今回は、Windows 11 を使用している環境で「ハードウェアを安全に取り外してメディアを取り出す」から外付けHDD や USBメモリが使用中で取り外せない場合の原因と対処法を紹介します。
ハードウェア(USB)の安全な取り外しができない場合の原因と対処法
1.アプリが使用中
ハードウェアの安全な取り外しができない原因は、ほとんどの場合アプリケーションが現在外付けHDD や USBメモリを使用中であるためです。
取り外しの際にエラーダイアログが開き、「このデバイスは現在使用中です。デバイスを使用しているプログラムまたはウィンドウを閉じてから、再試行してください。」と表示されます。
例えば、USBメモリの中のアプリが起動している場合、次のように取り外しができません。
この場合は、起動しているアプリを閉じた後、しばらくすると取り外しができるようになります。
※アプリを閉じた直後は取り外しできない場合がある。
何のアプリかわからない場合、原因のアプリを特定する方法
原因のアプリを特定するにはイベントビューアーを確認します。
1.スタートボタンを右クリック>「イベントビューアー」をクリックします。
2.左側にある「Windows ログ」を展開し(ダブルクリック)、「システム」をクリックします。
3.すると、右側にたくさんのイベントが表示されます。
この中のイベントID 225 (223) がハードウェアの安全な取り外しができなかった際の警告ログです。
各ログには日付と時間が表示されていますので、選択して下の「全般」タブに表示されている内容を確認してください。
「Process コマンド ライン:」の右側に原因のアプリの名称が表示されていれば、そのアプリを閉じることで安全な取り外しができるようになります。
イベントID 225 (223) は取り外しのエラーが出るたびに記録されますので、イベントビューアーを開きながら取り外しを実行し、エラーが出たらイベントビューアーをアクティブにし、キーボードの F5 キーを押すと最新のイベントが確認できます。
2.タスクマネージャー
Windows 11 23H2 では、バグであるかは不明ですが、タスクマネージャーの「パフォーマンス」以外のタブを開いているとハードウェアの安全な取り外しができなくなります。
タスクマネージャーの「パフォーマンス」タブ以外を開いていると、現在接続している USB 大容量記憶装置に対して何らかのアクセスをしているようですね。
このときに記録されるイベントID 225 (223) は 1つのみで次の画像のようになっています。
3.高速スタートアップ
Windows 11 には「高速スタートアップ」という機能がデフォルトで有効になっており、通常の起動よりも速く起動できるようになります。
この機能が有効になっていると、一部の外付けHDD や USBメモリの安全な取り外しができなくなる場合がありますので、無効にして確認してみましょう。
1.Windowsキー + R を押して「ファイル名を指定して実行」を開き、次のコマンドを入力して Enter を押します。
powercfg.cpl
2.電源オプションが開きますので、「電源ボタンの動作を選択する」をクリックします。
3.「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリック。
4.下にある「高速スタートアップを有効にする(推奨)」のチェックを外し、変更の保存をクリックして電源オプションを終了します。
これで「高速スタートアップ」は無効になりましたので、PC を一度再起動してから安全な取り外しができるかを確認してみてください。
4.「設定」から取り外しを行う
タスクバーから安全な取り外しができない場合、「設定」>「Buluetooth とデバイス」>「デバイス」から取り外しができる場合があります。
1.Windowsキー + I を押して「設定」を開きます。
2.左側の「Buluetooth とデバイス」を選択し、右側の赤枠の部分「デバイス」をクリックします。
3.右側を下にスクロールし、「その他のデバイス」で問題のデバイス(外付けHDD または USBメモリ)の右側にある「・・・」をクリックします。
4.「デバイスの削除」をクリックします。
5.「その他のデバイス」に削除したデバイスが表示されなくなったら PC から外します。
5.Windows 11 の再インストール
最近 Windows 11 には新機能が追加され、Windows Update を通して Windows 11 の再インストールをすることができるようになりました。
次のページで詳しく説明していますので、上記の方法で解決できなかった場合にお試しください。
Win11 の新機能「Windows Update で問題を解決する」
6.サービス(追記)
今回ユーザー様からお問い合わせをいただき上記の対処法を紹介させていただきましたが、解決には至りませんでした。
そのため、先ほど筆者の所有している古い外付けHDD で試してみたところ、まったく同じ症状を確認できました。
外付けHDD を接続したまま Windows 11 を起動すると安全な取り外しができません。
このときに記録されるイベントID 225 (223) は 1つで「プロセス ID 4のアプリケーション System」のみです。
ログを見ても何が原因かわからない状態ですね。
「設定」の「その他のデバイス」からも削除できません。
現在検証中ですので、原因がわかり次第追記いたします。
2024/04/08:
原因がわかりました。
外付けHDD を接続したまま Windows 11 を起動すると安全な取り外しができない原因は、「Distributed Link Tracking Client(分散リンク追跡クライアントサービス)」というサービスでした。
このサービスは、ネットワーク内またはコンピューターの NTFS ボリューム間のリンクを管理します。
分散リンク追跡の概要(Microsoft)
PC を一般家庭で使用するのであれば無効にしても問題ありません。
「Distributed Link Tracking Client」サービスを無効にする
1.Windowsキー + R を押して「ファイル名を指定して実行」を開き、次のコマンドを入力して Enter を押します。
services.msc
2.サービスが開きますので、「Distributed Link Tracking Client」をダブルクリックで開きます。
3.①スタートアップの種類を「無効」に変更し、②「停止」をクリックします。
4.サービスが停止したら OK をクリックします。
5.次のような状態になっていれば「Distributed Link Tracking Client」サービスの無効化は完了です。
この時点で外付けHDD は、タスクトレイの「ハードウェアを安全に取り外してメディアを取り出す」から安全に取り外せるようになっています。
また、外付けHDD を接続したまま起動しても取り外せるようになります。
2024/04/08:
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