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【Windows Update 修復ツール】公式トラブルシューティングが失敗する環境用(オリジナル)

Windows Update が「0% から進まない」「0x800f0983 エラー等で失敗する」といったトラブルは後を絶ちません。

さらに悪いことに、これらの問題を解決するために標準搭載されている「Windows Update トラブルシューティングツール」を実行しても、「Windows Update 診断の実行に失敗しました」と表示され、公式ツール自体が失敗するという絶望的な状況に陥ることがあります。

これは、主にトラブルシューティングに必要なサービスが「無効」になっていたり、システムファイルが破損していたりするために発生します。

Win11 トラブルシューティング「Windows Update の診断を実行できませんでした」の原因

そこで今回、この「公式ツールが動かない」状況でも修復作業が行えるよう、Microsoft の公式トラブルシューティングツールが内部で行っている基本的な修復手順に加え、当サイト独自の高度な修復手順も統合し、ステップ・バイ・ステップで確実に実行できる高機能な修復ツールを開発しました。

目次

Windows Update 高機能修復ツールのダウンロード

実行には管理者権限が必須です。

このツールは、Windows 11 専用です。

Windows Update 高機能修復ツール
Windows Update 高機能修復ツール

※ソフトウェアのご利用にあたって(必ずお読みください)

対象ファイル:「Advanced_WU_Repair.exe」(Ver 1.0.0.0)
ハッシュ値(SHA256):3f7aeb69323fc8d29c9b702982fc42dc86346f6f690b5eeecd35f27ceb9eea10

Advanced_WU_Repair.zip

ツールの機能解説

このツールは、Microsoft が Windows Update のトラブルシューティングで使用する内部スクリプトのロジックに基づき、修復作業をボタン一つで実行できるようにしたものです。

タブ1: 標準トラブルシューティング

Windows Update がエラーで失敗する原因を解決するための基本的な修復手順です。

1. サービス状態の確認

Windows Update(wuauserv)や、それが依存する重要なサービスが「実行中」か「無効」になっていないかを確認します。

2. 保留中の再起動をチェック

システムがアップデート完了のために再起動を待っている(Pending)状態でないかをレジストリで確認します。

【なぜこれが必要?】

  • PC が再起動待ちの状態だと、システムがロックされていると判断され、新しい更新プログラムのインストールがブロックされたり、エラーで失敗したりする根本的な原因になるためです。

3. 時刻同期 & ネットワークリセット

時刻ズレ(SSL エラーの原因)を強制同期し、ネットワークプロキシの設定をリセットします。

「設定」>「ネットワークとインターネット」>「プロキシ」の設定がリセットされます。

「設定」>「ネットワークとインターネット」>「プロキシ」
「設定」>「ネットワークとインターネット」>「プロキシ」

【なぜこれが必要?】

  • 時刻同期: PC のシステム時刻が大幅にズレていると、Windows Update サーバーとの暗号化通信(SSL)が「証明書の有効期限が切れている」と誤判定され、サーバーへの接続自体に失敗します。w32tm /resync /forceでこれを強制的に修復します。
  • ネットワークリセット: 意図しないプロキシ設定などが原因で、サーバーに到達できない場合があります。netsh winhttp reset proxyで、Windows Update が使うネットワーク設定を初期状態に戻します。

4. WUサービスを完全停止

次の「キャッシュリセット」の準備として、「Windows Update(wuauserv)」、「Background Intelligent Transfer Service(BITS)」、「Cryptographic Services(cryptSvc)」などの関連サービスを停止します。

「Windows Update(wuauserv)」の停止に時間がかかる場合があります。

(※cryptSvc に依存する Acronis などのサービスが実行中の場合、それらを停止またはアンインストールしないと失敗する旨の警告が表示されます)

警告:停止に失敗しました
警告:停止に失敗しました

5. WUキャッシュを完全リセット

「SoftwareDistribution」フォルダーと「catroot2」フォルダーをリネーム(バックアップ)し、Windows Update のデータベースを初期化します。(必ず「4.WUサービスを完全停止」の後に実行してください)

「SoftwareDistribution.old」、「catroot2.old」にリネームします。同じ名前のフォルダーが既に存在する場合は上書きします。

必要なサービスが停止されていない場合、下記のエラーが表示されます。

エラー:リネーム中止
エラー:リネーム中止

6. WUサービスを開始 (依存関係も修復)

「無効」にされていたサービスもすべて含めて、正しいスタートアップの種類(自動/手動)に設定し直し、サービスを起動します。

7. WUで更新プログラムをチェック(修復後)

修復作業が完了した後、このボタンを押すと、設定アプリの Windows Update の画面が開き、更新プログラムのチェックを開始します。

タブ2: 高度なシステム修復 (記事リンク)

「標準トラブルシューティング」の「6. サービスを開始」まで実行してもエラーが解決しない場合、Windows のシステムファイル自体が深刻なダメージを受けている可能性があります。

このタブには、次のステップとして試すべき、より高度な修復方法への記事リンクをまとめています。

  • A. SFC / DISM でシステムを修復する方法
  • B. Windows Update で問題を解決する(修復インストール)
  • C. クリーンインストール・上書きインストール(修復)の方法

ツールの使い方(推奨手順)

Windows Update が 0% から進まない、エラーが出る場合、以下の順序でボタンを押していただくことをおすすめします。

  1. 「1. サービス状態の確認」を押し、ログに「無効」なサービスがないか確認します。
  2. 「2. 保留中の再起動をチェック」を押し、再起動が必要なら PC を再起動します。
  3. (もし「1」で「無効」なサービスが見つかったら)「6. WUサービスを開始 (依存関係も修復)」を押し、サービスを復旧させます。
  4. (それでもダメなら)「4. WUサービスを完全停止」を押します。
  5. 「5. WUキャッシュを完全リセット」を押します。
  6. 「6. WUサービスを開始…」を再度押します。
  7. 「10. WUで更新プログラムをチェック」を押し、アップデートが正常に開始されるか確認します。
  8. (それでも解決しない場合)「高度なシステム修復」タブの記事を参考に、SFC/DISM や修復インストールに進んでください。
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コメント

コメント一覧 (10件)

  • msdt.exe /id WindowsUpdateDiagnostic をPowerShellで打ち込むと以前のトラブルシューティングツールが使えるみたいです。

    • siden様、

      はい。msdt コマンドで各トラブルシューティングを実行することができます。
      https://learn.microsoft.com/en-us/previous-versions/windows/it-pro/windows-server-2012-r2-and-2012/ee424379(v=ws.11)#available-troubleshooting-packs

      ただ、公式トラブルシューティングが失敗する環境では、旧トラブルシューティングツールでも正しく動作しない場合があります。
      そして、旧トラブルシューティングツール「msdt.exe(Microsoft サポート診断ツール )」は、2025年中に Microsoft の新しいプラットフォーム(対話型のトラブルシューティングツール)に移行され、廃止(削除)される予定となっております。

      • 公式トラブルシューティング使えないので旧トラブルシューティングツールの情報は助かります。
        msdt.exe /id の後をリンク先の名前に変えれば一通り動きますね。
        コマンドで使えるようにすれば何かと便利そう。

        • 匿名様、

          はい。今の時点ではまだ msdt コマンドが使えます。バッチファイルなど作成すれば便利だと思います。

  • ありがとうございます。
    私の記憶が定かならばWindows11にアップグレードした時点から実行できなくなっていたのです。

    更に言えばWindows10時点でも診断は出来るものの、少しメッセージが妙だったような覚えがあるのです。スクリーンショットとか残してないですし、うろ覚えなのですが。なんだったかな。コンポーネントが足りない?そんな感じだったような気はしてるのですが、不確かです。
    マイクロソフトにチャットで問い合わせたこともあるのですが、あまり、重要視されてなかった気がするのです。まあ、他に重篤な不具合があったから比較してってことだったかもしれませんが。あのときは、Windows セキュリティ アプリケーションのバージョンが更新されないとかそんな感じだったかな。何度も更新がふってくるのにという。
    結局同年の9月頃に、個人設定を保持した初期化でようやく解決した覚えがあります。

    • siden様、

      非常に詳しい経緯を教えていただき、ありがとうございます。
      なるほど、Windows 10 の時からすでに妙な兆候があり、Win11 へのアップグレードでその問題が顕在化した、という流れだったのですね。

      Microsoft サポートが重要視してくれなかったというのも、非常に厄介な状況でしたね…。
      Microsoft も根本的な原因を見つけられていないのかもしれませんね。

      まさに、siden様のような「公式ツールが(修復不可能なレベルで)壊れている」環境の方にこそ、「代行ツール」を使っていただく意味があるのだと、改めて確信いたしました。
      この問題の根深さを教えてくださる、非常に貴重な履歴をご共有いただき、本当にありがとうございました。

  • 自分なりに使いやすい環境を作った過程で公式トラブルシューティングが使えない設定になってしまったので助かります。
    25H2をtiny11builderで入れて今のとこ問題ありません。

    • 匿名様、コメントありがとうございます。

      tiny11builder で 25H2 を導入されるなど、ご自身で使いやすいよう、かなり高度なカスタマイズをされているのですね。
      ツールが匿名様のお役に立てたようで、大変嬉しく思います。

  • 特に問題起きてませんが、ツールつかってみました。ただ公式ツール自体が失敗するという状況はかわりません。それを解決するものではなくて、代行ツールだからってことだと思うのですが。
    sfcやDISM、修復インストールを行っても解決してないので、不具合だと思うのですが、一体なんなんでしょうか?私以外にもこの症状出てる人いますよね。

    • siden様、コメントありがとうございます。

      ツールの実行と、非常に的確なフィードバックをありがとうございます。

      特に問題起きてませんが、ツールつかってみました。ただ公式ツール自体が失敗するという状況はかわりません。それを解決するものではなくて、代行ツールだからってことだと思うのですが。

      はい、siden様のそのご認識は、まさしくその通りです。

      このツールは、公式ツールが依存するサービスが破損して「診断を実行できませんでした」と表示されるような環境でも、 その壊れた公式ツールを「修理」するのではなく、 公式ツールが本来行うべき修復作業(サービス再起動、キャッシュリセットなど)を「代行(バイパス)」して強制実行するためのツールです。

      sfcやDISM、修復インストールを行っても解決してないので、不具合だと思うのですが、一体なんなんでしょうか?私以外にもこの症状出てる人いますよね。

      はい、sfc、DISM、さらには「修復インストール」を実行しても、その『公式トラブルシューティングツール自体』が直らないというのは、非常に根深い不具合ですね。
      siden様のおっしゃる通り、siden様以外にもこの症状が出ている方はいらっしゃいます。これは、Windows のトラブルシューティング機能の根幹部分が、sfcやDISMでも修復できない形で破損してしまっている、深刻な「OS の不具合」だと私も判断しています。

      Win11 トラブルシューティング「Windows Update の診断を実行できませんでした」の原因にも追記しているのですが、月例更新プログラムを適用しただけで、診断ツールが動作しなくなることもあります。

      そのような「公式ツールが使えない」方々のために、この「代行ツール」を作成しました。 siden様の PC では Windows Update 自体は問題ないとのことですが、このツールが「公式ツールが壊れたまま」であることを再確認する役には立てたようで、良かったです。

      いつも的確な検証とご報告、本当にありがとうございます。

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