MENU

Windows 11 パスを変更せずに Cドライブのアプリを別のドライブに移動する

Windows 11 を使用している環境で、Cドライブの空き領域が少なく、ゲームなどのアプリを移動したいと思ったことはありませんか?

ファイルの移動は、ファイルをコピーまたは切り取りをして別のドライブに貼り付けるだけで簡単に移動できますが、アプリなどはパスが変更されると正常に起動できなくなったり読み込めなくなるという問題がありますね。

それを解決してくれるのが「ジャンクション」という、フォルダ名へのリンクを行う機能です。

「ジャンクション」機能を利用すれば、パスを変更せずにアプリがインストールされているフォルダーを別のドライブに移動することができます。

あわせて読みたい
Windows 11 Cドライブの空き領域はどれくらいが最適? 今回は、Windows 11 のインストールされている Cドライブの空き領域はどれくらいが最適なのかを紹介します。 Cドライブの空き領域が少なくなると、PC 全体のパフォーマ...
目次

フォルダ名へのリンクを行う機能「ジャンクション」とは?

「ジャンクション」を簡単に言うと、例えば実際は Eドライブにある「テスト」フォルダーは Cドライブにあるよ、と Windows に認識させます。

例えば「E:\テスト」フォルダーのジャンクションを「C:\テスト」とした場合、エクスプローラー上では「C:\テスト」フォルダーはショートカットのように、左下に矢印マークが表示されます。

「テスト」フォルダー
「テスト」フォルダー

ただ、ショートカットと違い、「C:\テスト」フォルダーを開くと、エクスプローラー上のパスはリンク先の Eドライブではなく、「C:\テスト」のままになっています。

「C:\テスト」フォルダーのパス
「C:\テスト」フォルダーのパス

エクスプローラー上では Cドライブにあるように見えますが、実際には Eドライブに存在しています。

初めは少し混乱するかもしれません。

試しに「E:\テスト」フォルダーのジャンクションを「C:\テスト」に設定してから「C:\テスト」フォルダーに 3GB ほどのファイルをコピーしてみると…

コピー前:

コピー前のドライブの空き領域

コピー後:

コピー後のドライブの空き領域

上の画像を見ると、Cドライブの空き領域が減らずに Eドライブの空き領域が減っていますね?

※ここからは、わかりやすいように「ジャンクション」フォルダーと呼びます。

このように、「ジャンクション」フォルダーは、見た目もそこにあり、開いてもそこにあります。

しかし、実際には別の場所に存在しています。

ジャンクションフォルダーを作成する際の注意事項

  • ジャンクションのリンク先のフォルダーを移動したり名前を変更するとリンクは切れてしまい、アクセスできなくなります。
  • 操作の間違いがあるとデータが消えてしまう可能性もありますので、バックアップを取っておくことをおすすめします。
  • 必ず手順通りに(手順を一通り目を通して注意事項を確認してから)操作を行ってください。
  • ジャンクションフォルダーをたくさん作成すると、ファイルシステムが複雑になり、トラブルシューティングが難しくなる場合があります。簡単に言うと、管理がしっかりしていない場合、どれがジャンクションフォルダーなのかわからなくなってしまうということです。
  • なるべくわかりやすく説明しているつもりですが、初めは理解できないかもしれません。理解できるまで何度も読み返し、しっかりと理解してから操作を行いましょう。

「ジャンクション」フォルダーを作成する方法

  • 「ジャンクション」フォルダーは OneDrive や共有フォルダー、外付けのハードディスクで作成することはおすすめしません。
  • まずはテストフォルダーを作成して試してみることをおすすめします。

ここでは、Epic Games launcher というゲームランチャーがインストールされているフォルダーで説明したいと思います。

Epic Games launcher は、デフォルトでは次のフォルダーにインストールされます。

C:\Program Files (x86)\Epic Games

1.フォルダーのコピー&貼り付け

1.まず Epic Games launcher を閉じておきましょう。

2.移動先のドライブ(例えば Eドライブ)を開き、新規にフォルダーを作成してください。

3.作成したフォルダーの名前を「Program Files (x86)」に変更します。

Eドライブ
Eドライブ

4.「C:\Program Files (x86)」フォルダーを開き、「Epic Games」フォルダーの上で右クリック>「コピー」をクリックします。

5.先ほど作成した「E:\Program Files (x86)」フォルダーを開き、貼り付けをしてください。

現在「E:\Program Files (x86)」の中に「Epic Games」フォルダーがコピーされている状態です。

「E:\Program Files (x86)」フォルダー
「E:\Program Files (x86)」フォルダー

切り取り&貼り付けは行わないようにしましょう。理由は、Windows 11 で切り取り&貼り付けを行うと、場合によっては途中でエラーが発生し、ファイルが消えてしまうことがあるためです。

コピー&貼り付けで行えば、エラーが起きても元のファイルが消える心配がありません。

2.フォルダーの削除

フォルダーの貼り付けが完了したら、元のフォルダー「Epic Games」フォルダーを削除します。

「ジャンクション」フォルダーを作成する際に、同じ名前のフォルダーが残っていると作成できません。

フォルダーを削除する際に使用中で削除できない場合は次のページを参考にしてみてください。

Win10/Win11 使用中で削除できないファイルまたはフォルダーを削除する方法

3.「ジャンクション」フォルダーの作成

1.コマンドプロンプトを管理者として開いてください。

コマンドプロンプトの開き方を見る

1.Windowsキー + R を押して「ファイル名を指定して実行」を開きます。

2.「cmd」と入力します。

ファイル名を指定して実行
ファイル名を指定して実行

3.Shiftキー + Ctrlキーを押しながら Enter を押してください。

キーボード
キーボード

4.「ユーザーアカウント制御」が表示されたら「はい」をクリックします。

ユーザーアカウント制御
ユーザーアカウント制御

2.次のコマンドを入力して Enter を押します。

mklink /j "C:\Program Files (x86)\Epic Games" "E:\Program Files (x86)\Epic Games"
mklink半角スペース/j半角スペース"「ジャンクション」フォルダーのパス"半角スペース"リンク先のフォルダーのパス"
コマンドプロンプト
コマンドプロンプト

すると、「C:\Program Files (x86)」フォルダーに「Epic Games」フォルダー(「ジャンクション」フォルダー)が作成されます。

「C:\Program Files (x86)」フォルダー
「C:\Program Files (x86)」フォルダー

これで「ジャンクション」フォルダーの作成は完了です。

この時点で、実際には「E:\Program Files (x86)\Epic Games」フォルダーに存在していますが、Windows は「C:\Program Files (x86)\Epic Games」にあると認識しています。

例えば、デスクトップの Epic Games launcher のショートカットのリンク先は、実際にはフォルダーが存在しない「C:\Program Files (x86)\Epic Games」となっていますが、そのまま起動することができます。

面白い機能だと思いませんか?

今後は、Epic Games launcher でゲームをインストールするときに「C:\Program Files (x86)\Epic Games」フォルダーを指定すると、実際には「E:\Program Files (x86)\Epic Games」フォルダーにインストールされます。

Epic Games launcher - ゲームのインストールの場所を選択
Epic Games launcher – ゲームのインストールの場所を選択

ここで直接「E:\Program Files (x86)\Epic Games」フォルダーを指定してインストールすることもできますが、レジストリに記録されるパスが Eドライブになってしまいます。もしも今後元に戻すようなことがあった場合、戻した後に起動できなくなる問題が出てきますので、「ジャンクション」フォルダーを指定するようにしましょう。

「ジャンクション」フォルダーを作成した後は、忘れないようにメモ帳などに記録しておくことをおすすめします。

「ジャンクション」フォルダーを確認する方法

「ジャンクション」フォルダーはエクスプローラーでは確認できませんが、コマンドプロンプトで確認することができます。

1.コマンドプロンプトを開いてください。

コマンドプロンプトの開き方を見る

1.Windowsキー + R を押して「ファイル名を指定して実行」を開きます。

2.「cmd」と入力します。

ファイル名を指定して実行
ファイル名を指定して実行

3.Shiftキー + Ctrlキーを押しながら Enter を押してください。

キーボード
キーボード

4.「ユーザーアカウント制御」が表示されたら「はい」をクリックします。

ユーザーアカウント制御
ユーザーアカウント制御

2.次のコマンドを入力して Enter を押します。

cd "C:\Program Files (x86)"

3.続けて次のコマンドを入力して Enter を押します。

dir

すると、ディレクトリ(フォルダー)中のファイルとサブディレクトリの一覧が表示されます。

<JUNCTION> と表示されている右側のフォルダー名が「ジャンクション」フォルダーです。

コマンドプロンプト
コマンドプロンプト

上の画像でいうと、「C:\Program Files (x86)」フォルダーにある「Epic Games」フォルダーが「ジャンクション」フォルダーで、その右側に表示されている「E:\Program Files (x86)\Epic Games」がリンク先のフォルダーという意味になります。

「ジャンクション」フォルダーを削除して移動したフォルダーを元に戻す方法

「ジャンクション」フォルダーを削除する場合は、ショートカットと同じようにそのまま削除すれば OK です。

つまり、上記例で言えば、

1.「C:\Program Files (x86)」フォルダーにある「Epic Games」フォルダーを削除します。

「ジャンクション」フォルダーを削除してもリンク先のフォルダーは削除されません。

2.次に、「E:\Program Files (x86)」フォルダーにある「Epic Games」フォルダーを「C:\Program Files (x86)」フォルダーにコピーします。

3.コピーが完了したら「E:\Program Files (x86)」フォルダーにある「Epic Games」フォルダーを削除します。

これで元通りになります。

この記事が役立ったと感じたら、ぜひシェアをお願いします
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

Windows 技!では、Windows 10/11 の問題解決をメインに、PC をもっと便利にするカスタマイズ方法なども紹介しています。少しでもみなさまのお役に立てれば幸いです。

プロフィールを見る

コメント

コメントする


目次