Windows 11 には、主に「パッケージ版 (リテール版)」「DSP版」「OEM版」の 3つのライセンス形態があり、価格や使用許諾条件、サポート体制が異なります。ご自身の用途に合わせて選ぶことが重要です。
3つのバージョンの主な違い
| 特徴 | パッケージ版 (リテール版) | DSP版 | OEM版 |
| 販売形態 | OS 単体で購入可能 (USBメモリやダウンロード) | PC パーツとセットで購入 | PC にプリインストール済み |
| 価格 | 高い | やや安い | PC 本体価格に含まれる |
| ライセンスの移行 | 可能 (他の PC に移せる) | 原則不可 | 不可 |
| サポート | Microsoft | 販売店 | PC メーカー |
| 主な対象者 | 自作 PC ユーザー、将来 PC を買い替える予定がある人 | 自作 PC ユーザー | 一般的な PC 購入者 |
各バージョンの詳細
パッケージ版 (リテール版)
OS だけで販売されている製品です。USBメモリのインストールメディアとプロダクトキーがセットになっています。
- メリット:
- ライセンスの移行が自由: PCを買い替えたり、マザーボードなどの主要パーツを交換したりしても、新しい PC にライセンスを移して使い続けることができます。(ただし、同時に複数の PC で使用することはできません。)
- Microsoftの公式サポート: インストールやライセンス認証に関する問題は、Microsoft から直接サポートを受けられます。
- デメリット:
- 価格が最も高い: 柔軟性が高い分、他のバージョンに比べて高価です。
Windows 11 どっちがお得?パッケージ版とオンラインコード版
DSP版 (Delivery Service Partner版)
CPU、メモリ、SSD、マザーボードなどの PC パーツと一緒に購入する必要があるバージョンです。自作 PC 市場でよく見られます。
- メリット:
- 価格が比較的安い: パッケージ版よりも安価に購入できます。
- デメリット:
- ライセンスの移行が原則不可: ライセンスは、最初に OS をインストールした PC(特にマザーボード)に紐づけられます。そのため、その PC が壊れたり、買い替えたりした場合、新しい PC でそのライセンスを使い回すことはできません。
- サポートは販売店: OS に関するサポートは、Microsoft ではなく購入した販売店が行います。
OEM版 (Original Equipment Manufacturer版)
メーカー製のパソコンに、あらかじめインストールされている Windows です。PC の購入価格に OS の代金も含まれています。
- メリット:
- 購入・設定の手間がない: 最初からインストールされているため、OS を別途購入したり、自分でインストールしたりする必要がありません。
- デメリット:
- ライセンスの移行が不可: DSP版と同様に、ライセンスはその PC 本体と一体になっています。他の PC に移して使用することはできません。
- サポートはPCメーカー: OS を含めた PC 全体のサポートを、その PC のメーカーが提供します。
どれを選べばいい?
新しくメーカー製の PC を購入する方→ 自動的に OEM版を利用することになります。特に選択の必要はありません。
自作 PC を組む、または将来的に PC を買い替えても同じ Windows を使い続けたい方→ パッケージ版がおすすめです。初期費用は高いですが、長期的に見ればコストパフォーマンスに優れています。
自作 PC を組むが、コストを少しでも抑えたい方→ DSP版が選択肢になります。ただし、その PC 一台限りで使うという割り切りが必要です。
