Windows 11 バージョン 23H2 および 24H2 を実行している特定の環境下で、マウスキー機能が勝手に有効になるバグを発見しました。
このバグは、筆者がマウス関連の不具合を確認している際に偶然発見しました。
通常、マウスキー機能は無効(オフ)であり、有効にするには「設定」>「アクセシビリティ」>「マウス」から「マウスキー機能」を「オン」にする必要があります。
今回のバグは、マウスキー機能が無効(オフ)であっても、条件が揃うと発生します。
マウスキー機能が勝手に有効になる条件
現在わかっているマウスキー機能が勝手に有効になる条件は以下の 3つです。
1.NumLock がオフであること。
テンキーの左上にある「NumLock」キー押すたびにオン・オフが切り替わります。
2.ペイントアプリの編集画面がアクティブであること。
ペイントアプリを開き、赤枠の部分を一度クリックして編集画面をアクティブにすると、マウスキー機能が有効になります。

この状態でテンキー(2・4・6・8 キー)を押すと、マウスポインターを上下左右に動かすことができます。
そして、ペイントアプリの編集画面がアクティブでなくなった場合、もしくは NumLock をオンにすると、マウスキー機能は無効になります。
3.Windows 11 バージョン 23H2 および 24H2 の 2025/03/25 以降の更新プログラムをインストールしていること。
原因を特定するためにペイントアプリの旧バージョンで試したり、更新プログラムのアンインストールを試したところ、以下の更新プログラムがインストールされている場合にのみ発生することがわかりました。
Windows 11 バージョン 23H2:
- 2025/03/25 – KB5053657
- 2025/04/08 – KB5055528
Windows 11 バージョン 24H2:
- 2025/03/27 – KB5053656
- 2025/04/08 – KB5055523
2025/03/25 以降の更新プログラムでは、キーボードに関する更新が含まれていますので、それが根本的な原因でしょう。
- このバグは、Windows 10 では発生していません。
- Hyper-V の仮想マシン上で確認する場合は、拡張セッションで接続する必要があります。
特に大きな問題ではないように感じると思いますが、一部のユーザー様からの報告で「設定画面での上下のスクロールがおかしい」という不具合があります。
例えば、上にスクロールすると勝手に下にスクロールされる。または下にスクロールすると勝手に上にスクロールされます。
筆者は、今回発見した不具合がスクロールの不具合に関係しているのではないかと考えています。
もしもスクロールの不具合が発生した場合は、NumLock キーを一度押すだけで解決できるかもしれません。
NumLock キーのオン・オフを判断するツール
NumLock キーのオン・オフを判断するツールを作成してみましたので、必要な方は使用してみてください。
対象ファイル:「NumLockOnOrOff.exe」(Ver 1.0.0.0)
ハッシュ値(SHA256):d9b1a0c6449a0f095b3045c1e97ce4a7b418403adb5e8be85f2f07dac73a8eb7
使用方法
ダウンロードした「NumLockOnOrOff.zip」を解凍し、中にある「NumLockOnOrOff.exe」します。
すると、タスクトレイ(通知領域)にアイコンが表示されます。(表示されない場合は左側の矢印「^」をクリックしてください)
このアイコンは、NumLock がオンの場合は緑のアイコン、オフの場合は赤いアイコンに切り替わります。
ツールを終了したい場合は、タスクトレイ(通知領域)のアイコンの上で右クリック>「終了」をクリックしてください。
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