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非対応PCのWindows 11は大丈夫?セキュアブート証明書の更新による影響を解説

「CPU が古い」「TPM 2.0 に対応していない」といった、Microsoft が定める Windows 11 の最小システム要件。しかし、様々な回避策を使って、要件を満たさない愛用の PC に Windows 11 をインストールし、活用されている方も少なくないでしょう。

しかし、そんな非対応 PC に、一つの大きな懸念が持ち上がっています。 現在、Microsoft 主導で進められている「セキュアブート証明書」の更新です。

「この更新が、自分の非対応 PC にどんな影響を与えるのか?」 「ある日突然、PC が起動しなくなってしまうのでは?」

この記事では、そんな不安を抱えるあなたのために、非対応 PC で Windows 11 を使っている場合の、セキュアブート証明書更新による影響を、PC の状態別に分かりやすく解説していきます。

目次

前提知識:「セキュアブート」と「Windows 11 の最小要件」は別の話

まず、重要な前提として、この 2つは独立した基準であることを理解しましょう。

  • セキュアブート: PC のマザーボード(UEFI)が持つ、OS 起動時のセキュリティ機能です。比較的新しい PC(2012年以降のモデルなど)であれば、多くがこの機能を搭載しています。
  • Windows 11 の最小要件: セキュアブートだけでなく、「TPM 2.0」「CPU の世代」「メモリー容量」といった、複数の項目を総合した、Microsoft が定めた基準です。

つまり、「CPU や TPM の要件は満たさないが、セキュアブート機能自体は持っている」という PC は、数多く存在するのです。あなたの PC がどちらの状態にあるかで、影響は大きく変わります。

【状態別】あなたの非対応 PC は、どうなる?

ケース1:セキュアブートを「無効」で使っている場合(最も多いケース)

最小要件を満たさない PC に Windows 11 をインストールする際、多くの場合、セキュアブートのチェックを回避するか、インストール後にセキュアブートを「無効(Disabled)」にして使用します。

結論:この場合、セキュアブート証明書の更新による直接的な影響を受ける可能性は低いです。

理由: セキュアブートは、OS 起動時のプログラムの安全性をチェックする「門番」です。その門番が「無効」になっている、つまり門が常に開けっ放しの状態なので、Microsoft が門番の持つブラックリスト(証明書)を更新しても、そもそもチェックが行われないため、ドライバーなどがブロックされて起動しなくなる、といった事態は起こりません。

ただし、これは「安全だから」ではありません。 むしろ、Windows 11 が誇る最も強力なセキュリティ機能の一つを自ら放棄している状態であり、マルウェアやランサムウェアに対する防御力が、正規の PC に比べて格段に低い、危険な状態であることは、常に認識しておく必要があります。

ケース2:セキュアブートを「有効」で使っている場合

「CPU などの要件は満たさないが、セキュアブート機能は有効化できた」という、少し特殊なケースです。

結論:この場合、要件を満たしている PC と「全く同じ影響」を受けます。

理由: セキュアブートが「有効」である以上、門番は正常に仕事をしています。 そのため、将来 Windows Update などを通じて証明書のブラックリスト(dbx)が更新されれば、古いドライバーなどがブロックされ、Wi-Fi が使えなくなったり、最悪の場合 Windows が起動しなくなったりするリスクは、正規の PC と何ら変わりありません。

【警鐘】PCが起動しなくなる?Windowsセキュアブート証明書の更新に備え、今すぐやるべき2つの対策

非対応 PC が抱える「本当のリスク」

セキュアブート証明書の更新による直接的な影響は、上記のように PC の状態によって異なります。 しかし、それとは別に、要件を満たさない PC で Windows 11 を使い続けることには、より大きな、そして避けられないリスクが伴います。

  • 将来の Windows Update: Microsoft は、要件を満たさない PC に対して、将来の大型アップデートや、一部のセキュリティ更新プログラムの提供を保証していません。 ある日突然、あなたの PC だけがアップデートの対象外となり、新しい機能が使えなくなったり、セキュリティの脅威に晒されたりする可能性があります。
  • 予期せぬ不具合: 要件を満たさないハードウェアの上で無理に動かしているため、Windows Update がきっかけで、予期せぬドライバーの問題や、システムの不安定化が、正規の PC よりも高い確率で発生します。

まとめ

非対応 PC で Windows 11 を運用している場合、セキュアブート証明書の更新による直接的な影響は、セキュアブートが無効であれば少ないかもしれません。

しかし、それは氷山の一角です。 あなたは、常に「将来のアップデートが来ないかもしれない」「セキュリティが脆弱である」という、より大きなリスクを抱えています。

そのリスクを十分に理解した上で、大切なデータを守るためのバックアップを徹底し、PC を運用していくことが、何よりも重要です。

非対応PCにWindows 11をインストールする前に知るべき、3つの深刻なリスク

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