作成されます。

値のデータの編集

値の上で右クリックするとメニューが表示されますので、「修正」をクリックします。

または値をダブルクリックします。

すると値の編集画面が表示されます。

値のデータを編集し、OK をクリックするとデータが変更されます。

キー、サブキー、値の削除

キーまたは値の上で右クリックし、「削除」をクリックすると次のように確認画面が表示されます。

キーの削除
値の削除

「はい」をクリックすると削除し、「いいえ」をクリックするとキャンセルします。

キー、値、データの検索

まず検索したいルートキーまたはサブキーを選択し、上のメニューの「編集」をクリックするとメニューが表示されますので、「検索」をクリックします。

「検索する値」に検索したい文字を入力して「次を検索」をクリックします。

「検索対象」のキー、値、データ、それぞれにデフォルトでチェックが入っています。

  • 検索対象とは、キーにチェックが入っていれば、キーの名前に「検索する値」に入力した文字が含まれている場合、検索の対象となります。
  • 値の場合は値の名前に「検索する値」に入力した文字が含まれている場合、検索の対象となります。
  • データの場合は値のデータに「検索する値」に入力した文字が含まれている場合、検索の対象となります。

「完全に一致するものだけを検索」にチェックを入れると、「検索する値」に入力した文字と完全に一致するもののみ検索の対象となります。

7.レジストリ破損の症状と原因

1.レジストリ破損後のよくある症状

  • Windows が起動できない
  • アプリケーションが開けない、または正常に動作しない
  • Windows の起動またはアプリケーションの実行に必要なファイルが見つからない
  • アプリケーションへのアクセス権がない
  • ドライバーが正しくインストールできない、またはロードされない
  • ネットワークに接続できない
  • レジストリエントリ(データ)のエラー

2.レジストリ破損の原因

1.アプリケーションエラー

これはよく出るエラーです。アプリケーションには多かれ少なかれ、エラーがあることをご存じかと思います。

システムに多くのソフトウェアをインストールすると、それらの間でコンフリクト(競合)が発生する可能性があるため、アプリケーションエラーが頻繁に表示されることがあります。

2.ドライバーの非互換性
3.ハードウェアの品質に問題がある

ハードディスクやメモリの品質が悪いと、読み取りや書き込みのエラーが発生することがある。

4.レジストリの操作を間違えてしまった場合

レジストリの操作を誤るとエラーが発生し、場合によっては重大な問題となる可能性があります。

8.最後に

  1. レジストリに変更を加える前には必ずバックアップをすることを忘れないでください。バックアップをせずに変更を加えると、場合によってはシステムが起動できなくなることがあり、その際に復元することが出来なくなってしまいます。
  2. レジストリの編集は慎重に行うようにしてください。レジストリには似たようなキー、値が多く存在します。レジストリ編集のマニュアルがあるならば、マニュアルに書かれているパスと、ご自身が編集しようとしているパスが一致しているか、慎重に照らし合わせながら行ってください。
  3. レジストリを編集した後は、多くの場合再起動後に変更が反映されます。

以上が Windows 10 のレジストリの予備知識です。

Windows 11 レジストリのアクセス許可の変更方法

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