2023/09/26 に Windows 11 22H2 の大型アップデート KB5030310(非セキュリティ更新プログラム)がリリースされました。
KB5030310 には多くの新機能と問題の修正が含まれておりますが、一部の環境では不具合が出ています。
前回の記事でも一部紹介しましたが、ここには書かれていない機能の追加や強化がされており、エクスプローラーにも変更が施されています。(同時にインストールされる KB5030509(Moment 4) が Copilot などの機能更新)
KB5030310 の不具合&対処法
現在 KB5030310 で確認されている不具合は次の通りです。
1.エクスプローラーが開かない、反応しない
タブ機能を無効にした状態で KB5030310 をインストールすると、エクスプローラー(フォルダー)が開かなくなります。
デスクトップにあるフォルダーをクリックしても、タスクバーのピン止めをクリックしても、ファイル名を指定して実行やタスクマネージャーから「explorer」を実行しても反応しなくなります。
また、フォルダーオプションで「別のプロセスでフォルダー ウィンドウを開く」にチェックをしていない場合にエクスプローラーを開くと、エクスプローラーは再起動(デスクトップが暗くなり再度表示される)されます。
ただ、タブ機能を無効にしていても問題なくエクスプローラーが開ける環境もあります。
根本的な原因は新規に追加された Copilot です。
Copilot は Edge の Bing チャットとほとんど同じですので、必要のない方は無効にしても良いかと思います。
対処法1. タブ機能を元に戻す
次のページを参考にタブ機能を元に戻して(有効にして)から更新しましょう。
Windows 11 エクスプローラーのタブ機能を無効化、元に戻す方法
既にタブ機能が無効の状態で更新してしまった場合でも「ターミナル(管理者)」から戻すことができます。
「ViVeTool」の保存場所を確認したい場合は、エクスプローラーは開きませんのでタスクマネージャーを利用します。
1.タスクマネージャーを開き、「新しいタスクを実行する」をクリックします。

2.「新しいタスクの実行」が開きますので、「参照」をクリックします。

3.右下の「プログラム(*.exe;*.pif;*.com;*.bat)」の部分をクリックすると「すべてのファイル(*.*)」が選択できますので選択します。

4.この状態でファイルの操作が行えますので、「ViVeTool」の保存場所を確認しましょう。

対処法2. Copilot を無効にする
1.Windows 11 エクスプローラーのタブ機能を無効化、元に戻す方法 を参考に「ViVeTool」をダウンロードし、「ターミナル(管理者)」を開いて「cd」コマンドで「ViVeTool」のあるフォルダーに移動しておきます。
2.次の 5つのコマンドを 1つずつ入力して Enter を押します。
.\vivetool /disable /id:44774629
.\vivetool /disable /id:44850061
.\vivetool /disable /id:44776738
.\vivetool /disable /id:42105254
.\vivetool /disable /id:41655236
全てのコマンドを実行後、PC を再起動すると Copilot は無効になり、タスクバーの設定からも削除され、エクスプローラーはタブ機能が無効であっても開くことができるようになります。
追記:
Copilot を無効にするとエクスプローラーの表示は更新前に戻りますが、rar や 7z の展開(解凍)機能はそのまま使えます。
2.エクスプローラーを開くと上部が一瞬表示されない
こちらはユーザー様から報告を受け、筆者も確認しました。
エクスプローラーを開いた際に、エクスプローラーの上部(タブ、アドレスバー、検索ボックス)が表示されている部分が少し遅れて表示されます。
これは新しくなったエクスプローラーの仕様であると思われます。
追記:
新エクスプローラーと旧エクスプローラーを比較すると、アドレスバー、検索ボックス、アイコンの位置が変わっており、「詳細」というボタンが追加されています。
Win11 23H2 ではエクスプローラーのアドレスバーにドラッグしてもファイルの移動ができなくなる
3.Copilot(プレビュー)を開くとデスクトップアイコンがずれる
こちらもユーザー様から報告を受け、筆者も確認しました。
Copilot を開くとデスクトップにあるアイコンの幅が少し広くなりますが、これは不具合ではなく仕様です。
Copilot を開いた際にデスクトップの幅が Copilot の分狭くなるのが原因です。
デスクトップにあるアイコンに限らず、最大化しているウィンドウなども小さくなります。
Win11 22H2,23H2 Microsoft が Copilot の不具合を認める
4.Copilot(プレビュー)がない
Copilot(プレビュー)がインストールされない原因は、一部の地域では利用できないという以外に、有効にならない場合があります。
まず前提として、Microsoft アカウントでログインすることが必要です。
ローカルアカウントでは Copilot は利用できません。
Windows 11 エクスプローラーのタブ機能を無効化、元に戻す方法 を参考に「ViVeTool」をダウンロードし、「ターミナル(管理者)」を開いて次の 5つのコマンドを 1つずつ入力して Enter を押します。
.\vivetool /enable /id:44774629
.\vivetool /enable /id:44850061
.\vivetool /enable /id:44776738
.\vivetool /enable /id:42105254
.\vivetool /enable /id:41655236
全てのコマンドを実行後、PC を再起動すると Copilot は有効になります。
タスクバーに表示されていない場合は、タスクバーの何もない所で右クリック>「タスクバーの設定」をクリックします。
「Copilot(プレビュー)」を「オン」にするとタスクバーに表示されます。

5.有線LANデバイス「Intel(R) Ethernet Controller」が認識しなくなる
追記:
ユーザー様からの情報で、KB5030310 のインストール後に「Intel(R) Ethernet Controller (3) I225-V」が認識しなくなる不具合が出ているようです。
こちらの不具合に関しては、KB5030310 が原因であるかは確認できていません。
ただ、確認したところ、ネットワークドライバーのバージョン 28.2 以降では「Intel(R) Ethernet Controller (3) I225-V」のRSS のサポートが終了していますので、バージョン 28.1.1 にダウングレードすると改善されるかもしれません。
インテル®・イーサネット・アダプター・コンプリート・ドライバー・パックのバージョン 28.1.1
「Intel(R) Ethernet Controller (3) I225-V」で 28.1.1 をインストールすると、ネットワークドライバーのバージョンは「02/02/2022,2.1.1.7」となります。
各コントローラーによりインストールされるバージョンは異なります。
※ユーザー様からご報告がありました。バージョン 28.1.1 にダウングレードしてから KB5030310 をインストールすると「Intel(R) Ethernet Controller (3) I225-V」が認識しなくなる不具合は出なかったようです。その後バージョン 28.2(06/29/2023,2.1.3.15)に戻しても問題なく使用できるとのことです。
6.検索ボックスの虫眼鏡のアイコンが「C」になってしまう
2023/10/01 追記:
KB5030310 のインストール後、タスクバーの設定で検索ボックスを「検索アイコンとラベル」にしていると、「検索」の左側の虫眼鏡のアイコンが「C」になってしまうという不具合があります。

これは Copilot が有効である場合に出る不具合であり、Microsoft も認識しているようです。
今後のアップデートで解決されるようですが、今すぐ解決したい場合は上記の方法で Copilot を無効にすると元に戻ります。
7.画面が真っ暗になり矢印のカーソルだけが動く状態になる
2023/10/03: ユーザー様よりお問い合わせをいただきました。
- 更新プログラム「KB5030310」を含むWindows Updateを実行したあとPCが起動すると画面が真っ暗になり矢印のカーソルだけが動く状態になり、そのあと何もできなくなった。
- 何度か強制再起動をすると元の画面で起動したが、中央に英文の窓が一つ表示されていた。そのままだとまたUpdateされてしまうので「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」を「オフ」にし、「更新の一時停止」を最長に設定し対処方法を模索している。
この状態になる場合、「ExplorerPatcher」や「StartAllBack」などのサードパーティ製 UI カスタマイズアプリが原因である可能性が非常に高いです。
サードパーティ製 UI カスタマイズアプリをアンインストールした状態で「KB5030310」をインストールすると問題なく起動できる場合があります。
もしもサードパーティ製 UI カスタマイズアプリをインストールしていないのであれば、新規で追加された機能「Copilot」が原因である可能性が考えられるため、上記の方法で「Copilot」を無効にしてから「KB5030310」をインストールしてみてください。
※「ExplorerPatcher」をアンインストールしてから「KB5030310」をインストールすると問題なく起動できたと、ユーザー様から報告がありました。
8.「KB5030310」(KB5030509)と AMD ソフトウェア: Adrenalin Edition 23.9.3 の問題
2023/10/03:
AMD ソフトウェア: Adrenalin Edition 23.9.3 と最新の更新プログラムとの互換性に問題があり、システムが再起動されるたびに AMD のパフォーマンス プロファイル設定がデフォルトに戻ってしまう不具合が出ているようです。
こちらの不具合も「Copilot」が原因であるため、上記の方法で「Copilot」を無効にすると解決されます。
9.デスクトップのアイコン名の影が消えなくなる
2023/10/03:
「KB5030310」のインストール後、システムのプロパティで「デスクトップのアイコン名に影を付ける」のチェックを外しても影が消えなくなります。
複数のユーザーが不具合の報告をしており、解決策を探しています。

これは明らかに不具合でしょう。
※この問題は現在解決されています。
コメント
コメント一覧 (4件)
へすおん様、コメントありがとうございます。
・サードパーティ製 UI カスタマイズアプリをインストールいていませんか?
・デスクトップのアイコンの表示方法で「アイコンの自動整列」はチェックなしの状態でしょうか?
サードパーティ製 UI カスタマイズアプリをインストールしている場合、Windows 11 の新機能との互換性の問題が原因でエクスプローラーが正常に動作しなくなることがあります。
インストールしていないのであれば、Copilot が有効になっているのであれば Copilot が原因かもしれません。
デスクトップのアイコンの表示方法で「アイコンの自動整列」がチェックなしの状態でアイコンが勝手に動いてしまう場合は次のページが参考になるかと思います。
Win11 デスクトップでファイル名を変更すると勝手にファイルが移動する原因と解決法
https://windows-waza.com/bug-solved-if-you-change-the-file-name-on-the-win11-desktop-the-files-will-be-arranged-arbitrarily/
まずは上記を確認してみてください。
このページのアップデート不具合についてです、アップデートし今の所不具合が一つだけあり、困っています、何かしらのアプリを開きながらWindowsボタンを押すとデスクトップのアイコンが全部バラバラになります、、戻せずやり直して整理しています、対処法はないでしょうか
パソコン起動時に初期設定の画面が出てきたので待っていたのですが固まってしまい作業ができません。
お写真を送り確認してもらいたいのですが、お写真の送り方を教えて頂けませんか?
先程ご質問した時にお返事を頂けましたのでそこからお写真を送って確認も出来ますでしょうか?
メールの返信からもお写真を送りますのでご確認お願い致します。
お返事お待ちしております。
荒田裕一様、メールで画像を確認し返信いたしました。
当サイトには現在画像を送信する機能はありませんので、メールでの添付になります。