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ASRock B550M Pro4 マザーボード BIOS の更新方法と注意点

私が使用している PC は、パソコン工房で購入した BTO パソコンで、マザーボードには ASRock B550M Pro4 が搭載されています。

ASRock B550M Pro4 マザーボードをお使いの皆さん、BIOS の更新を検討されていますか?

特に最近では、Windows のセキュリティ強化に伴う「セキュアブートキー (2023 KEK/DB/PK)」の更新が推奨されており、私もこの目的のために BIOS を更新しました。BIOS の更新は通常、PC に問題がない限り推奨されませんが、今回のような特別なセキュリティ強化の理由がある場合は、その限りではありません。

この記事では、私が実際に ASRock B550M Pro4 の BIOS を更新した手順を、つまづきやすいポイントや注意点、そして実際に遭遇したライセンス認証トラブルとその解決策まで含めて、詳しくご紹介します。同じマザーボードをお使いの方は、ぜひ参考にしてください。

目次

BIOS 更新前の重要な準備と注意事項

BIOS の更新は、PC の根幹に関わるデリケートな作業です。予期せぬトラブルを防ぐためにも、以下の準備と注意事項を必ず守ってください。

1.PC の完全バックアップを取る:万が一の事態に備え、Windows が起動しなくなる可能性も考慮し、PC 全体の完全バックアップを必ず取っておきましょう。

2.BitLocker/デバイス暗号化を無効化する:BIOS を更新すると、PC のハードウェア構成が変更されたと認識され、BitLocker やデバイス暗号化がロックされることがあります。事前に必ず無効化しておきましょう。

  • 確認方法: 「設定」>「プライバシーとセキュリティ」>「デバイスの暗号化」>「デバイスの暗号化」または「BitLocker ドライブ暗号化」
「設定」>「プライバシーとセキュリティ」>「デバイスの暗号化」
「設定」>「プライバシーとセキュリティ」>「デバイスの暗号化」

3.AMD fTPM switch を無効にする:BIOS 更新前に、BIOS 設定画面で AMD fTPM switch を無効化しておくことが推奨されます。これにより、更新時の予期せぬ認証トラブルなどを防ぎやすくなります。

  • 手順: PC を再起動し、F2キーを押して BIOS に入り、「アドバンスド」タブ >「CPU 設定」>「AMD fTPM switch」を「Disabled」に設定して保存・再起動します。
「アドバンスド」タブ >「CPU 設定」>「AMD fTPM switch」
「アドバンスド」タブ >「CPU 設定」>「AMD fTPM switch」

4.安定した電源供給を確保する:BIOS 更新中に PC の電源が切れると、マザーボードが破損し、PC が起動不能になる可能性があります。必ず PC の電源コードがコンセントにしっかりと接続されているか確認し、可能であれば UPS(無停電電源装置)の利用や、雷サージ対応の電源タップを使用するなど、安定した電力供給を確保してください。

ASRock B550M Pro4 BIOS 更新の実際の手順

ステップ1:BIOS ファイルのダウンロード

  1. ASRock 公式サイトの B550M Pro4 製品ページへアクセスし、「サポート」タブ>「BIOS」セクションに進みます。
  2. 最新バージョンの BIOS ファイル(私の場合は、セキュアブートキー更新が含まれる 2025/10/09 リリースのバージョン)をダウンロードします。
    • 「グローバル」と「中国」の 2つのリンクがありますが、「グローバル」を選びましょう。「中国」の方は、なぜかダウンロードができませんでした。
    • 「BIOS を更新する前に、BIOS ダウンロードページに記載されている説明をお読みください。システムがすでに正常に動作している場合は、ユーザーにBIOSのアップデートを推奨しません。」と表示されるので、「OK」をクリックするとダウンロードが開始します。
  3. ダウンロードした zip形式の圧縮ファイルを解凍します。中に「B550MP43.90」(※バージョンによってファイル名は異なります)といったファイルがあることを確認します。

ステップ2:USBメモリへのコピーと準備

  1. 空の USBメモリ(100MB 程度空いていれば OK です。FAT32形式でフォーマット済み推奨)を用意します。
  2. ステップ1 で解凍した BIOS ファイル(例:「B550MP43.90」)を、USBメモリのルートフォルダー(一番上の階層)に直接コピーします。
    • ルートフォルダーとは?: USBメモリを開いたときに、すぐにファイルが見える場所を指します。フォルダーの中には入れないでください。
  3. BIOS ファイルをコピーした USBメモリを PC に挿したままにしておきます。

ステップ3:fTPM の無効化(再確認)

  1. PC を再起動し、起動時に F2キーを連打し て BIOS/UEFI 設定画面に入ります。
  2. アドバンスド」タブを開きます。
  3. CPU 設定」を選択します。
  4. AMD fTPM switch」の項目を「Disabled(無効)」に変更します。
  5. F10 キーを押して設定を保存し、PC を再起動します。
AMD fTPM switch
AMD fTPM switch

ステップ4:Instant Flash による BIOS 更新

  1. PC を再起動し、再度 F2キーを連打して BIOS/UEFI 設定画面に入ります。
  2. ツール」タブを開きます。
  3. Instant Flash」を選択します。
  4. 「継続しますか?」と確認されたら、「はい」または「Yes」をクリックします。
  5. BIOS ファイル選択画面が表示されます。ここで、USBメモリにコピーしたファイル(例:「B550MP43.90」)がリストに表示されていることを確認します。
  6. 該当ファイルを選択し、「更新」または「Flash」をクリックして BIOS 更新を開始します。
  7. 更新が完了するまで、絶対に PC の電源を切ったり、USBメモリを抜いたり、他の操作を行わないでください。 非常にデリケートな作業です。
  8. 更新が終わると PC が自動的に再起動します。

ステップ5:BIOS 設定の初期化とセキュアブート有効化

BIOS 更新後、設定は初期化されるため、改めて Windows 11 の起動に必要な設定を行います。

  1. PC が再起動したら、再び F2キーを連打して BIOS/UEFI 設定画面に入ります。
  2. 起動(Boot)」タブを開きます。
  3. CSM (Compatibility Support Module)」の項目を「Disabled(無効)」に変更します。
    • 理由: セキュアブートを有効化するには、CSM を無効にする必要があります。
  4. F10 キーを押して設定を保存し、PC を再起動します。
  5. 再度 F2キーを連打して BIOS/UEFI 設定画面に入ります。
  6. セキュリティ(Security)」タブを開きます。
  7. セキュアブート(Secure Boot)」の項目を「Enabled(有効)」に変更します。
  8. その下にある「デフォルトのセキュアブート用キーをインストールする(Install Default Secure Boot Keys)」をクリックします。
  9. 「デフォルトのセキュア変数をロードする(Load Default Secure Variables)」と表示されたら、「はい」または「Yes」をクリックします。
    • 理由: BIOS 更新でセキュアブートの変数が空になっているため、初期のセキュリティキーをロードします。
  10. F10 キーを押して設定を保存し、PC を再起動します。

これで、BIOS の更新とセキュアブートの有効化、そしてキーのインストールが完了です。

Windows セキュアブート証明書のバージョン・有効期限を調べる方法

BIOS更新後に発生したトラブルと解決策

私の PC では、BIOS 更新後に以下のトラブルが発生しました。同じ状況になった際は参考にしてください。

Windows のライセンス認証が外れる

BIOS の更新は PC のハードウェア構成情報に影響を与えるため、Windows が「ハードウェアが変更された」と認識し、ライセンス認証が解除されることがあります。私の PC でも、実際に認証が外れてしまいました。

「設定」>「システム」>「ライセンス認証」
「設定」>「システム」>「ライセンス認証」

症状:

  • 「設定」>「システム」>「ライセンス認証」のページで、「デバイスのハードウェアが変更されたことが Windows によって報告されました。エラーコード:0xC004F211」と表示される。
  • トラブルシューティングを行っても、「このデバイスで Windows のライセンス認証を行うことができませんでした。」と表示される。
このデバイスで Windows のライセンス認証を行うことができませんでした。
このデバイスで Windows のライセンス認証を行うことができませんでした。
  • 「このデバイス上のハードウェアを最近変更しました」というリンクをクリックしても、利用可能なデバイスリストに自分の PC が表示されない。
Windows を再度ライセンス認証する
Windows を再度ライセンス認証する

解決策:プロダクトキーの再入力

  1. PC の側面や上面、または購入時の箱に貼付されている(た)Windows のプロダクトキーを用意します。
  2. 「設定」>「システム」>「ライセンス認証」のページで、「プロダクトキーの変更」をクリックします。
  3. 用意したプロダクトキーを正確に入力し、「次へ」をクリックします。
  4. これで、無事にライセンスが再認証されました。

まとめ

ASRock B550M Pro4 の BIOS 更新は、特にセキュアブートキーの更新という明確な目的がある場合には、非常に有効な作業です。

しかし、その手順はデリケートであり、ライセンス認証解除といった予期せぬトラブルが発生する可能性もゼロではありません。

この記事の手順と注意点を参考に、入念な準備と慎重な作業を心がけ、あなたの PC のセキュリティと安定性を維持してください。

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