2026年10月28日、Microsoft は Windows 11 26H2 および 25H2 向けに、プレビュー更新プログラム「KB5127936」を公開しました。
今回の更新では、エクスプローラーの右クリックメニューをカスタマイズする新機能、タスクバーの動作改善、Windows 回復環境の機能追加、セキュリティ機能の強化など、幅広い変更が行われています。
一方、Microsoft は一部の USB オーディオ機器で音声が出なくなる既知の問題が継続していることを公表しています。
また、当サイトで開発・配布している「Taskbar AutoHide」では、KB5127936 適用後、起動時に「TCH_CaptureNativeState / Result = 221」というエラーが表示され、タスクバーの太さを変更できなくなる現象を確認しました。
調査の結果、更新前後でタスクバー関連の DLL が変更されていることがわかり、ツール側の対応を行いました。
この記事では、KB5127936 の主な更新内容と修正された不具合、現在確認されている問題に加えて、Taskbar AutoHide の開発中に判明した検証結果を紹介します。

KB5127936 の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公開日 | 2026年10月28日 |
| 更新プログラム | KB5127936 |
| 対象 OS | Windows 11 26H2/25H2 |
| 26H2 の OS ビルド | 26300.9818 |
| 25H2 の OS ビルド | 26200.9818 |
| 更新の種類 | セキュリティ以外のプレビュー更新プログラム |
| 主な内容 | 新機能の追加、操作性の改善、不具合修正 |
KB5127936 は、セキュリティ以外の改善を含むプレビュー更新プログラムです。
新機能の一部は段階的に提供されるため、更新プログラムをインストールしても、すべての機能がすぐに利用できるとは限りません。
なお、Windows 11 24H2 の Home・Pro エディションは、2026年10月13日に更新プログラムの提供が終了しました。
Enterprise・Education エディションについても、2026年9月22日が最後のセキュリティ以外のプレビュー更新プログラムとなっています。ただし、これらのエディションには、2027年10月12日までセキュリティ更新プログラムが提供されます。
そのため、今回の KB5127936 は Windows 11 24H2 には提供されません。
KB5127936 の主な更新内容
エクスプローラーの右クリックメニューをカスタマイズ可能に
今回の更新で、エクスプローラーの右クリックメニューが改良され、表示するコマンドやアプリの項目をカスタマイズできるようになります。
主な変更は次のとおりです。
- 「送信先」「ショートカットの作成」などの標準コマンドの表示・非表示を切り替えられます。
- 「印刷」などのコマンドをメニューに追加できます。
- アプリの項目をメインメニューとサブメニューのどちらに表示するか選択できます。
- 「切り取り」「コピー」「貼り付け」「名前の変更」「削除」「共有」を、アイコンではなく文字のメニュー項目として表示できます。
- 「プロパティ」をメニューの一番下へ移動できます。
対応する環境では、右クリックメニューの下部にある「メニューのカスタマイズ」から設定できます。
従来の表示を使用したい場合は、既定の構成をそのまま使用できます。
なお、この機能は段階的に提供されます。

エクスプローラーの検索・アドレスバー・ダークモードの改善
エクスプローラーにも複数の変更が加えられています。
検索結果では、ファイル名、場所、日付などの情報が、より統一されたレイアウトで表示されるようになります。
また、アドレスバーで ~ が使用できるようになり、ユーザープロファイル内のフォルダーへ移動しやすくなります。
例えば、次のように入力できます。
~\AppData
さらに、エクスプローラーの「フォルダー オプション」ダイアログがダークモードに対応しました。
USB ドライブやスマートフォンなどを接続した際の自動再生ダイアログも刷新され、ダークモードや文字サイズの変更に対応します。
タスクバーのアニメーションとマルチモニター関連の改善
今回の更新では、タスクバーにも変更が加えられています。
まず、タスクバー上のアプリアイコンにマウスポインターを合わせた際に表示される、ウィンドウプレビューのアニメーションが改善されました。
さらに、複数のモニターを使用する環境で、モニターの接続・切断を行った際に、タスクバーの設定状態が保持されるよう内部処理が改善されています。
この変更は、タスクバーの動作や配置を独自に制御するツールにも関係する可能性があります。
実際に当サイトの Taskbar AutoHide では、今回の更新後に互換性の問題が発生しました。詳しい検証結果は後述します。
Windows 回復環境(WinRE)の機能強化
今回の更新では、Windows 回復環境(WinRE)が強化され、新しい回復機能「クラウドの再構築」が追加されます。
この機能は、Windows Update から Windows 11 のイメージとデバイスドライバーをダウンロードし、Windows を再インストールするものです。
Windows が正常に起動できない場合にも利用でき、USB インストールメディアを用意する必要がありません。
また、Windows に保存されている対応する Wi-Fi プロファイルを回復環境で自動的に再利用できるようになります。これにより、対応するネットワークでは、接続情報を再入力せずに回復操作を進められます。
クラウドの再構築と従来の初期化機能の違い
クラウドの再構築は、従来の「この PC を初期状態に戻す」で選択できる「クラウドからダウンロード」とは異なる回復機能です。
「この PC を初期状態に戻す」では個人用ファイルを保持する選択肢がありますが、クラウドの再構築では、個人用ファイル、アプリ、アカウント、設定などがすべて削除されます。
また、クラウドの再構築には、通常のファイル削除に加えて、ストレージのデータを復元しにくくする「サニタイズ(データ消去)」機能も用意されています。
クラウドの再構築は、Windows が起動しなくなった場合や、従来の回復方法では問題を解決できない場合に役立ちます。
対応する環境では、「設定」>「システム」>「回復」にある「この PC の再構築」から開始できます。
クラウドの再構築を実行すると、PC 内の個人用ファイルなどが削除されます。実行前に重要なデータをバックアップし、削除対象と画面に表示される警告を必ず確認してください。
なお、これらの新機能は段階的に提供されるため、KB5127936 をインストールしても、すぐには表示されない場合があります。

メモリ整合性の適用範囲を拡大
今回の更新では、Windows セキュリティの「メモリ整合性(HVCI)」の適用範囲が拡大されます。
対応する PC では、更新処理中にメモリ整合性が有効になる場合があります。
ただし、すべての PC で強制的に有効化されるわけではなく、既存のユーザー設定や管理者による設定も考慮されます。
IPv6 CLAT に対応
Windows のネットワーク機能では、Wi-Fi と Ethernet の接続で IPv6 CLAT がサポートされます。
CLAT は、IPv6 のみのネットワークから IPv4 の通信先へアクセスするための変換機能です。
これにより、IPv6 専用ネットワークでも、IPv4 に依存する従来のアプリケーションを利用しやすくなります。
ただし、利用には対応するネットワーク構成が必要で、一般的な家庭用 PC ですべての通信が自動的に変更されるわけではありません。
その他の新機能・改善
このほかにも、次の機能が追加・改善されています。
| 機能 | 更新内容 |
|---|---|
| Microsoft Edge | バージョン 150 以降で、バックグラウンド起動済みの場合などのアプリ起動速度を改善 |
| 設定アプリ | プライバシーとセキュリティ関連の表示を整理 |
| スマートフォン連携 | スタートメニューから最近のメッセージや通知をプレビュー可能に |
| 拡大鏡 | モニターごとに異なる拡大率を設定できる機能などを追加 |
| ライブ キャプション | スクリーンリーダーの音声を文字起こしの対象に含める設定を追加 |
| ナレーター | 対応アプリやブラウザーで数式の読み上げ・移動をサポート |
| 省電力機能 | バッテリー残量に応じた休止状態への移行動作を改善 |
| Unicode | Unicode 17.0 の文字表示に対応 |
| データ保護 API | 2027年4月に廃止予定のプロンプトベースの操作に警告を追加 |
| バックアップと復元 | バックアップを新しい PC に復元した後の概要表示を追加 |
| Windows PowerShell | PowerShell および ISE の名称にバージョン 5.1 を追加 |
| Windows スポットライト | ロック画面の表示に関する信頼性を改善 |
なお、一部の新機能はデバイスや地域によって利用できない場合があります。
KB5127936 で修正された不具合
今回の更新では、これまでに確認されていた複数の不具合も修正されています。
| 対象 | 修正内容 |
|---|---|
| リモートデスクトップ | 特定の環境で 0xC000000D エラーが発生し、接続できなくなる問題 |
| スマート アプリ コントロール | 無効化した後、再び有効にする項目がグレー表示になる問題 |
| AMD グラフィックス | HDMI/DisplayPort 経由の音声が再生できない問題 |
| Windows サンドボックス | 使用中に 0x80370106 エラーで突然終了する問題 |
| Always On VPN | 9月のセキュリティ更新後、接続できない、または接続中のままになる問題 |
| WSL2 | AMD プロセッサ搭載環境で入れ子になった仮想化が利用できない場合がある問題 |
| アプリケーション制御 | 特定の CIM メソッドを使用した後、Windows が起動できなくなる問題 |
| 証明書 | 一部の CNG キーストレージプロバイダーに関連して証明書登録が応答しなくなる問題 |
このほか、BitLocker の PIN 再試行処理やスマートカードへの RSA-3072 対応なども改善されています。
特に、リモートデスクトップの 0xC000000D は Microsoft が既知の問題として認識していたもので、今回の KB5127936 で修正対象になっています。
ただし、この修正は管理者の保護が有効な接続先に、管理者権限のないユーザーが接続できない特定の問題を対象としています。すべての 0xC000000D エラーが解消されるという意味ではありません。

KB5127936 の既知の問題・不具合
USB オーディオ機器で音が出ない・エラー コード 10 が発生する
2026年10月31日時点で、Microsoft は一部の USB Audio Class 1.0 デバイスに関する問題を公表しています。
主な症状は次のとおりです。
- デバイス マネージャーに「このデバイスを起動できません(コード 10)」と表示される。
- USB オーディオ機器から音声が出力されない。
- 音量調整が反応しない、または音量が 0 のままになる。
- Windows のサウンド設定が正常に動作しない。
この問題は KB5127936 で新たに発生したものではなく、2026年9月8日のセキュリティ更新プログラム適用後から確認されている問題です。
影響を受けるのは USB Audio Class 1.0 デバイスであり、すべての USB オーディオ機器が対象ではありません。
Microsoft は現在も修正に取り組んでおり、公式の更新履歴では解決済みとなっていません。
該当する機器を使用している場合は、デバイス マネージャーでエラーの有無を確認し、機器メーカーから更新されたドライバーや対応情報が提供されていないか確認してください。
ただし、ドライバーの再インストールなどの一般的な対処法で、この既知の問題が必ず解消するわけではありません。

Taskbar AutoHide でエラー 221 が発生する(バージョン 1.0.1.0 で修正済み)
当サイトでは、Windows 11 26H2 に KB5127936 を適用した環境で、Taskbar AutoHide の旧バージョンが正常に動作しなくなる現象を確認しました。
起動時に「TCH_CaptureNativeState / Result = 221」というエラーが表示され、タスクバーの太さを変更できなくなります。
この問題は Taskbar AutoHide バージョン 1.0.1.0 で修正済みです。
なお、これは Microsoft が公表した Windows 全体の既知の問題ではなく、当サイトのツールと更新後の Windows との互換性に関する問題です。
詳しい調査結果と対応内容は、次の「【独自検証】KB5127936 でタスクバーの内部構造が変更されたことを確認」で説明します。
【独自検証】KB5127936 でタスクバーの内部構造が変更されたことを確認
更新前後で Taskbar.View.dll のバージョンが変化
Taskbar AutoHide は、Windows 11 のタスクバーを独自に制御するため、タスクバー関連の内部コンポーネントを利用しています。
今回、更新前後の Taskbar.View.dll を調査したところ、次の違いが確認できました。
| 項目 | 更新前 | KB5127936 適用後 |
|---|---|---|
| OS ビルド | 26300.9711 | 26300.9818 |
| Taskbar.View.dll | 2608.26001.200.0 | 2609.12001.100.0 |
さらに調査したところ、Taskbar AutoHide が参照しているタスクバー内部の関数やデータの位置にも変更が加えられていることを確認しました。
Taskbar AutoHide は、Windows 11 のタスクバーを独自に制御するため、通常は公開されていない内部構造を利用しています。
そのため、Windows Update によって内部構造が変更されると、従来の参照方法では正常に動作しなくなる場合があります。
今回の「TCH_CaptureNativeState / Result = 221」も、更新後の内部構造との互換性に関係する問題として調査・修正しました。ただし、個々の内部変更とエラーとの直接的な因果関係までは特定していません。
Taskbar AutoHide バージョン 1.0.1.0 で対応
当サイトでは、KB5127936 適用後のタスクバー関連 DLL を調査し、ツールを修正しました。
バージョン 1.0.1.0 では、対応する DLL のバージョンを判定し、検証済みの内部位置を使用するようにしています。
また、想定外の内部構造を持つ DLL に対して、古い内部位置をそのまま使用しないよう確認処理も設けています。
これにより、今回確認した環境でタスクバーの太さを変更できなくなる問題に対応しました。
ただし、今後の Windows Update によって内部構造がさらに変更された場合、再び対応が必要になる可能性があります。
なお、この検証は Windows 11 26H2 を対象としたものであり、25H2 のすべての環境で同じ現象が発生することを確認したものではありません。
Taskbar AutoHide の機能・対応状況・ダウンロードはこちら
KB5127936 のインストール方法と確認方法
KB5127936 はプレビュー更新プログラムのため、すぐにインストールする必要はありません。
新機能を試したい場合や、今回修正された問題に該当する場合は、Windows Update からインストールを検討できます。
Windows Update からインストールする
- 「設定」を開きます。
- 「Windows Update」>「詳細オプション」>「オプションの更新プログラム」を開きます。
- KB5127936 が表示されている場合は、ダウンロードとインストールを実行します。
- 必要に応じて PC を再起動します。
なお、プレビュー更新プログラムの提供状況は、PC の構成や更新プログラムの配信状況によって異なります。

インストール後の OS ビルドを確認する
- キーボードの
Windows + Rキーを押します。 winverと入力し、Enter キーを押します。- 表示された「Windows のバージョン情報」で OS ビルドを確認します。
KB5127936 の適用後は、Windows 11 26H2 が 26300.9818、25H2 が 26200.9818 になります。
その後に別の累積更新プログラムがインストールされている場合は、さらに新しいビルド番号が表示されることがあります。
更新後に不具合が発生した場合
更新後にアプリや周辺機器が正常に動作しなくなった場合は、まず対象アプリやドライバーの更新情報を確認してください。
今回の Taskbar AutoHide のように、Windows をアンインストールしなくても、アプリ側の更新で問題を解決できる場合があります。
Windows 自体の動作に重大な問題が発生し、更新プログラムの削除が必要と判断した場合は、次の場所からアンインストールできるか確認します。
「設定」>「Windows Update」>「更新の履歴」>「更新プログラムをアンインストールする」
ただし、すべての更新プログラムがアンインストールできるわけではありません。また、削除によって今回の変更や不具合修正も取り消されます。
原因を確認せずに更新プログラムを削除することはおすすめしません。
まとめ
KB5127936 は、エクスプローラーの右クリックメニューのカスタマイズ、タスクバー、Windows 回復環境、セキュリティ機能などに幅広い変更を加えるプレビュー更新プログラムです。
一方、USB Audio Class 1.0 デバイスでエラー コード 10 が発生する既知の問題は、引き続き解決されていません。
また、当サイトの Taskbar AutoHide の検証では、更新前後でタスクバー関連 DLL の内部構造が変更されていることが確認できました。
Windows の内部構造に依存するカスタマイズツールを使用している場合は、累積更新プログラムの適用によって動作に影響が出る可能性があります。
特に、タスクバーやエクスプローラーを変更するツールを使用している場合は、更新前に開発元の対応状況を確認しておくと安心です。
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