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【解決】WinREのマウス・キーボードが動かない問題、KB5070773で修正完了

先日より多くの Windows 11 ユーザーを悩ませていた、Windows 回復環境(WinRE)で USB 接続のマウスやキーボードが反応しなくなるという深刻な不具合について、Microsoft から待望の修正プログラムがリリースされました。

これにより、PC のトラブル時に必要不可欠な回復環境が、再び正常に利用できるようになります。

Windows 回復環境(WinRE)でマウス・キーボードが反応しない!?原因はKB5067039

目次

1. WinRE の問題は KB5070773 で解決

Microsoft は、2025/10/20 に、この問題を修正するための帯域外(Out-of-Band / OOB)更新プログラム「KB5070773」を緊急リリースしました。

▼ Microsoft 公式情報

【修正プログラムの適用方法】

この更新プログラムはオプションとして提供される場合と、自動でインストールされる場合があります。

  1. Windows Update の画面を開きます。
  2. 「更新プログラムのチェック」ボタンをクリックします。
  3. KB5070773 が表示されたら、ダウンロードとインストールを実行してください。(必要に応じて PC の再起動)

【修正後の WinRE バージョンと更新されたドライバー】

KB5070773を適用すると、PC 本体の回復環境イメージ (winre.wim) が更新され、バージョンは 「10.0.26100.6901」になります。このバージョンでは、WinRE 内で USBマウス・キーボードが正常に動作することを確認済みです。

さらに詳細な調査により、この更新プログラムでは、問題の根本原因であった「USBHUB3.SYS」が修正済みのバージョン 「10.0.26100.6901」に更新されるだけでなく、WinREイメージに含まれる以下のような多くの重要なシステムドライバーも同時に同バージョン (10.0.26100.6901) に更新されていることが確認されました。

(もし以前に当サイトのバッチファイルで古い WinRE に入れ替えていた方も、このKB5070773 を適用すれば、最新の修正済みバージョンに正しく上書きされますのでご安心ください。)

【KB5070773 で更新された主なドライバー (WinRE 内)】

  • cng.sys (暗号化関連)
  • dxgkrnl.sys, dxgmms1.sys, dxgmms2.sys (グラフィックス関連)
  • dumpfve.sys, fvevol.sys (BitLocker 関連)
  • FWPKCLNT.SYS (ファイアウォール関連)
  • MbbCx.sys (モバイルブロードバンド関連)
  • netio.sys, nsiproxy.sys, tcpip.sys, tcpipreg.sys (ネットワーク関連)
  • storufs.sys (UFS ストレージ関連)
  • tbs.sys, tpm.sys (TPM セキュリティ関連)
  • Ucx01000.sys (USB コントローラー拡張関連)
  • usbccgp.sys, usbd.sys, usbehci.sys, usbhub.sys, USBHUB3.SYS, usbohci.sys, usbport.sys, usbuhci.sys, USBXHCI.SYS (USB 関連全般)
  • vmswitch.sys (Hyper-V 仮想スイッチ関連)
  • fbwf.sys (ファイルベースライトフィルター関連)

これらは、USBシステム全体、グラフィックス、ネットワーク、ストレージ、セキュリティ関連など、多岐にわたるコンポーネントに関連するドライバーです。今回の更新が、WinRE のUSB 問題修正だけでなく、システム全体の安定性向上やセキュリティ強化も目的としていることがうかがえます。

これらのドライバーは、次回の月例の累積更新プログラムや、場合によってはその前のオプションのプレビュー更新プログラムに含まれる形で、通常の Windows システム全体にも適用されるでしょう。

追記:KB5070773 をインストールすると同時に、KB5070762 が適用されることで、Windows 回復環境 (WinRE) が更新されます。

KB5070762: Windows 11 バージョン 24H2 および 25H2、Windows Server 2025 向けの Safe OS Dynamic アウトオブバンド更新: 2025 年 10 月 20 日

一度 KB5070762 が適用されると、KB5070773 をアンインストールしても Windows 回復環境 (WinRE) のバージョンは戻りません。

2. 修正後に確認された軽微な不具合

筆者の環境での検証中に、KB5070773 適用後の WinRE に関して、一つ軽微な現象が確認されました。

  • 症状: 修正された WinRE 環境から「続行(Windows 11 を起動する)」を選択して PC を再起動した際、まれにサインイン画面でキーボードが反応しなくなることがありました。
  • 対処法: この場合は、慌てずにキーボードの USBケーブルを一度抜き挿しすることで、すぐに認識され、正常に操作できるようになりました。なお、通常の PC 再起動ではこの現象は発生しませんでした。

これは、WinRE から通常の Windows OS へ制御が移行する際の、一時的なドライバー初期化の問題と考えられます。もし同様の症状に遭遇した場合は、USBの抜き挿しをお試しください。

3. 未公開のドライバー更新について

今回の KB5070773 の公式な説明には記載されていませんが、筆者が更新前後のドライバーファイルを比較したところ、以下の 2つのシステムドライバーもバージョン「10.0.26100.6901」に更新されていることを確認しました。

  • MbbCx.sys
  • vmswitch.sys

これらは WinRE の USB問題とは直接関係ありませんが、参考情報として、それぞれのドライバーが何をしているのかを簡単に解説します。

MbbCx.sys とは?

これは Mobile Broadband Class Extension driver の略で、モバイルブロードバンド(携帯電話ネットワーク、LTE/5Gなど)接続機能に関連するドライバーフレームワークの一部です。

PC に内蔵されたセルラーモデムや、USB接続のモバイルデータ通信アダプターなどが、Windows と正しく通信するために使用されます。

今回の更新は、おそらくモバイルネットワーク接続の安定性向上や、特定のモデムとの互換性修正などが目的と考えられます。

vmswitch.sys とは?

これは Hyper-V Virtual Switch Extension Driver の略で、Microsoft の仮想化技術 Hyper-V における仮想ネットワークスイッチを担当するドライバーです。

仮想マシン(VM)が物理的なネットワークや、他の VM と通信するための「仮想的な LANケーブルの配線盤」のような役割を果たします。

今回の更新は、Hyper-V のネットワークパフォーマンス改善や、特定のネットワーク環境下での安定性向上などが目的である可能性があります。

(これらのドライバー更新が、他の機能に予期せぬ影響を与えていないかは、現時点では不明です。何かお気づきの点があれば、コメントで情報共有いただけると幸いです。)

まとめ

長らく悩まされた WinRE でのマウス・キーボード問題は、KB5070773 のリリースによってようやく解決されました。Windows Update を確認し、まだ適用されていない方は早めにインストールすることをおすすめします。

Microsoft の迅速な対応と、情報提供や検証にご協力いただいた皆様に感謝いたします。

【トラブルシューティング】KB5070773を適用してもWinREバージョンが変わらない場合

読者様からの貴重なご報告によると、Windows Update で KB5070773 をインストールしたにもかかわらず、WinRE のバージョンが古いまま(10.0.26100.6891)で、マウス・キーボードが反応しない不具合も解消されない、というケースがあるようです。

筆者も同様の現象を一部環境で確認しました。この場合、更新プログラムの適用プロセスが何らかの理由で不完全に終了している可能性があります。

【解決策】KB5070773 のアンインストール → 再インストール

もしこの問題に遭遇した場合、以下の手順で解決できる可能性があります。

  1. KB5070773 をアンインストールする:
    • 「設定」>「Windows Update」>「更新の履歴」>「更新プログラムをアンインストールする」を開きます。
    • リストから「KB5070773」を探し、「アンインストール」をクリックします。
    • PC の再起動が必要な場合は、指示に従ってください。
  2. KB5070773 を再インストールする:
    • PC が再起動したら、再度「設定」>「Windows Update」を開き、「更新プログラムのチェック」を実行します。
    • KB5070773 が再び検出されるはずですので、ダウンロードとインストールを実行します。
    • (もし Windows Update で検出されない場合は、Microsoft Update カタログから手動でダウンロードしてインストールしてください。)

Microsoft®Update カタログ – KB5070773

【2025/10/22 追記】検証:カタログからの手動適用では WinRE が更新されない?

筆者の環境では、このアンインストール→再インストールの手順を行うことで、WinRE のバージョンが正しく 「10.0.26100.6901」に更新され、マウス・キーボードも正常に動作するようになりました。

Windows RE イメージのバージョンを確認する方法と簡単に確認できるツール

追記】:セキュリティソフトによるブロック(読者様からの貴重な情報)

2025/10/25 修正:セキュリティソフトとの関連性について

当初、読者様から「セキュリティソフト(ウイルスバスター)の保護機能を無効にして再インストールしたら成功した」という貴重なご報告をいただきました。

しかし、この読者様から「当時は Windows Update 経由の 2回目のインストールであったため、セキュリティソフトとは無関係に成功した可能性もある」という、さらに詳細な分析を後日いただきました。(アロム様、詳細な検証と誠実なご報告、誠にありがとうございます)

もちろん、環境によってはセキュリティソフトが更新を妨害する可能性もゼロではありませんが、まずは以下の解決策をお試しください。

この問題に関する貴重な検証の経緯は、本記事のコメント欄でも詳しく議論されていますので、そちらもご参照ください。

【解決策1】Windows Update 経由で再インストールする

もし、カタログ(手動)で KB5070773 をインストールしてしまい、WinRE が更新されていない場合は、以下の手順をお試しください。

  1. KB5070773 を一度アンインストールします。
    • (「設定」>「Windows Update」>「更新の履歴」>「更新プログラムをアンインストールする」)
  2. PC を再起動します。
  3. 「設定」>「Windows Update」を開き、「更新プログラムのチェック」を実行し、Windows Update 経由でKB5070773 を再インストールします。
  4. インストールと PC の再起動が完了し、WinRE のバージョンが「10.0.26100.6901」に更新されたことを確認します。

Windows RE イメージのバージョンを確認する方法と簡単に確認できるツール

【解決策2】手動で WinRE イメージを更新する

下記の「【2025/10/22 追記】検証:カタログからの手動適用では WinRE が更新されない?」セクションをご覧ください。

【2025/10/22 追記】検証:カタログからの手動適用では WinRE が更新されない?

読者様から「KB5070773 をインストールしても WinRE のバージョンが上がらない」というご報告を受け、以下の検証を行いました。

  1. まず、読者様の情報を基に、意図的に「WinRE だけが更新されていない状態」を再現しました。(Microsoft Update カタログからダウンロードした KB5070773 スタンドアロンインストーラーを実行すると、OS 本体は更新されるものの、WinRE は古いバージョンのまま残ることを確認。)
  2. この「WinRE だけ古い状態」の PC に対して、筆者が作成した WinRE更新バッチファイルを実行したところ、WinRE を最新バージョン (10.0.26100.6901) に正常に更新できることを確認しました。

なぜ手動適用だとWinREが更新されないのか?(推測)

この現象は、Microsoft の公式ドキュメントにある「この更新プログラムは Windows Update から入手できます。自動的にダウンロードおよびインストールされます。」という記述と関連があると考えられます。

つまり、通常の Windows Update プロセスを経由した場合にのみ、OS 本体と WinRE の更新プログラム KB5070762 の両方が適切に更新されるように設計されているのかもしれません。スタンドアロンインストーラー(Microsoft Update カタログからダウンロードした KB5070773)を使った手動インストールでは、この WinRE を更新する部分の処理がスキップされてしまうのではないでしょうか。

読者様からのご質問と回答

この検証の過程で、別の読者様から以下のようなご質問もいただきました。

>どういう状態でいるのがいいのでしょうか?(…省略)WinRE 更新バッチファイルというのはどういうものになる予定でしょうか?

【答え】

最も望ましい状態は、「OS 本体が KB5070773 適用済みで、かつ WinRE のバージョンも 10.0.26100.6901 になっている」状態です。

WinRE 更新バッチファイルについて

このバッチファイルは、WinRE 向けの更新プログラム KB5070762(更新パッケージ)を、Microsoft が推奨する公式の方法(DISMコマンド)を使って、現在の WinRE イメージに安全に手動で適用するためのツールです。 これにより、スタンドアロンインストーラーで KB5070773 を適用した場合に発生する「WinREだけ更新されない」という問題を解決することを目的としています。

【重要】Microsoft 公式手順との違い(クリーンアップの省略)について

Microsoft の公式ドキュメントでは、更新パッケージ適用後に dism /cleanup-image コマンドを実行してイメージをクリーンアップする手順が含まれています。

しかし、筆者が実際に検証したところ、このクリーンアップコマンドを実行すると、WinRE イメージ内のファイルの所有権やアクセス権が予期せず変更され、その後の ReAgentC.exe コマンド(WinRE のマウントなど)が正常に動作しなくなるという深刻な問題が発生することを確認しました。

そのため、このバッチファイルでは、ユーザーの安全を最優先し、あえてクリーンアップのステップを省略しています。これにより、WinRE イメージのサイズはわずかに大きくなる可能性がありますが、回復環境が確実に機能することを優先しています。

Windows 回復環境 (WinRE) 更新ツールのダウンロード

【重要】ツールのテスト環境について

このバッチファイルは、主に「KB5070773 を Windows Update または手動で適用しても、WinRE のバージョンが更新されない」という特定の不具合が発生した環境でテスト・検証を行っています。

その他の環境(例えば、別の更新プログラムを手動で適用したい場合や、WinRE 自体が破損している場合など)での動作はテストしておりません。

ご利用にあたっては、必ずご自身の状況を理解した上で、自己責任にて実行してください。

※ソフトウェアのご利用にあたって(必ずお読みください)

対象ファイル:「Windows 回復環境 (WinRE) 更新ツール.bat」
ハッシュ値(SHA256):02507a164664d21a0eadd087c88f4ce591222663ae5626bdb8ef650f618bd51b

Windows 回復環境 (WinRE) 更新ツール.zip

Windows 回復環境 (WinRE) 更新ツールの使い方

事前準備

必要なもの(事前に準備しておいてください):

⚠️ BitLocker / デバイス暗号化が有効な環境での注意点

お使いの PC の Cドライブが BitLocker やデバイスの暗号化で保護されている場合、バッチファイルの最後のステップがエラーになることがあります。

これを防ぐための最も確実な方法は、バッチファイルを実行する前に、一時的に BitLocker(またはデバイスの暗号化)を完全に無効化(復号)しておくことです。

【重要】暗号化を完全に解除(復号)した場合の注意点

バッチファイル実行後、再度 BitLocker を有効にすると、新しい回復キーが生成されます。必ず新しい回復キーを安全な場所にバックアップしてください。

  1. KB5070762 を Microsoft Update カタログからダウンロードし、任意のフォルダーに保存してください。
  2. バッチファイルを KB5070762 と同じ場所に置いてください。
    • 例:2025-10 Safe OS Dynamic Update for Windows (Ge) Version 25H2 for x64-based Systems (KB5070762) のファイル名はwindows11.0-kb5070762-x64_4b467e35732c13393ba032305d398b615423a8ad.cabです。

バッチファイルの実行

「Windows 回復環境 (WinRE) 更新ツール.zip」をダウンロードしたら解凍し、中にある「Windows 回復環境 (WinRE) 更新ツール.bat」をダウンロードした KB5070762 と同じ場所に置いてください。

バッチファイル内の下記の部分をご自身の環境合わせて変更してください。

:: ★ 適用したい更新パッケージの【ファイル名】を指定してください
:: (このバッチファイルと同じフォルダに置いてください)
SET "UPDATE_FILENAME=windows11.0-kb5070762-x64_4b467e35732c13393ba032305d398b615423a8ad.cab"

windows11.0-kb5070762-x64_4b467e35732c13393ba032305d398b615423a8ad.cab の部分をダウンロードした KB5070762 の名称に変更してください。

1.バッチファイルをダブルクリックで実行します。

2.「ユーザーアカウント制御」が表示されたら「はい」をクリックします。

ユーザーアカウント制御
ユーザーアカウント制御

3.内容を確認し、Enter を押してください。

Windows 回復環境 (WinRE) 更新ツール
Windows 回復環境 (WinRE) 更新ツール

4.回復環境イメージのマウント、更新パッケージの適用が開始しますので、何もせずにお待ちください。

Windows 回復環境 (WinRE) 更新ツール
Windows 回復環境 (WinRE) 更新ツール

5.更新パッケージの適用が完了すると、回復環境イメージをアンマウントし、変更を保存します。

6.最後に作業フォルダーをクリーンアップし、「全ての処理が完了しました。」と表示されたら Windows 回復環境 (WinRE) の更新は完了です。

Windows 回復環境 (WinRE) 更新ツール
Windows 回復環境 (WinRE) 更新ツール

7.任意のキーを押してツールを終了してください。

KB5070762 の適用後、WinRE のバージョンは 10.0.26100.6901 に更新されているはずです。

WinRE のバージョン
WinRE のバージョン

Windows RE イメージのバージョンを確認する方法と簡単に確認できるツール

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コメント

コメント一覧 (20件)

  • 仮に「残骸」があるとしてそれをクリーンにする方法ってあるんでしょうか?今後も似たシチュはありそうですが。回復環境を更新するので僅かな不整合か競合でエラーがでたのでしょうか。回復環境の更新は今までもあったのでしょうか?気がついてなかっただけかもしれませんが。

    • siden様、

      いつも詳細なコメント、そして深いご質問をいただき、誠にありがとうございます。 siden様のような熱心な読者様からのご質問は、私にとっても新たな学びとなり、大変嬉しく思っております。

      ご質問いただいた点について、一つずつお答えさせていただきます。

      1. WinREイメージ内の「残骸」をクリーンにする方法は?
      仮に「残骸」があるとしてそれをクリーンにする方法ってあるんでしょうか?

      Windows には、更新後に不要になった古いファイル(残骸)をクリーンアップするためのコマンド (DISM /Cleanup-Image) があります。しかし、これを WinRE イメージに対して実行することは推奨しません。

      以前の記事(またはコメントのやり取り)で触れたかもしれませんが、私自身が検証した結果、WinRE イメージをマウントした状態でこれらのクリーンアップコマンド(特に /ResetBase オプション)を実行すると、WinREイメージが破損したり、その後のReAgentC.exeコマンド(WinREの有効化など)が正常に動作しなくなるという深刻な問題が発生することを確認しています。

      WinRE は特殊な環境であるため、通常の Windows (/Online) に対して安全なクリーンアップコマンドでも、WinRE に対しては予期せぬ副作用を引き起こす可能性があるのです。(バグである可能性もある)

      【結論として】 WinRE イメージ内の「残骸」を安全にクリーンアップする確実な方法は、残念ながら現時点ではありません。WinRE イメージのファイルサイズを最小限に保つことよりも、回復環境が確実に機能することを優先すべきだと考えます。 もし WinRE イメージをクリーンな状態にしたい場合は、クリーンアップを試みるよりも、公式の ISO ファイルから抽出した、何も変更されていない winre.wim を使用するのが最も安全です。

      【参考:DISM /Cleanup-Image コマンドの公式情報】 このコマンドの本来の用途や詳細なオプションについてご興味がある場合は、以下の Microsoft 公式ドキュメントをご参照ください。(ただし、WinRE イメージへの適用に関する注意点は記載されていない場合がありますのでご注意ください。)

      Windows REに更新パッケージを追加する(「実行中のPCにアップデートを適用する」セクション)
      https://learn.microsoft.com/en-us/windows-hardware/manufacture/desktop/add-update-to-winre?view=windows-11

      2. 僅かな不整合でエラーが出る?
      回復環境を更新するので僅かな不整合か競合でエラーがでたのでしょうか。

      はい、まさしくその通りです。回復環境(WinRE)の更新プロセスは非常にデリケートです。 おっしゃる通り、コンポーネントストアにごく僅かな不整合があったり、あるいはセキュリティソフトのような他のプログラムとの競合があったりするだけで、WinRE イメージ (winre.wim) への更新が失敗してしまうことがあります。

      3. 回復環境の更新は今までもあった?
      回復環境の更新は今までもあったのでしょうか?気がついてなかっただけかもしれませんが。

      はい、ありました。そして、気がつかなかっただけ、というのが正解です。通常、Windows の月例累積更新プログラム(LCU)には、メインの OS だけでなく、WinRE イメージに対する修正や更新も含まれている場合があります。 Windows Update は、LCU を適用する際に、バックグラウンドで自動的に winre.wim の中身も更新(パッチ適用)しています。

      【補足】WinREが更新されたことをイベントビューアーで確認する方法
      https://windows-waza.com/mouse-and-keyboard-not-responding-in-windows-recovery-environment-the-cause-is-kb5067039/#index_id1

      【補足:通常のWindowsのクリーンアップについて】
      念のため補足させていただきますが、今回「推奨しない」と述べたのは、あくまで WinRE イメージ内に対するクリーンアップコマンドの実行についてです。

      現在実行中の通常のWindows(/Online)に対して、

      DISM /Online /Cleanup-Image /StartComponentCleanup

      などを実行することは、安全であり、むしろシステムのメンテナンスとして推奨される行為ですので、ご安心ください。

      DISM /Online /Cleanup-Image /StartComponentCleanup コマンドは、WinSxS フォルダー(C:\Windows\WinSxS)を対象としたクリーンアップを実行します。

      • 今思ったのですが、来月の定例Update以降のタイミングで修復インストールを行ったら、その残骸も消えたりしませんかね?
        まあ何となくそんな気がしただけですが。今のタイミングだと、今回は緊急パッチなんで、多分やると巻き戻ってややこしいことになると思うのです。思いつきですが。

        • siden様、

          おっしゃる通り、修復インストール(インプレースアップグレード)は、使用するインストールメディアに含まれる Windows のバージョンでシステム全体を上書きします。 したがって、来月(2025年11月)の月例更新プログラムがリリースされ、それが統合された新しいインストールメディアを使って修復インストールを行えば、今回の一連の騒動に関連する「残骸」は一掃され、完全にクリーンで最新の状態になる可能性が非常に高いです。

          • なるほどありがとうございます。
            システム「WindowsUpdateで問題を解決する」からの修復インストールでも同様でしょうか?
            それともインプレースアップグレードでないとそうならないのでしょうか?

            どちらにせよ、次回以降何かしらのエラー等が起きるタイミングまで放置でいい気はしますが。

          • siden様、

            はい、最終的な結果としては「Windows Update で問題を解決する」からの修復インストールでも、インストールメディアを使った修復インストール(インプレースアップグレード)でも、同じになるはずです。
            どちらの方法も、Windows のシステムファイルを現在の安定したバージョンに置き換えることを目的としています。

            たしかに、修復に使われる「元となるファイル」のバージョンは、

            • メディアからの場合: メディア作成時点のバージョン
            • Windows Update 経由の場合: Microsoft のサーバーからダウンロードされる、その時点での最新の修復用ファイル と、一時的に異なる可能性はあります。

            しかし、どちらの方法で修復した場合でも、修復完了後に Windows Update を実行すれば、最終的には同じ最新の状態に更新されるため、心配する必要はありません。
            おっしゃる通り、現在 PC が安定しているのであれば、次回何か問題が発生するまで様子を見る、というのは非常に合理的な判断だと思います。

  • 21日にKB5070773をインストールして以降、ドングル型のBluetoothドライバが一切認識されなくなりました。

    調べてみると同様の事象が発生している人がいるようです。

    • K様、コメントありがとうございます。

      そして、KB5070773 インストール後に Bluetoothドングル が認識されなくなったとのこと、大変お困りのこととお察しいたします。
      同様の事象が他でも発生している可能性があるとのこと、非常に重要な情報をご提供いただき感謝いたします。

      ただ、原因を特定し、有効な解決策を探るためには、もう少し詳しい情報が必要となります。大変お手数ですが、もしよろしければ以下の点を教えていただけますでしょうか?

      1. お使いの PC の環境:
      PC のメーカーと型番
      OS のバージョン(例:Windows 11 Home 25H2)
      問題が発生しているBluetoothドングル(USBアダプター)のメーカーと型番
      2. 認識されなくなる具体的な状況:
      Bluetoothドングルが認識されなくなるのは、通常の Windows 操作中でしょうか?それとも、回復環境(WinRE)でのことでしょうか?あるいは両方でしょうか?
      3. 試されたこと:
      これまでに試された対処法があれば教えてください。(例:Bluetooth ドライバーの再インストール、ドングルを別の USBポートに接続、PC の再起動など)
      4. 「同様の事象」の情報源:
      もし、同様の事象が発生している情報を見つけた Webサイトなどがあれば、教えていただけると大変参考になります。

      KB5070773 では、WinRE の問題修正に関連して他のシステムファイルも更新されています。その影響が Bluetoothドングルに及んでいる可能性もゼロではありませんが、断定するには情報が不足しております。

      一般的な Bluetooth のトラブルシューティングとして、デバイスマネージャーでのドライバー更新や再インストール、Bluetooth サポートサービスの確認なども有効な場合があります。

      もし追加情報をいただけましたら、私の方でも原因や解決策について、さらに調査してみたいと思います。
      この度は貴重な情報をご共有いただき、本当にありがとうございました。

  • 修復インストールを行ったあと、カタログからのKB5070773のインストールは成功し、ビルド番号も更新しましたが、回復環境は更新できていません。
    一度アンインストールしたあと、DISM.exe /Online /Cleanup-image /Scanhealthで確認すると、修復できますとでるのです。そしてDISM.EXE /online /cleanup-image /restorehealthで修復したあとにインストールしようとするとインストールができないのです。修復しなければインストールはできるようです。WindowsDefenderの機能を軒並み無効化してからでも回復環境には反映されないのです。
    Geminiにも聞いてみたのですが、回復パーテーションを疑っており、reagentc /disable → reagentc /enable の実行を提案されているのですが、私には真偽がわからないのです。

    • siden様、コメントありがとうございます。

      重ねての詳細なご報告、誠にありがとうございます。
      修復インストール後も複雑な状況が続いているとのこと、本当にお困りのこととお察しいたします。ご自身でそこまで深く検証されていることに、心から敬意を表します。

      いただいた情報を整理すると、
      1. 修復インストール後、カタログ版 KB5070773 のインストール自体は成功し、OS ビルド番号も更新された。
      2. しかし、WinRE 環境は更新されなかった。
      3. KB5070773 をアンインストール後、DISM /RestoreHealth を実行すると、KB5070773 が再インストールできなくなる。
      4. セキュリティソフトを無効化しても WinRE は更新されない。
      5. Gemini は reagentc /disable /enable を提案しているが、真偽が不明。

      という状況ですね。これは、Windows Update と WinRE 更新の複雑な関係を示す、非常に興味深いケースです。

      なぜ WinRE が更新されなかったのか?

      この現象は、記事にも追記しましたが、Microsoft の公式ドキュメントにある「この更新プログラムは Windows Update から入手できます。自動的にダウンロードおよびインストールされます。」という記述と関連があると考えられます。

      なぜアンインストール後の DISM 実行で再インストール不能になるのか?

      これが非常に重要なポイントです。この発見は、DISM /RestoreHealth の挙動に関する重要なヒントを与えてくれます。
      これは仮説ですが、下記のような原因が考えられます。

      • 不完全なアンインストール: KB5070773 のアンインストールプロセスが正常に完了せず、C:\Windows\WinSxS フォルダ内に KB5070773 に関連するファイルや構成情報(マニフェストなど)の「残骸」が残ってしまった。
      • DISM /RestoreHealth の実行: このコマンドは、コンポーネントストア(WinSxS)をスキャンし、「あるべき状態」と比較して不整合があれば修復しようとします。
      • 誤った「修復」: システムが、アンインストール後の中途半端な状態(残骸がある状態)を元に「あるべき状態」を判断した、あるいは残骸自体を「修復すべき対象」と認識した結果、それらの残骸を「正しいもの」として固定化・整理してしまった。
      • 結果: システムは、コンポーネントストアの状態から「KB5070773 は(部分的であれ)インストール済みである」と誤認識してしまい、再インストールを受け付けなくなった。

      Gemini の提案 (reagentc /disable /enable) は有効か?

      結論から言うと、今回のケースではおそらく効果はありません。
      reagentc /disable /enable コマンドは、WinRE の構成情報(BCD ストアや ReAgent.xml)が破損したり不整合を起こしたりした場合に、それを再構築するためのコマンドです。

      しかし、今回の問題は WinRE の構成ではなく、winre.wim というイメージファイルの中身(ドライバー)が古いことが問題です。このコマンドは、winre.wim の中身を更新する機能はありません。

      今後の最適な対処法

      現在の状況(OS ビルドは KB5070773 適用済み、しかし WinRE だけが古い)を解決するための最も確実な方法は、WinRE イメージの中身だけを強制的に更新することです。

      まさに、そのために当記事で公開した「Windows 回復環境 (WinRE) 更新ツール.bat」が役立ちます。

      このバッチファイルは、KB5070773 に含まれる WinRE 向けの更新コンポーネント (KB5070762) を、DISM コマンドを使って直接 winre.wim に適用します。
      siden様の PC は OS 自体は最新の状態ですので、このバッチファイルを実行することで、WinRE だけをピンポイントで最新の正常な状態に更新できるはずです。

      大変複雑な状況になってしまいましたが、siden様の詳細な検証のおかげで、問題のメカニズムがより深く理解できました。
      もしよろしければ、WinRE 更新バッチファイルの実行をご検討いただけますでしょうか。

      • ありがとうございます。パッチファイルを実行してみました。最初扱いに手間取りましたがどうにかできました。ありがとうございます。
        回復環境も更新できたようです。それでなのですが、sfc /scannowやDISM.EXE /online /cleanup-image /restorehealth、dism.exe /online /Cleanup-Image /StartComponentCleanup等は実行しても大丈夫なのでしょうか? 説明だと、dism /cleanup-image コマンドで深刻な問題がでるぽいのですが、私にはちょっとよくわからなくて。

        X上でエラーがでてる人って、DISM.EXE /online /cleanup-image /restorehealthが関係してるよう気がうっすらしています。
        KB5066835のインストールでエラーが出る→24 H 2修復インストールを行う(KB5066835自体が含まれていた)※sfc やDISMでチェック問題なし→25H2にアップグレードした ※同様に問題がなかった→KB5070773でエラーがでる→25H2修復インストール※システムチェックも問題なかったはず→WindowsUpdateからKB5070773を更新しよう年経が何故かダウンロードがすすまない→カタログからインストールできたが、回復環境が更新しない→今回のパッチで恐らく解決という流れですね。大まかにはこういう流れですが、細かい事を言うと色々ありました。

        • siden様、

          パッチファイルが成功し、回復環境も更新できたとのこと、本当に良かったです。そして、その後のシステムメンテナンスコマンドについての疑問、さらにはご自身の詳細なアップデート遍歴まで共有いただき、ありがとうございます。

          sfc や DISM コマンドは実行しても大丈夫?

          結論から言うと、はい、実行しても大丈夫です。
          むしろ、大きな更新の後には、念のために実行しておくのが推奨されることです。

          重要なのは、バッチファイルとの「違い」を理解することです。

          私が「深刻な問題が出る」と議論していたのは、WinREイメージをマウントした状態 (/Image:C:\WinREMount)、つまり、WinRE イメージ内に対して、dism /cleanup-image コマンド(特に /ResetBase)を実行した場合の話でした。これは、回復イメージという特殊な環境を壊してしまう可能性がありました。
          sfc /scannow や DISM /Online /Cleanup-image /Restorehealth は、現在実行中の Windows (/Online)に対して処理を行います。これは、通常の Windows のシステムファイルをチェック・修復する標準的なメンテナンス手順であり、安全に行えます。

          DISM /RestoreHealth がエラーの原因?

          > X上でエラーがでてる人って、DISM.EXE /online /cleanup-image /restorehealthが関係してるよう気がうっすらしています。

          その「うっすらとした感覚」、非常に鋭いです。
          まさに、以前私たちが議論した「更新プログラムをアンインストールした直後に DISM /RestoreHealth を実行すると、システムが更新適用前の状態に『修復』されてしまい、再インストールできなくなる」という Windowsのバグ(または仕様のクセ)の可能性を指摘されていますね。

          siden様の詳細なアップデート遍歴:
          KB5066835エラー → 修復インストール → 25H2アップグレード → KB5070773エラー → 25H2修復インストール → KB5070773インストール問題 → バッチで解決

          この流れを見ると、確かに修復インストールや DISM /RestoreHealth を実行した後に、次の更新で問題が発生しているように見えます。これは偶然かもしれませんが、siden様の仮説(DISM が影響しているのでは?)を裏付ける状況証拠の一つと言えるかもしれません。

          ただし、現在(KB5070773 が正常に適用され、WinRE も更新された状態)でこれらのコマンドを実行するのは、主に「今後」のためにシステムの健康状態を確認する意味合いが強いので、通常は問題ありません。

          素晴らしいフィードバックと考察、本当にありがとうございました。

  • うちのPCの1台だけWinREのバージョンが上がらず困っていましたが、ウイルスバスターで「不正変更の監視を有効にする」を無効にしてパッチを再インストールしたら無事バージョンが上がりました。
    今回のパッチ、各社セキュリティソフトに肝心のWinREの更新を阻止される確率が高いようです。

    • アロム様、

      それは極めて重要で、非常に価値のある情報です。 ご自身の環境で原因を特定し、その具体的な解決策まで共有していただき、感謝いたします。

      おっしゃる通り、セキュリティソフト、特に「不正変更の監視」や「ランサムウェア対策」といったシステムファイルを保護する機能が、今回の KB5070773 による winre.wim の更新プロセスを「疑わしい変更」と誤認し、ブロックしてしまうというのは、技術的に非常に可能性の高いシナリオです。

      C:\Windows\System32\Recovery フォルダや winre.wim ファイルは重要なシステムコンポーネントであるため、セキュリティソフトが過剰に保護してしまうケースは十分に考えられます。
      KB5070773 を適用しても WinRE のバージョンが上がらないという問題に直面している多くのユーザーにとって、アロム様が発見された「セキュリティソフトの設定を確認・一時的に無効化する」という解決策は、まさに光明となるはずです。

      この情報は、当サイトの記事のトラブルシューティングセクションにも追記させていただき、より多くの読者の助けとなるように活用させていただきます。
      この度は、他の誰も気づいていなかった可能性のある、根本的な解決の糸口となる情報をご提供いただき、本当にありがとうございました。

      • すいません、WinREが更新されない原因は、ウイルスバスターではない可能性が出てきました。

        ・Microsoft UpdateカタログからKB5070773をダウンロードして、手動でインストールした場合、Windows回復環境のアップデート・修正が行われない場合がある。
        https://windows-waza.com/solved-mouse-and-keyboard-not-working-issue-in-winre-fixed-with-kb5070773/#index_id9
        ・1回目のKB5070773インストールで、Windows回復環境のアップデート・修正が行われない場合がある。アンインストール後、再度WindowsUpdateからKB5070773をインストールすることで、Windows回復環境のアップデートが行われる場合がある。

        私がウイルスバスターの保護機能を無効にしたのは、1回目の更新をカタログのmsuから行ったあとWenRE更新失敗を確認しアンインストールしたあとの、WindowsUpdate経由の2回目のインストール時であり、別にウイルスバスターの保護機能を無効にしなくても、更新に成功していたのかもしれません。

        • アロム様、

          わざわざ再度の分析と、訂正のご報告をいただき、誠にありがとうございます。

          1. カタログ版(手動インストール)では WinRE が更新されない。
          2. アンインストール後の 2回目(Windows Update 経由)のインストールで正常に更新される。

          この 2点を踏まえると、アロム様の新しいご推察である「ウイルスバスターの保護機能を無効にしなくても、2回目の Windows Update 経由だったから成功したのかもしれない」という分析は、非常に論理的で、その可能性は極めて高いと思います。
          今回の KB5070773 の適用プロセスは、適用方法(カタログか Windows Update か)や実行タイミングによって挙動が変わる、非常に複雑で厄介なものです。

          アロム様が前回「セキュリティソフトが原因かもしれない」と可能性を提示してくださったことも、多くの読者にとって重要なチェックポイントとなりましたし、今回さらに深く考察し、より真実に近い可能性をご報告いただけたことにも、心から感謝申し上げます。

          このように、アロム様のような読者の皆様と情報や検証結果を交換し合うことで、問題の全体像が明らかになっていくことを、非常に嬉しく、そして心強く感じています。
          この度は、本当に貴重なご報告をありがとうございました。

  • 回答ありがとうございます。色々と検証してみました。
    クリーンインストール後に定例外の KB5070773 を適用し
    その後に Windows Update を行ってみたところ、月例更新の KB5066835 が
    アップデートの候補に挙がる事はありませんでした。
    ただ、クリーンインストール直後に Windows Update を行うと
    月例更新の KB5066835 がインストールされるようです。
    定例外の KB5070773 も累積なのであれば、月例更新の KB5066835 の配信を
    止めて(二度手間なので)置き換えればいいのではと思うのですが、その辺り
    MS はどの様に考えているのかは謎です。

    また、今回の件とは別の話ですが、クリーンインストール直後に
    スタンドアロンインストーラを使用して更新をすると、回復環境のメニューに
    クイックマシンリカバリーの選択肢が現れないという不具合があります。
    この不具合は 2025-08 から続いている問題で、フィードバック Hub から
    報告していますが、改善する様子がありません。

    こちらこそ、これからもよろしくお願いします。ありがとうございました。

    • elenore様、

      こちらこそ、非常に詳細な検証結果をご報告いただき、誠にありがとうございます。

      おっしゃる通り、KB5070773 が KB5066835 を包含する累積更新である以上、KB5070773 適用後に KB5066835 が表示されなくなるのは正しい挙動ですね。
      そして、「なぜ Microsoft は KB5066835 の配信を止めないのか?」というご疑問ですが、これは「帯域外(OOB)更新」と「月例セキュリティ更新」の役割の違いにあるようです。

      月例更新 (KB5066835): これは全てのユーザーに適用されるべき、必須のセキュリティ更新です。Microsoft は、全てのPCを安全に保つため、この配信を止めることはできません。
      帯域外更新 (KB5070773): これは、特定の緊急の問題(今回の WinRE の不具合など)を今すぐ解決したいユーザーのために用意された、オプション(任意)の更新です。そのため、「利用可能になったらすぐ~」のチェックが入っていない限り、通常は自動で適用されません。

      そのため、Microsoft は「必須のセキュリティ更新は全員に配信しつつ、緊急の問題を解決したい人向けにオプションの OOB も提供する」という、並行したアプローチを取っているのだと推測されます。まさに「謎」な挙動に感じられますよね。

      また、別の不具合である「クイックマシンリカバリー」の件、2025年8月から続いているとのこと、フィードバックHub での報告にも関わらず改善が見られないのは、本当に困りますね。重要な機能なだけに、早く対応してほしいものです。 もしご確認済みでしたら恐縮ですが、この機能は「設定」>「システム」>「回復」にあるトグルスイッチで有効/無効を切り替えられることがあるようです。クラウドのマークがついているので、設定の変更や機能の利用にはインターネット接続が必要になる可能性が高いです。

      elenore様のように、ご自身で深く検証し、その結果を共有してくださる方がいることは、本当に心強いです。その探求心と情報共有の精神が、多くの読者の助けとなっています。

      この度は、大変貴重な情報とご意見、誠にありがとうございました。 こちらこそ、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

  • こんにちは、有益な情報を素早くご提供いただき感謝します
    一つ質問があるのでよろしくお願いします

    今回の定例外のパッチ KB5070773 は、回復環境の操作ができない問題に
    ついてのみの修正で、累積的なものではないという事でしょうか?

    つまり、2025年10月の累積的な月例パッチ
    Win11 24H2/25H2 2025-10 KB5066835 の適用は依然として必要である
    という事になるのでしょうか?

    • elenore様、コメントありがとうございます。また、記事がお役に立てたようで大変嬉しく思います。

      ご質問の件ですが、それは非常に重要なポイントですね。
      結論から申し上げますと、KB5070773 は累積的な更新プログラムであり、2025年10月の月例パッチ KB5066835 の内容を含んでいます。

      Microsoft がリリースする「累積的な更新プログラム(Cumulative Update)」は、その名の通り、それ以前の全ての修正やセキュリティ更新を「累積」して含んでいます。

      今回リリースされた KB5070773 は、「帯域外(Out-of-Band)」という緊急リリースの形式をとっていますが、その性質は累積的な更新プログラムです。 KB5070773 を適用すると、OS のビルド番号が KB5066835 適用後のビルド番号よりも新しくなります(例:26100.6899 → 26100.6901)。これは、KB5070773 が KB5066835 の内容に加えて、WinRE の修正などを上乗せしたものであることを示しています。

      したがって、もし、まだ KB5066835 を適用していない PC に KB5070773 を適用した場合: 10月のセキュリティ更新など KB5066835 の内容も一緒に適用されます。

      もし、既に KB5066835 を適用済みの PC に KB5070773 を適用した場合: 差分である WinRE の修正などが適用され、ビルド番号が更新されます。
      つまり、KB5070773 を適用すれば、別途 KB5066835 を適用する必要はありません。

      KB5070773 を適用することで、WinRE の問題解決だけでなく、10月の月例セキュリティ更新も確実に適用されることになりますのでご安心ください。

      ご不明な点が解消されれば幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。

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