最近アプリの起動速度や Windows 自体の起動速度が遅くなっていませんか?それは Prefetchファイルが原因である可能性があります。
Prefetchファイル(拡張子「.pf」)は、アプリが起動されたときに自動で「C:\Windows\Prefetch」フォルダーに作成され、次にアプリを開くときに、できるだけ速く起動できるようにするためのファイルです。
わかりやすく説明すると、「次はあれを使うかな?」と予想して、必要な情報を小さなファイルに記録しておきます。
そして、実際にそのアプリを開くときに、この Prefetchファイルの情報を使うことで、アプリがすぐに立ち上がるようにしてくれるのです。
そのため、削除することは推奨されませんが、古い Prefetchファイルが Windows の起動やアプリの起動速度などに影響を与える場合があります。
Prefetchファイルには具体的にどんな情報が記録されている?
例えば、WPS Office で拡張子「.xlsx」のファイルを開いた場合、次のような情報が記録されます。
- 開いた「.xlsx」のファイル
- キャッシュファイル
- アプリケーションデータ
- DLLファイル
- NLS ファイル(各国語サポートの情報)
- プログラム(exe ファイル)
Prefetchファイルが Windows やアプリの起動速度に影響を与えるのはなぜ?
これらの古い Prefetchファイルが Windows の起動やアプリの起動速度に影響を与えるのは、ほとんどの場合、Prefetchファイルが壊れていて正常に読み込めないか、Prefetchファイルに記録された情報が現状と合わなくなるのが原因です。
Prefetchファイルは、自動的に最新の情報に更新される場合もありますが、更新されない場合もあります。
そこで今回は、筆者が作成したツール「AutoDelPfFile」を紹介したいと思います。
「AutoDelPfFile」をインストールをすると、プログラムをタスクスケジューラに登録し、指定した日数よりも古い Prefetchファイルを自動的に削除します。
例えば 7日に設定した場合、7日分は残し、それよりも古い Prefetchファイルをすべて削除します。
個人的には 7日に設定することをおすすめします。一週間以上前に起動したアプリは頻繁に使うアプリとは言えないので、情報を残しておいても速度に影響を与えるだけです。
今までに何度も検証をしてみましたが、数か月以上更新のない Prefetchファイルを削除した場合、Windows の起動速度やアプリの起動速度が改善されることを確認しています。
※ここでの改善とは、遅くなる前の状態に戻ること。
Prefetch ファイルは、手動で削除をしなくても一定のファイル数を超えたり、不要なファイルだと Windows が判断をすると自動で削除される場合があります。(実際に削除されることを確認しました)
しかし、ほとんどの場合、既に使わなくなったアプリや更新日時が数か月前の古い Prefetchファイルは削除されずに残ったままになっています。
特に最近 Windows の動作が重くなったと感じている環境では、「AutoDelPfFile」をインストールすることで、数分後には劇的に軽くなったと感じることでしょう。
定期的に古い Prefetchファイルを削除するメリット
「AutoDelPfFile」を使用して古い Prefetchファイルを削除する最大のメリットは、一度試してみるとわかりますが、削除する前と削除した後では Windows やアプリの起動速度に大きな違いが出ます。(環境や状況により効果は異なります)
定期的に古い Prefetchファイルを削除することで、時間の経過によりファイルが壊れるのを防ぎ、情報が現状と合わなくなることもほぼなくなります。
その結果、常に最適な状態を保つことができるようになります。
「AutoDelPfFile」の仕組み
1.「AutoDelPfFile」のインストールを実行すると、「C:\Program Files\AutoDelPfFile」に「AutoDelPfFile.exe」がインストールされます。
2.「AutoDelPfFile」のセットアップで選択した項目を元に、次のレジストリキーに値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\AutoDelPfFile
3.「AutoDelPfFile」のセットアップで選択した項目を元に、タスクスケジューラにタスクを追加します。
タスクはトリガーの通りに実行されます。
タスクが実行されると、「AutoDelPfFile.exe」が実行され、「C:\Windows\Prefetch」フォルダー内の各 Prefetchファイル(.pf)の更新日と現在の日時を比較し、レジストリ値「HowManyDaysAgo」の値のデータを読み取り、「10」なら 10日分は残し、それよりも古い Prefetchファイル(.pf)を削除します。
「AutoDelPfFile」のダウンロード
「AutoDelPfFile」を使用するには、以下の条件を満たしている必要があります。
- 「SysMain」サービスが有効である
- Windows 10 の 64ビットを使用している
- Windows 11 を使用している
対象ファイル:「AutoDelPfFile_Inst.exe」(Ver 1.0.0.0)
ハッシュ値(SHA256):5d027cdf8c5a29884e580e5b933f382c61f1ae43142bcc9b518eba27398bb62e
対象ファイル:「AutoDelPfFile_Inst.exe」(Ver 1.0.0.1)
ハッシュ値(SHA256):d5224465405e5b74305398cf735b9e8645d0b6d6904b20af44ebc44e9478def2
AutoDelPfFile_Inst.zip(Ver 1.0.0.1)
更新履歴
2025/06/13:
「インストール後すぐにタスクを実行」オプションを追加しました。
「AutoDelPfFile」のインストールとアンインストール
インストール
1.ダウンロードした「AutoDelPfFile_Inst.zip」を解凍し、中にある「AutoDelPfFile_Inst.exe」を実行してください。
2.「ユーザーアカウント制御」が表示されたら「はい」をクリックします。
3.「AutoDelPfFile」のセットアップが表示されますので、
- タスクを実行する曜日にチェック
- タスク実行時間の選択
- 何日前のを Prefetchファイルを削除するかを選択
を行ってください。
次の画像は、月・水・金の 00:00 にタスクを実行し、10日前の Prefetchファイルを削除する例です。
- 【タスクを実行する曜日】:すべてチェックを推奨。
- 【何日前を削除?】:7日を推奨。
4.すべて選択出来たら「インストール」ボタンをクリックします。

「インストールが完了しました。」と表示されたら、OK をクリックすると「AutoDelPfFile」のセットアップは終了します。
初めてインストールを実行する際に、セキュリティソフトが原因でタスクの登録が正常に行われない場合があります。タスクスケジューラを開き、タスクが登録されているかを確認してみてください 。
登録されていない場合は、一度アンインストールを実行してから再度インストールしてください。
現在の設定の確認とアンインストール
1.「AutoDelPfFile_Inst.exe」を実行してください。
2.「ユーザーアカウント制御」が表示されたら「はい」をクリックします。
3.「AutoDelPfFile」のセットアップが表示されますので、アンインストールしたい場合は「アンインストール」ボタンをクリックします。
4.「アンインストールが完了しました。ご使用ありがとうございました。」と表示されたら、OK をクリックすると「AutoDelPfFile」のセットアップは終了します。

この時点でレジストリキー、タスク、「C:\Program Files\AutoDelPfFile」フォルダーは削除されます。








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