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CPU を外して再度付けたら電源がつかなくなった場合の対処法と確認項目

今回は、デスクトップパソコンの CPU を取り外して再度取り付けた後に、電源が全くつかなくなってしまった場合の対処法と確認項目を、筆者の経験を例に紹介します。

実際に、この記事を書く少し前に電源がつかなくなってしまい、あれこれ試して修復をしています。

CPU を取り外した理由から修復まで細かく説明していきますので、少し長くなると思いますが、同じような状態になってしまった場合に役に立つ内容だと思います。是非参考にしてみてください。

筆者のデスクトップパソコンのスペック:

  • マザーボードの型番:B550M-P4
  • CPU:AMD Ryzen 7 5700X 8-Core Processor
  • メモリー:32GB(16GB 2枚)
目次

CPU の取り外しから取り付けまで

パソコンを開ける際には、必ず電源コードを抜いておきましょう。

CPU の取り外し

今回 CPU を取り外した理由は、パソコンの中身を確認した際に CPUクーラー(静音CPUクーラー Wraith Spire)のヒートシンクが埃まみれになっていたからです。

実際には、CPUクーラーのみを取り外そうとしたのですが、CPU と CPUクーラーがグリスでくっついており、一緒に取れてしまいました。

CPU を取り付ける際に、横にあるレバーを下げてロックすることができるのですが、筆者の環境では少し強い力で引っ張ると取れてしまいます。(CPUクーラーを外すと必ず CPU もくっついてくる)

 AMD AM5 ソケット
AMD AM5 ソケット

グリスが固まっていて CPU が外せないので、ドライヤーで温めてから CPU を回しながら横にずらして外しました。

CPUクーラーの埃を取る

まず先に CPUクーラーに付着しているグリスを拭き取り、セリアで購入した中栓用スティックで埃を落としてから掃除機で吸います。

中栓用スティック
中栓用スティック

中栓用スティックは、パソコン内の狭い場所を掃除する際に便利でおすすめです。

CPU の取り付けとグリスの塗布

まず CPU に付着しているグリスを拭き取り、ソケットに取り付けます。

グリスを拭き取る際に、裏面のピンにグリス付かないように気を付けてください。

CPU を取り付ける際に注意することは、CPU の向きと裏面のピンが曲がっていないかの確認です。

CPU の裏面には、三角の矢印があり、

AMD Ryzen 7 5700X 8-Core Processor の裏面
AMD Ryzen 7 5700X 8-Core Processor の裏面

ソケット側にも、非常に見にくいですが、三角の窪みがあります。

AMD AM5 ソケット

この向きを合わせて取り付けないと、CPU の裏面のピンが曲がって(折れて)使えなくなってしまいます

筆者の場合、CPUクーラーと一緒に外れた際に力が加わり、少し曲がっていました。

ピンが曲がっている場合は、できるだけ真っすぐに戻す必要があります。曲がったまま取り付けると折れてしまう可能性があります。

※極端に曲がっていたり、ご自分でできない場合は、専門家に任せた方が無難です。

筆者が曲がったピンを戻すのに使用したのは、Nintendo Switch のコントローラーを修理するためのセットの中に入っていたピンセットです。

先が尖っていてちょうどいいと思います。

先の尖ったピンセット
先の尖ったピンセット

ピンは非常に細く小さく、大きな力を加えると折れてしまいますので、慎重に行う必要があります。

ピンが大体真っすぐになったら、ソケットに取り付け、グリスを薄く塗り、ソケットの横にあるレバーを下げてロックします。

CPUクーラーの取り付け

CPUクーラーにグリスを塗る必要はないので、そのまま取り付けます。

CPUクーラーの取り付けの際に気を付けることは、ねじ式の場合は初めに穴の位置をしっかりと合わせてから締めること。

締める際には、例えば 4つのねじ式タイプであれば、一か所を先に軽く締め、次に反対側を軽く締めます。

そして、残りの 2つも交互に軽く締め、すべてを少しずつ締めていきます。

例:左上>右下>左下>右上というような順番で締めます。

ねじにバネが付いている場合、押し付け過ぎないこと。

なかなか締まらないからといって締め付け過ぎたり押し付け過ぎると、マザーボードが折れて交換が必要になってしまう場合があるので注意してください。

CPUクーラーの取り付けが終わったら、電源を接続して動作確認を行います。

作業後、電源がつかなくなる

上記の作業後、動作確認を行うために電源コード、グラフィックボードとモニター、マウス等を接続して電源を入れようとしましたが、電源がつかなくなってしまいました。

つかないというより、全く反応せず、通電していないような状態です。

CPU のピンの曲がりを戻す作業をしていましたので、壊れてしまったのかと思いました。

パソコンの電源がつかない・電源ボタンが全く反応しない場合の対処法

パソコンの電源がつかない・電源ボタンが全く反応しない場合、慌てずに次の手順を実行してみてください。

1.電源コードやパソコンに接続しているすべてのデバイスや LANケーブルを外してください。

2.マザーボードに付いてるボタン電池を取り外してください。

マザーボードに付いてるボタン電池
マザーボードに付いてるボタン電池

留め金を外側に向けて押すと外れます。取り付けの際は、ボタン電池を留め金の反対側から入れて押し込みます。

3.ボタン電池が取り外せたら、放電をするため、パソコンの電源ボタンを数回押してください。

4.マザーボードに付いてるメモリーをすべて取り外してください。

メモリーを取り外す際は、力を入れ過ぎて折らないように注意してください。

また、メモリーは静電気に弱いため、メモリーを触る前に必ずパソコンのケースの金属部分に触れて静電気を逃がしてください。

※静電気の発生しやすい服装は避けたほうが良いでしょう。

5.10分ぐらい待ってからメモリー>ボタン電池の順番で取り付けてください。

6.電源コード等を接続して電源を入れてみましょう。

上記の手順を行うと、電源がつかない・電源ボタンが全く反応しない場合でも復活する場合があります。

CPU・DRAMランプが点灯した場合

パソコンの電源を付けた際に、マザーボードの CPU および DRAMランプが点灯し続けている場合は、まず電源ボタンを長押しして電源を切り、次の項目を確認してください。

この状態になると、モニターには信号は送られず、CPUファンの回転速度も調整されず、速いままになります。

1.上記の パソコンの電源がつかない・電源ボタンが全く反応しない場合の対処法 の手順4 までを実行してください。

2.CPU を取り外し、取り付ける向きを間違っていないか?ピンが折れたまま取り付けていないか?を確認してください。

上記の CPU の取り付けとグリスの塗布 を確認し、再度取り付けてください。

3.取り外していたメモリーを取り付けてください。(メモリースロットに空きがある場合は、場所を変えて取り付けます)

メモリー本体の金属端子が汚れている場合は、消しゴムで軽く擦って汚れを落としてください。

※消しカスは指できれいに落としてください。

4.ボタン電池を取り付けてください。

5.電源コード等を接続して電源を入れてみましょう。

BIOS の設定

問題なく電源がつくようになったら、一部の環境では BIOS の設定を変更をする必要があります。

ボタン電池を取り外してしばらくすると、BIOS の設定はリセット(初期化)されます。これを「COMSクリア」と呼びます。

例えば筆者の環境では、電源を入れた後に画面下に「F1キーまたは F2キーを押してセットアップを行ってください」というような文字が表示されます。

筆者の場合、F2キーを押して BIOS(UEFI) 画面に入り、「CSM」機能を無効にする必要がありました。

  • 「セキュアブート」と「CSM」機能が両方有効であると、Windows が起動できない場合があります。
  • マザーボード「B550M-P4」では、 BIOS の設定がリセットされると両方有効になります。

BIOS の設定は、各環境により異なりますので、説明書等を読んで慎重に設定してください。

そして、設定を変更した後は保存することを忘れないでください。

最後に

今回は、デスクトップパソコンの CPU を取り外して再度取り付けた後に、電源が全くつかなくなってしまった場合の対処法と確認項目を、筆者の経験を例に紹介しました。

この記事の一部でもお役に立てたら幸いです。

最後に、筆者の場合は自分で作業を行いましたが、ご自分で作業するのは「壊れる可能性がある」というリスクが伴います。

そして、1つのパーツが壊れてしまったとしても、どのパーツが壊れているのかを判断できない場合もあります。

間違った判断で作業を進めると別のパーツも壊してしまう可能性がありますので、ご自分で修復できそうにない場合は、迷わず専門店などに依頼することをおすすめします。

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この記事を書いた人

ニックネーム: wenbang
趣味: 格闘技関連の動画鑑賞
座右の銘: 「為せば成り、為さねば成らぬものなるを、成らぬは、おのが為さぬためなり」

Windows 技!では、Windows 10/11 の問題解決をメインに、PC をもっと便利にするカスタマイズ方法なども紹介しています。少しでもみなさまのお役に立てれば幸いです。

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