最近、Windows 11 のバージョンを 24H2 に更新した後にパフォーマンスが落ちたというツイート(X 旧ツイッター)をよく見ます。
Windows 11 バージョン 24H2 に限らず、PC を長期間使用しているとパフォーマンスが落ちてくることがありますね。
例えば、Windows の起動が遅くなったり、アプリケーションの起動が遅くなったり、エクスプローラーの動作が重くなったり…など。
今回は、そのような場合に実行するとパフォーマンスが回復する可能性のある方法を紹介します。
Windows 11 のパフォーマンスを回復する自動メンテナンス
自動メンテナンスとは
Windows 11 では、「自動メンテナンス」という、定期的に自動で PC の正常性とパフォーマンスを維持するためのタスクが実行されます。
どんなタスクが実行されているかを調べてみると、筆者の環境では以下の 29 のタスクが見つかりました。
※環境により一部のタスクの名前、数は違う場合があります。
フォルダー名 | タスク名 |
---|---|
.NET Framework | .NET Framework NGEN v4.0.30319 |
.NET Framework | .NET Framework NGEN v4.0.30319 64 |
.NET Framework | .NET Framework NGEN v4.0.30319 64 Critical |
.NET Framework | .NET Framework NGEN v4.0.30319 Critical |
Application Experience | StartupAppTask |
ApplicationData | appuriverifierdaily |
ApplicationData | CleanupTemporaryState |
ApplicationData | DsSvcCleanup |
AppListBackup | Backup |
AppxDeploymentClient | Pre-staged app cleanup |
BrokerInfrastructure | BgTaskRegistrationMaintenanceTask |
capabilityaccessmanager | maintenancetasks |
Chkdsk | ProactiveScan |
Customer Experience Improvement Program | UsbCeip |
Defrag | ScheduledDefrag |
Diagnosis | Scheduled |
DiskCleanup | SilentCleanup |
DiskDiagnostic | Microsoft-Windows-DiskDiagnosticDataCollector |
DiskFootprint | Diagnostics |
DiskFootprint | StorageSense |
FileHistory | File History (maintenance mode) |
InstallService | ScanForUpdatesAsUser |
Kernel | La57Cleanup |
Maintenance | WinSAT |
MemoryDiagnostic | RunFullMemoryDiagnostic |
MUI | LPRemove |
Power Efficiency Diagnostics | AnalyzeSystem |
RecoveryEnvironment | VerifyWinRE |
Registry | RegIdleBackup |
これらのタスクが実行されるのですが、「自動メンテナンス」が実行されるには条件があり、その条件を満たしていない場合には実行されません。
その条件とは、PC がアイドル状態のときです。
ユーザーが PC を操作していない時間がアイドル状態であり、Windows 側がアイドル状態であることを確認する間隔は、通常 15分間に一度です。
一部のユーザーは常に何かを操作しており、アイドル状態のない場合がありますね。
また、何らかのサードパーティ製のソフトウェアを使用している環境では、「自動メンテナンス」が実行されない場合があります。
Windows 11 では、アイドル状態がなく「自動メンテナンス」が実行できなかった場合、デフォルトで深夜 2:00 に強制的に実行するように設定されています。
そのため、深夜 2:00 に PC の電源が入っている場合、 PC がスリープ状態であれば、スリープを自動的に解除して(スリープ解除に対応している場合)「自動メンテナンス」を行います。
Win10/Win11 解決!スリープが勝手に解除されてしまう
※このときにユーザーが PC を操作した場合、一部のタスクが中断される場合があります。
深夜 2:00 に PC の電源が入っていない場合は「自動メンテナンス」は行われません。
もしもパフォーマンスが悪い状態が長期間続いている場合、「自動メンテナンス」も長期間行われていない可能性があります。
そのため、定期的に手動で「自動メンテナンス」を実行することをおすすめします。
タスクスケジューラで「自動メンテナンス」が行われているかを確認する
1.Windowsキー + R を押して「ファイル名を指定して実行」を開き、次のコマンドを入力して Enter を押します。
taskschd.msc
2.タスクスケジューラが開きますので、左側の「タスクスケジューラ ライブラリ」をダブルクリックします。
3.Microsoft、Windows と開いていき、上記の「自動メンテナンス」で実行されているタスクの表を参考に、タスクを確認してください。
「前回の実行時刻」がかなり前の日付になっている場合は、手動で「自動メンテナンス」を実行することをおすすめします。
「自動メンテナンス」を手動で実行する方法
1.Windowsキー + R を押して「ファイル名を指定して実行」を開き、次のコマンドを入力し、Ctrl + Shift キーを押しながら Enter を押します。
Rundll32 advapi32.dll,ProcessIdleTasks
2.「ユーザーアカウント制御」が表示されますので、「はい」をクリックします。
3.コマンドを実行した後にマウスカーソルの右上に丸いアイコンが表示され、グルグル回る状態が続きますので、そのまま何もせずにお待ちください。
4.丸いアイコンが消えたら、タスクスケジューラで「自動メンテナンス」が行われているかを確認してみましょう。
※既にタスクスケジューラを開いている場合は、タスクを選択した状態で F5 キーを一度押すと内容が更新されます。また、環境にもよりますが、一部のタスクは丸いアイコンが消えた後も実行されていることがあります。
これで「自動メンテナンス」が完了しましたので、パフォーマンスの違いを確認してみてください。
※「自動メンテナンス」完了後、一部の環境では、最初の再起動時に起動ロゴが出ずにサインイン画面が表示されることがあります。(サインイン画面が表示されるまで黒い画面が続く)
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