Windows 11 の 9月の更新プログラムをインストール後、タスクバーのフォルダーのアイコンにマウスカーソルを置いた際に表示されるサムネイル(プレビュー)のタイトルが「フォルダー名 – エクスプローラー」となってしまいました。
これは Windows 11 のエクスプローラーの仕様変更であり、バグではありません。
先日ユーザー様からお問い合わせをいただき、いろいろと試した結果、「 – エクスプローラー」が表示される仕組みがわかり、非表示にすることに成功しました。
今回は、タスクバーのサムネイル(プレビュー)に「フォルダー名 – エクスプローラー」が表示される原因と非表示にする方法を紹介したいと思います。
フォルダーのサムネイル(プレビュー)のタイトルに「 – エクスプローラー」が表示される原因
フォルダーのサムネイル(プレビュー)のタイトルに「 – エクスプローラー」が表示されるのは、エクスプローラーに関する dll ファイル「explorerframe.dll」が関係しています。
「explorerframe.dll」は、エクスプローラーの動作に必要なファイルであり、このファイルが破損したり問題がある場合、エクスプローラーはフリーズをしたり表示がおかしくなったりします。
「explorerframe.dll」は「C:\Windows\System32」フォルダー内に存在します。
例えば、「explorerframe.dll」が「C:\Windows\System32」フォルダー内にない状態を作り、Windows 11 を起動した場合、デスクトップは真っ白または真っ黒で何も表示されず、Windows 11 は機能しなくなります。
今回のフォルダーのサムネイル(プレビュー)のタイトルに「 – エクスプローラー」が表示される原因は、Microsoft が 9月の更新プログラムで「explorerframe.dll」および MUI ファイルを更新し、フォルダーのサムネイル(プレビュー)のタイトルに関する箇所に「 – エクスプローラー」を追加したためです。
MUI とは、Multilingual User Interface の略であり、簡単に言えば、ソフトウェアの表示言語を切り替えるための言語パックファイルです。
「 – エクスプローラー」を非表示にする方法
原因が「explorerframe.dll」の MUI ファイルであることがわかりましたので、MUI ファイル「explorerframe.dll.mui」の中身を確認し、該当する箇所を見つけ、編集をすることで「 – エクスプローラー」を非表示にすることに成功しました。
ここでは、「explorerframe.dll.mui」の内容を編集する方法を紹介します。
- 手順通りに行ってください
- 管理者権限のあるユーザーアカウントで実行してください
1.MUI ファイルを編集するために必要なソフトをダウンロード
まず初めに、MUI ファイルを編集するために必要なソフト「ResourceHacker」をダウンロードする必要があります。
1.次のページを開き、一番下にある「ZIP install」から「ResourceHacker」をダウンロードしてください。
https://www.angusj.com/resourcehacker

2.ダウングレードした「resource_hacker.zip」を解凍します。
後ほど MUI ファイル「explorerframe.dll.mui」の編集の際に「ResourceHacker.exe」を実行します。
2.アクセス許可
1.次のフォルダーを開きます。
C:\Windows\System32
2.「ja-jp」フォルダーの上で右クリック>「プロパティ」をクリックします。
3.「ja-jp のプロパティ」が開きますので、セキュリティタブを開き、「詳細設定」をクリックします。
4.「ja-JP のセキュリティの詳細設定」が開きますので、所有者の右側にある「変更」をクリックします。
5.「ユーザーまたはグループの選択」が表示されますので、「詳細設定」をクリックします。
6.「ユーザーまたはグループの選択(詳細設定)」が表示されますので、「検索」をクリックします。
7.すると、検索結果にたくさんの名前が表示されますので、「Administrators」または現在サインインしているユーザー名を選択して OK をクリックします。
8.「選択するオブジェクト名を入力してください」に「Administrators」またはユーザー名が表示されていることを確認したら、OK をクリックします。
例:「DESKTOP-******\Administrators」、「DESKTOP-******\現在サインインしているユーザー名」
9.「ja-jp のセキュリティの詳細設定」に戻りますので、所有者が「Administrators」または現在サインインしているユーザーに変更されているのを確認してから、「サブコンテナーとオブジェクトの所有者を置き換える」にチェックをして OK をクリックします。
10.「ja-jp のプロパティ」に戻りますので、もう一度「詳細設定」をクリックします。
11.「ja-jp のセキュリティの詳細設定」が開きますので、左下の「アクセス許可の変更」をクリックします。
12.すると、「アクセス許可の変更」が消えますので、諸州者と同じ名前をダブルクリックで開きます。
13.「ja-jp のアクセス許可エントリ」が開きますので、「フルコントロール」にチェックを入れ、OK をクリックします。
14.「ja-jp のセキュリティの詳細設定」に戻りますので、「子オブジェクトのアクセス許可エントリすべてを、このオブジェクトからの継承可能なアクセス許可エントリで置き換える」にチェックを入れ、OK をクリックします。

15.「Windows セキュリティ」からの警告が表示されますので、「はい」をクリックします。
16.もう一度警告が表示されますので、「はい」をクリックします。
17.最後に「ja-jp のプロパティ」の下にある OK をクリックます。
これでアクセス許可は完了しましたので、MUI ファイル「explorerframe.dll.mui」の編集を行います。
3.MUI ファイルの編集
まず拡張子を表示しておきましょう。
1.「ja-jp」フォルダー内にある「explorerframe.dll.mui」をコピーし、デスクトップに貼り付けてください。
2.「ResourceHacker.exe」を実行します。
3.デスクトップの「explorerframe.dll.mui」を左クリックし離さず、「ResourceHacker」の画面の上に持って行き、左クリックを離します。(ドラッグ&ドロップ)
4.すると、左側の枠の中にリストが表示されますので、「String Table」を開きます。
5.「2159 : 1041」を探して選択します。
ここで右側に表示された「35104, “%1!ws! – エクスプローラー”」がフォルダーのサムネイル(プレビュー)のタイトルに表示される文字となります。
「%1!ws!」が現在開いているフォルダー名です。

6.「 – エクスプローラー」を削除し、緑色の三角のボタンをクリックします。
7.編集が終わったら、左上の緑色のフロッピーのアイコンをクリックし、編集を保存します。
8.すると、編集前のファイルが「explorerframe.dll_original.mui」にリネームされ、新たに「explorerframe.dll.mui」が作成されます。
新たに作成された「explorerframe.dll.mui」が編集後のファイルです。
9.「C:\Windows\System32\ja-jp」フォルダー内の「explorerframe.dll.mui」の上で右クリック>「その他のオプションを確認」>「名前の変更」をクリックします。
10.名前の最後に「.bak」を追加し(「explorerframe.dll.mui.bak」)、 Enter を押します。
11.確認画面が表示されますので、「はい」をクリックします。
12.「ファイル アクセスの拒否」が表示されますので、「続行」をクリックします。
13.「ユーザーアカウント制御」が表示されたら「はい」をクリックします。
14.名前が変更されたことを確認してください。
15.先ほど編集した「explorerframe.dll.mui」をコピーして「C:\Windows\System32\ja-jp」フォルダー内に貼り付けてください。
16.「対象のフォルダーへのアクセスは拒否されました」と表示されますので、「続行」をクリックします。
17.PC を再起動してください
PC が起動したら、フォルダーを開いてサムネイル(プレビュー)を表示し、「 – エクスプローラー」が表示されなくなったことを確認してください。
2024/10/18 上記の方法で「 – エクスプローラー」を非表示にできない場合
2024/10/17 の夕方頃から、急に上記の方法で「 – エクスプローラー」を非表示にできなくなりました。
タイミング的に自動的にインストールされた更新プログラム等が関係していると推測し、信頼性モニターを確認してみると、「9N1W692FV4S1-Microsoft.LanguageExperiencePackja-JP」という更新プログラムがインストールされていました。
この更新プログラムは、日本語の OS ではバックグラウンドで勝手にインストールされる言語パックです。
「Microsoft.LanguageExperiencePackja-JP」がインストールされると、「C:\Windows\System32\ja-jp」フォルダー内の「explorerframe.dll.mui」は使われなくなり、「C:\Program Files\WindowsApps」フォルダーにある「Microsoft.LanguageExperiencePackja-JP_バージョン番号_neutral__8wekyb3d8bbwe」フォルダー内の「explorerframe.dll.mui」が使われるようになります。
具体的には、レジストリ値が追加され、「Microsoft.LanguageExperiencePackja-JP」フォルダー内の「explorerframe.dll.mui」を使うように指定されていました。
レジストリ値を編集することで「 – エクスプローラー」を非表示にできましたが、レジストリの編集はリスクを伴いますので、別の簡単な方法を紹介します。
1.スタートボタンの上で右クリック>「ターミナル(管理者)」をクリックします。
2.次のコマンドを入力して Enter を押します。
Get-AppxPackage Microsoft.LanguageExperiencePackja-JP | Remove-AppxPackage
※「Microsoft.LanguageExperiencePackja-JP」をアンインストールするコマンドです。
3.PC を再起動するか、エクスプローラーを再起動してください。
Win10/Win11 タスクバーに「エクスプローラーの再起動」を追加
PC が起動したら、フォルダーを開いてサムネイル(プレビュー)を表示し、「 – エクスプローラー」が表示されなくなったことを確認してください。
今現在、「Microsoft.LanguageExperiencePackja-JP」をアンインストール後に Windows Update の画面 で「更新プログラムのチェック」および Microsoft Store アプリで「更新プログラムの取得」を行っても「Microsoft.LanguageExperiencePackja-JP」がインストールされることはありません。
しかし、今後更新があれば、そのときに再度インストールされると思います。
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