今回は、2023/10/17 にリリースされた NVIDIA のグラフィックドライバー 545.84 WHQL の不具合と推奨するバージョンを紹介します。
545.84 WHQL をインストールしてからしばらく様子を見ていましたが、545.84 WHQL にはグラフィックボードを壊してしまう致命的なバグが存在します。
545.84 WHQL の不具合
NVIDIA が認識している未解決の問題
未解決の問題:
NVIDIA
- [Halo Infinite] Maxwell ベースの GPU では大幅なパフォーマンスの低下が観察されます。[4052711]
- Chromium ベースのアプリケーションで小さな市松模様のようなパターンがランダムに表示されることがある [3992875]
- メモリがいっぱいの場合、OCCT ビデオ RAM テストの終了時にイベント ビューアが nvlddmkm エラーをログに記録する [4049182]
- [GeForce GTX 10/RTX 20 シリーズ] Windows ハードウェア アクセラレーション GPU スケジューリングと NVIDIA SLI の両方が有効になっている場合、PC がランダムにフリーズ/バグチェックされることがある [4009884]
- G-SYNC ディスプレイを HDMI モニターに複製すると、水平バンドが表示されることがある [4103923]
- Windows でユーザーの切り替えが行われるたびに、新しい NVIDIA アイコンがシステム トレイに作成される [4251314]
- [GeForce RTX 3080 Ti 搭載 Alienware X17 R2] ノートブックが専用 GPU モードにあるときに DirectX ゲームを起動するとディスプレイが空白になる [4146369]
- [RTX 4060 Ti] デスクトップ アプリを使用すると、ディスプレイがランダムにちらつき、画面上部に黒いバーが表示されることがある [4239893]
- NVTOPPS が停止すると、Windows イベント ビューアが誤ってエラーを記録する [4331318]
- ドライバーの更新後に Windows 10 の透明効果が正しく表示されない [4335862]
- Windows 設定で HDR が有効になっているときに Chrome で SDR ビデオを再生すると、明るさレベルが正しく適用されない場合があります [4336461] -> 将来の Chrome アップデートで解決される予定です。修正は最新の Chrome Canary ビルドに含まれています: https://www.google.com/chrome/canary/
- [Halo Infinite] ドライバー 545.84 にアップデートした後のロード時間の増加 [4337526]
GeForce GRD 545.84 フィードバック スレッドでの不具合報告
こちらは比較的多く報告されている不具合です。
- 画面が定期的に黒くなる
- ゲーム中の画面のちらつき
- ゲームのカクツキ(途切れ)及びゲーム終了後の PC 全体のカクツキ
- FPS が大幅に低下する
- 特定のゲームをすると PC がクラッシュする
ユーザーからの報告
一部のユーザー様からの報告です。
- Steam の一部のゲームが起動できない
- Steam の一部のゲーム中にクラッシュする
- 追記:ブルースクリーンが発生する
こちらは最近の更新プログラム「KB5030310」と「KB5031354」が原因である場合もあります。
「1」のユーザー様はバージョン(537.58)をクリーンインストールすることで解決しているとのことです。
「3」のユーザー様は 1つ前のバージョン(537.58)に戻すことで、とりあえずは落ち着いているようです。
筆者が確認した致命的な不具合
バージョン 545.84 WHQL をインストールした状態でゲーム(フォートナイト)をすると、NVIDIA でも報告されているカクツキや FPS の低下を確認しました。
筆者の場合それだけではなく、ゲーム終了後に GPU のファンが回りっぱなしになってしまいます。
タスクマネージャーのパフォーマンスタブで GPU の温度を確認すると、GPU の使用率は 0% の状態でも 65度くらいのまま温度が下がらず、10分以上たってもファンが止まりません。
このままだとグラフィックボードが壊れてしまう可能性があるので旧バージョンに戻しています。
旧バージョンに戻すとゲーム終了後には数分で 48度ほどに下がり、ファンも静かになります。
バージョン 545.84 WHQL はグラフィックボードを壊す致命的なバグが存在しますのでインストールは控えた方が良いと思います。
上記以外にも、PC の起動が遅くなることを確認しました。
推奨するグラフィックドライバーのバージョン
今までの情報と筆者の経験上、推奨するグラフィックドライバーのバージョンは 526.98 WHQL です。
2025/04/22:現在推奨するグラフィックドライバーのバージョンは 572.83 WHQL です。
- NVIDIA グラフィックドライバーの更新を開始する前に、 GPU 監視ユーティリティなど、バックグラウンドで実行されている可能性のあるすべてのアプリを閉じてください 。
- 古い CPU を使用している環境では、新しいバージョンのドライバーをインストールするとブルースクリーンが発生する可能性がありますので注意してください。
バージョン 526.98 WHQL をクリーンインストールしてみると、筆者の環境では FPS も安定し、ゲーム中のカクツキや Chromium ベースのアプリケーションで小さな市松模様が表示される不具合も出ていません。
PC の起動時間も速くなり、PC 全体が安定しているように感じます。
筆者の PC のスペック:
OS:Windows 11 Home 23H2 64 ビット (22631.3810)
CPU:AMD Ryzen 7 5700X 8-Core Processor
メモリー:32GB
GPU:NVIDIA GeForce RTX 3060 12GB GDDR6
グラフィックドライバーのバージョン:526.98 WHQL
2025/04/22 現在 576.02 WHQL に更新済み
53*.** 以降のバージョンでは何かしら問題がありましたので、同じ症状が出る場合は 526.98 WHQL をお試しください。
526.98 WHQL をインストールする際は、通常のインストールではなくクリーンインストールをおすすめします。
526.98 WHQL は次のページからダウンロードできます。
GeForce Game Ready ドライバーバージョン: 526.98 WHQL
526.98 WHQL をインストールした後に、フォートナイトなど一部のゲームが起動できなくなった場合は次のページをご覧ください。
Win11 フォートナイトの FPS を上げる NVIDIA の設定
NVIDIA のグラフィックドライバーをクリーンインストールする方法
1.526.98 WHQL をダウンロードし、インストーラーを実行します。
2.NVIDIA インストーラーが開いたら、「カスタム」を選択して「次へ」をクリックします。
3.「カスタムインストールオプション」が開きますので、「ドライバーコンポーネントの選択」のチェックはそのまま触らず、「クリーンインストールの実行」にチェックを入れ、「次へ」をクリックします。
4.ドライバーのインストールが開始しますのでしばらくお待ちください。

5.ドライバーのインストールが完了したら、必ず PC を再起動してください。
※Windows 11 の場合、ドライバーのインストール後に PC を再起動しないとドライバーが正しく動作しないことがあります。


