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デスクトップPC の CMOS電池の寿命は?交換の目安と注意点

今回は、デスクトップPC の CMOS電池の寿命および交換の目安について紹介したいと思います。

CMOS電池とは、マザーボード上に搭載されている小さなコイン型の電池(ボタン電池)のことをいいます。

マザーボード上に搭載されている CMOS電池
マザーボード上に搭載されている CMOS電池

CMOS電池の寿命は、一般的に 3年~5年と言われており、PC を使用してから 5年経過している場合、交換を検討する時期に入っています。

ただ、今現在以下のような症状が現れていないのであれば交換の必要はないでしょう。

  • PC の電源を入れるたびに日付や時刻がリセットされる。
  • BIOS 設定が保存されない(PC を再起動すると、BIOS 設定が初期値に戻ってしまう)。
  • 起動時に CMOS エラーメッセージが表示される。
  • システムが不安定になる。
  • PC が正常に起動しなくなる。(起動順序が変更された場合)
目次

CMOS電池の寿命は PC の使い方で変わる

  例えば、常に電源コードが接続されている状態(シャットダウンされていても待機電流が流れている状態)であれば、10年経っても上記の問題が発生しない場合もあります。

  逆に、例えば毎日シャットダウンをしたら電源コードを抜いてしまう状態(待機電流が流れていない状態)が長時間続く場合などは、1~2年で CMOS電池の寿命が尽きてしまうこともあります。

デスクトップPC の電源ユニットの背面にある「I」と「O」の表示があるスイッチを「O」(オフ)にした場合、PC の電源ユニットへの電力供給を物理的に遮断することを意味します。

これは、コンセントを抜いたのと同じ状態になりますので、待機電流は流れず CMOS電池は消耗されます。

CMOS電池交換時のいくつかの注意点と手順

CMOS電池の交換自体はそれほど難しいことではありません。ただ、いくつかの注意点があります。

  • 特に静電気は PC パーツの故障の原因になります。作業前に金属に触れるなどして体にたまった静電気を放電するか、静電気防止リストバンドを着用するなどしてください。
  • 必ず PC の電源を完全に切り、電源ケーブルを含むすべてのケーブルを抜き、電源ボタンを数回押す、または10秒ほど押したままにして PC 内の静電気を放電してから作業を開始してください。
  • 使用する電池の種類は、ほとんどの場合、「CR2032」というコイン型の電池が使われています。事前に PC の取扱説明書を確認するか、現在の電池を取り外して確認してください。
  • CMOS電池の取り外しによって BIOS の設定がリセットされますので、事前に設定項目を控えておくことをおすすめします。
  • 一部の環境(RAID 設定を行っている環境)では、BIOS の設定がリセットされるとドライブ内のデータが消えてしまう可能性があります。(完全に電池が切れている場合、 BIOS の設定は既にリセットされています)
    • 詳しい情報は、メーカーに問い合わせをしてください。
  • 一部の PC ではセキュアブートおよび CSM の設定がリセットされ、Windows が起動できなくなることがあります。
    • 例えば、Windows 11 では通常、セキュアブートが 有効、CSM が無効となっています。
  • 「セキュアブート」と「CSM」機能が両方有効であると、Windows が起動できなくなります。
    • 筆者の使用しているマザーボード「B550M-P4」では、 BIOS の設定がリセットされると両方有効になります。

デスクトップPC の CMOS電池は、ご自身での交換が可能ですが、不安な場合は業者に依頼することをおすすめします。

CMOS電池の役割

CMOS電池の主な役割は、PC の電源が切れている状態(コンセントから電源ケーブルを抜いている状態も含む)でも、マザーボード上の特定の情報を維持するために電力を供給することです。

具体的には、以下の重要な情報を保持しています。

  1. BIOS/UEFIの設定情報:
    • 日付と時刻: パソコンの内蔵時計が常に正確な時刻を刻むために必要です。CMOS電池が切れると、パソコンの電源を入れるたびに日付や時刻がリセットされてしまいます。
    • 起動順序: OS を読み込むためのデバイス(SSD、HDD、DVDドライブなど)の優先順位を設定する情報です。これがリセットされると、パソコンが正常に起動しなくなることがあります。
    • ハードウェア設定: マザーボードに接続されている各パーツ(メモリ、ストレージなど)の基本的な設定情報です。
    • その他のシステム設定: パスワード設定、省電力設定など、BIOS/UEFI で設定した様々な情報が含まれます。
  2. CMOSメモリの維持: CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)という非常に低消費電力で動作するメモリに、上記の BIOS/UEFI 設定情報が格納されています。CMOS電池は、この CMOS メモリが電源供給なしに情報を保持し続けるために必要不可欠です。

CMOS電池は、パソコンが電源を切っている間も BIOS/UEFI 設定(特に日付と時刻)を維持するための、非常に小さくても重要な部品です。

寿命が来ると様々な問題を引き起こす可能性があるため、定期的な交換が推奨されます。

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コメント

コメント一覧 (4件)

  • 当方、現状はノートパソコンなのであまり関係がない話かなとも思ったのですが、CMOS電池の寿命で、ですがシャットダウンしたあと、デスクトップだと確か、電源スイッチありますよね。あれはオフにした場合はどうなのでしょうか。その場合は、待機電流が流れている状態だからCMOS電池は消耗してないとかそんな感じでしょうか。

    • siden様、コメントありがとうございます。

      PC の電源ユニットの背面にある「I」と「O」の表示があるスイッチを「O」(オフ)にした場合、PC の電源ユニットへの電力供給を物理的に遮断することを意味します。
      これは、コンセントを抜いたのと同じ状態になりますので、待機電流は流れず CMOS電池は消耗されます。

      • なるほど、ありがとうございます。そうなるとデスクトップの場合は、シャットダウンした後は、電源スイッチはオンのままの方が基本なんでしょうか?

        昔、デスクトップを使ってた時期は、そう言えば毎回シャットダウン後に電源スイッチをオフにしていたなあと思い出したので。

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