Windows 11 新機能「低遅延プロファイル」で高速化を図る方法と有効化できない原因

Windows 11 の最新の更新プログラム KB5094126 にて、「低遅延プロファイル(Low Latency Profile)」という新しい機能が追加されました。この機能は段階的に展開されているため、すべての PC 環境ですぐに有効になるわけではありません。

しかし、筆者の環境で検証したところ、アプリやエクスプローラーの起動が非常に速くなるという明確な効果を確認できました。本記事では、この新機能による高速化の効果と、ViVeTool を使用した確認および有効化の手順、そして機能が強制的に無効化されてしまう原因について解説します。

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目次

低遅延プロファイルによる高速化の効果

筆者の環境(CPU: AMD Ryzen 7 5700X 8-Core Processor)および Hyper-V のゲスト OS にて検証を行ったところ、アプリの立ち上げやエクスプローラーを開く際の動作が目に見えて速くなりました。 更新プログラム KB5094126 を適用したにもかかわらず、システムの高速化を体感できない場合は、この機能がまだ有効化されていない、あるいは何らかの理由で強制的に無効化されている可能性があります。

ViVeTool を使用した確認と有効化

低遅延プロファイル(ID: 58989092)が有効になっているかどうかは、ViVeTool を使用して構成状態を確認することができます。 筆者のメイン PC では初期状態において無効(State: Disabled (1))となっていましたが、ViVeTool で有効化することで、明確な効果を感じることができました。

「State : Enabled (2)」と表示されていれば低遅延プロファイル機能が有効な状態です。

Vivetool のダウンロードと使い方を見る

ViVeTool のダウンロードと使い方:

⚠️ 【重要】Windows 11 専用の手順です

ViVeTool を用いた本手順(および下記の GUI ツール)は、Windows 11 環境でのみ動作します。

1.下記のページから「ViVeTool-v0.3.4-IntelAmd.zip」をダウンロードしてください。

https://github.com/thebookisclosed/ViVe/releases

※2026/06/23 現在の最新バージョンは v0.3.4 です。ご覧になった時期によりバージョンが異なる場合がございます。

※ Snapdragon 搭載の PC(ARM版 Windows)をお使いの場合は、「ViVeTool-v0.3.4-SnapdragonArm64.zip」の方をダウンロードしてください。

ViVeTool のダウンロードページ
ViVeTool のダウンロードページ

2.ダウンロードした zip ファイルの上で右クリック>「すべて展開」をクリックします。

3.「圧縮(ZIP 形式)フォルダーの展開」が表示されますので、右下の「展開」をクリックします。

圧縮(ZIP 形式)フォルダーの展開
圧縮(ZIP 形式)フォルダーの展開

4.展開されたフォルダーが表示されますので、フォルダーの中の何もないところで右クリックします。

エクスプローラー - ViVeTool-v0.3.4-IntelAmd フォルダー
エクスプローラー – ViVeTool-v0.3.4-IntelAmd フォルダー

5.表示されたメニューの「ターミナルを開く」を、キーボードの Ctrl と Shiftキーを押しながらクリックしてください。

ターミナルを開く
ターミナルを開く

6.「ユーザーアカウント制御」が表示されたら「はい」をクリックします。

ユーザーアカウント制御

7.Windows PowerShell が開き、「PS ****ViVeTool-v0.3.4-IntelAmd>」のように表示されていれば準備完了です。

※左上に「管理者:Windows PowerShell」と表示されていることを確認してください。

Windows PowerShell
Windows PowerShell

この状態で、必要なコマンドを入力して実行してください。

よく使用される主要なコマンドの一覧:

コマンド説明使用例
/enable指定した Feature ID の機能を有効化します。.\vivetool /enable /id:12345678
/disable指定した Feature ID の機能を無効化します。.\vivetool /disable /id:12345678
/query指定した Feature ID の構成状態を表示します。.\vivetool /query /id:12345678

「アクセスが拒否されました。」と表示される場合

エラー「An error occurred while setting feature configurations in the Runtime store (アクセスが拒否されました。)」が表示される原因は、Windows PowerShell が管理者として起動されていないためです。

Windows PowerShell
Windows PowerShell

コマンドの実行前に、Windows PowerShell ウィンドウの左上に「管理者:Windows PowerShell」と表示されていることを確認してください。

管理者:Windows PowerShell
管理者:Windows PowerShell

コマンド操作が苦手な方へ

ViVeTool をマウス操作だけで簡単に実行できる専用の GUI ツールを作成しました。 (※本ツールの利用には、「手順1~3」での ViVeTool 本体の準備が必須です)

コマンド入力でのエラー(アクセス拒否など)が不安な方は、手順1~3 で ViVeTool をダウンロード・展開した後、コマンドプロンプトやターミナル(PowerShell)を開く代わりにこちらのツールをご利用ください。

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有効化できない原因と機能 ID の親子関係

ViVeTool で有効化を試みても低遅延プロファイルが反映されない場合、特定の機能 ID が強制的に無効化されている可能性があります。 たとえば、筆者が公開している「QTTabBar Fix Tool」を使用して修復(特定の機能 ID を無効化)を行っている場合、低遅延プロファイルも連動して無効化されます。

低遅延プロファイルの機能 ID は 58989092 ですが、QTTabBar Fix Tool で無効化の対象となる 2つの ID(57048237 および 57048216)とは親子関係にあります。親となる ID を無効化すると、子である 58989092 も必然的に無効化され、「Type: Override(強制上書き)」の状態となります。この状態に陥ると、ViVeTool から単独で有効化することはできません。

もし QTTabBar Fix Tool を使用していて低遅延プロファイルを使いたい場合は、QTTabBar Fix Tool で「デフォルトに戻す(修復の解除)」を実行し、PC を再起動した後に 58989092 の状態を確認してみてください。QTTabBar は使えなくなりますが、これによって親子関係による強制無効化が解除され、低遅延プロファイルが有効化できるようになります。

なお、QTTabBar Fix Tool を使用していない環境であっても、レジストリのアクセス許可を変更し、強制的に特定の ID を無効化している場合は同様の現象が発生します。

機能 ID の親子関係ツリー

独自のツールを用いて解析した結果、低遅延プロファイルに関する ID の親子関係は以下のようになっていることが判明しました。内部的なテストや機能群をまとめるツリー構造になっており、親元の設定が下位に影響を及ぼします。

  • 【起点】 ID: 58989092 => 実験的機能(Experiment)
    • ├─ 【親元】 ID: 58599563 => 強制上書き(Override)
    • └─ 【親元】 ID: 58989070 => 実験的機能(Experiment)
      • ├─ 【親元】 ID: 58599559 => 強制上書き(Override)
      • └─ 【親元】 ID: 58989021 => 実験的機能(Experiment)
        • └─ 【親元】 ID: 58989002 => 実験的機能(Experiment)
          • └─ 【親元】 ID: 58988972 => 強制上書き(Override)
            • └─ 【親元】 ID: 57048237 => 実験的機能(Experiment)
              • └─ 【親元】 ID: 57048231 => 実験的機能(Experiment)
                • ├─ 【親元】 ID: 57048226 => 実験的機能(Experiment)
                • ├─ 【親元】 ID: 45036790 => 強制上書き(Override)
                • └─ 【親元】 ID: 57048218 => 強制上書き(Override)
                  • ├─ 【親元】 ID: 45036787 => 強制上書き(Override)
                  • └─ 【親元】 ID: 57048216 => 強制上書き(Override)

システム内部では複数の機能が複雑に連動しています。設定を変更する際は、これらの親子関係による影響も考慮する必要があります。

QTTabBar Fix Tool 使用後は低遅延プロファイルを有効化できるのか検証

私が作成した「QTTabBar Fix Tool」は、QTTabBar を Windows 11 で使用できるようにするため、特定の機能 ID を無効化しています。

しかし、その影響で Windows 11 の新機能「低遅延プロファイル」の機能 ID「58989092」も連動して無効化され、ViVeTool で確認すると次のように表示されます。

Priority : ImageOverride (15)
State    : Disabled (1)
Type     : Override (0)

この状態では、58989092 が OS イメージ側の設定によって無効化されています。

そこで今回、QTTabBar Fix Tool を使用した状態でも低遅延プロファイルを有効化できないか、58989092 のみを強制有効化する専用ツールを実際に作成して検証しました。

58989092 のレジストリ値を強制的に変更して検証

検証では、58989092 に関連するレジストリキーのアクセス許可を一時的に変更し、通常では変更できない設定を直接書き換えた上で PC を再起動しました。

しかし、再起動後に ViVeTool で 58989092 の状態を確認しても、結果は次のままでした。

Priority : ImageOverride (15)
State    : Disabled (1)
Type     : Override (0)

Windows 11 の仕組み上、親側の機能 ID が ImageOverride(15)で無効化されている環境では、58989092 側のレジストリ値だけを変更しても、58989092 の状態は親側の状態を引き継ぐため、低遅延プロファイルを有効化できないことが分かりました。

つまり、58989092 側の設定だけを変更して、親側の ImageOverride(15)による無効化を回避することはできません。

QTTabBar と低遅延プロファイルを同時に有効化することはできない

今回の検証結果から、QTTabBar Fix Tool による修復を適用した状態では、QTTabBar と低遅延プロファイルを同時に有効化することはできないという結論になりました。

低遅延プロファイルを有効化したい場合は、まず QTTabBar Fix Tool の「デフォルトに戻す(修復の解除)」を実行し、その後、ViVeTool を使用して 58989092 を有効化する必要があります。

当初は 58989092 のみを強制有効化する専用ツールの公開を予定していましたが、実際にツールを作成して検証した結果、58989092 側のレジストリ値を変更するだけでは ImageOverride(15)による無効化を回避できないことを確認したため、専用ツールの公開は見送ることにしました。

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この記事を書いた人

日々の PC 操作から生まれた疑問や、「もっとこうしたい」という想いを原動力に、2008年頃から現在に至るまで Windows の知識を独学で追求してきました。試行錯誤を重ねて見つけた「なるほど!」な技や、困った時の解決策を、皆さんの PC ライフに役立ててほしい一心で発信しています。

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コメント

コメント一覧 (11件)

  • ありがとうございました。QTTabBar 使いたいので、現状でいっときます

    どもどもです

    • しゅうまい様

      ご返信ありがとうございます。承知いたしました。

      現時点では、Windows の仕様上、QTTabBar と低遅延プロファイルを同時に有効化することはできないことが分かっています。
      そのため、QTTabBar を優先されるのであれば、現在の状態でご使用いただくのがよいと思います。

      また何か進展がありましたら、記事やコメントでご報告いたします。
      今後ともよろしくお願いいたします。

  • > /query /id: 58989092
    ViVeTool v0.3.4 – Windows feature configuration tool

    [58989092]
    Priority : ImageOverride (15)
    State : Disabled (1)
    Type : Override (0)

    >>> 解析結果: 【鉄壁】OSイメージにより固定されています。変更できません。

    こんにちは
    上記になりましたが、これってもう無理って事でしょうか?

    • しゅうまい様

      コメントありがとうございます。

      ご提示の
      /query /id: 58989092
      の結果が「OS イメージにより固定されており変更できない」と表示される場合、ViVeTool 単体では有効化することはできません。

      ただし、これは「完全に不可能」という意味ではありません。
      別途、58989092(低遅延プロファイル) を単独で強制有効化する専用ツールを用意すれば、有効化することができます。

      現在のところ一般向けには公開されていませんが、単独ツールを作成すれば有効化できることは確認できています。
      ただし、副作用などの検証が必要なため、準備が整い次第、記事側であらためて案内できるよう検討いたします。

      • わかりました
        (低遅延プロファイル) を単独で強制有効化する専用ツール、待ってます

        どもどもです

        • しゅうまい様

          現在、QTTabBar Fix Tool をベースに、58989092(低遅延プロファイル)を単独で強制有効化する専用ツールを作成する方向で進めています。
          公開まで少しお時間をいただきますが、準備が整いましたら記事でご案内いたします。

          完成まで今しばらくお待ちください。

        • しゅうまい様

          お待たせいたしました。

          58989092(低遅延プロファイル)を単独で強制有効化する専用ツールについて、QTTabBar Fix Tool をベースにツールを作成し、実際に検証を行いました。
          しかし、Windows 11 の仕組み上、親側の機能 ID が ImageOverride(15)で無効化されている環境では、58989092 側のレジストリ値だけを変更しても、58989092 の状態は親側の状態を引き継ぐため、低遅延プロファイルを有効化できないことが分かりました。
          残念ながら、この状態を 58989092 側の設定変更だけで回避することはできません。

          そのため、結論としては、QTTabBar Fix Tool による修復を適用した状態で、QTTabBar と低遅延プロファイルを同時に有効化することはできません。
          低遅延プロファイルを有効化したい場合は、まず QTTabBar Fix Tool の「デフォルトに戻す(修復の解除)」を実行してから、あらためて ViVeTool で 58989092 を有効化する必要があります。

          専用ツールをお待ちいただいていたにもかかわらず、ご希望に沿う結果とならず申し訳ありません。
          今回、実際に専用ツールを作成して検証した結果、親側の ImageOverride(15)による無効化を 58989092 側の設定だけでは回避できないことを確認しました。
          ご理解いただけますと幸いです。

          • QTTabBar Fix Tool をデフォルトに戻す(修復の解除)は、どうやったらできますか?
            QTTabBarFixTool.exeをクリックしたら、ツールを再起動するがでるだけなんですが…

          • しゅうまい様、コメントありがとうございます。

            「ツールを再起動する」と表示されるとのことですので、おそらく現在実行されているのは、旧バージョンの「QTTabBarFixTool.exe」だと思われます。
            新しいバージョンでは、実行ファイル名が「QTTabBarFixTool_v3.exe」となっています。

            しゅうまい様は以前、バージョン 3.0.0.2 で修復を適用されていたと思いますので、その 3.0.0.2、または現在の最新バージョン 3.0.0.5 の「QTTabBarFixTool_v3.exe」を起動し、「デフォルトに戻す(修復の解除)」を実行してみてください。

  • Hello. Can I turn off QTTabBar then turn on Low latency profile then turn QTTabBar back on? Or it’s choice only between them?

    • XeccentricX, thank you for your comment.

      Currently, it is not possible to use both at the same time. You have to choose one or the other.

      The QTTabBar Fix Tool works by disabling a specific functional ID to resolve issues with QTTabBar. However, because this ID and the Windows 11 Low Latency Profile have a parent-child relationship, disabling the ID to fix QTTabBar automatically causes the Low Latency Profile to be disabled as well.

      Regarding your request, I would be happy to verify if I can modify the QTTabBar Fix Tool to allow both features to coexist.

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