以前紹介したツール Win11 22H2 および 23H2 のエクスプローラーの「PC」に個人用フォルダーを復活 では、Windows 11 22H2 で廃止されたエクスプローラーの「PC」に表示されなくなった個人用フォルダーを復活させます。
Windows 11 22H2 では仕様が変わり、エクスプローラーの「PC」を開いても「デバイスとドライブ」しか表示されなくなってしまいましたが、機能自体は削除されていません。
今回は、エクスプローラーの「PC」に個人用フォルダーを復活する仕組みを紹介したいと思います。
エクスプローラーの「PC」に個人用フォルダーを復活する仕組み
エクスプローラーの「PC」に個人用フォルダーを復活する仕組みは、システムファイルの変更ではなくレジストリ値の編集です。
サードパーティ製 UI カスタマイズアプリ(Explorer Patcher)のようにシステムファイルに変更を加えませんので、副作用は発生しません。
Windows 11 22H2 では、レジストリで表示されないようになっているだけであり、レジストリ値を変更してあげれば「ダウンロード」「ドキュメント」「ピクチャ」「ビデオ」「ミュージック」「デスクトップ」の各個人用フォルダーが表示されるようになります。
ツールではこれらのレジストリ値の変更と、エクスプローラーを最新の情報に更新しているだけです。
レジストリの場所と個人用フォルダーのキー名
レジストリの操作を間違えるとシステムが起動できなくなるなど不具合が起きる可能性があります。事前にシステムの復元などでバックアップを取り、自己責任で行うようお願いします。
- システムの復元ポイント作成方法及び復元方法
- レジストリエディタの開き方及びバックアップ方法
- Win10 レジストリの予備知識|概念、開き方、レジストリの内部構成
※Windows 11 のレジストリも基本は同じです。
1.Windowsキー + R を押して「ファイル名を指定して実行」を開き、「regedit」と入力して Enter を押します。
2.レジストリエディターが開きますので、次のキーを開きます。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\MyComputer\NameSpace
この「NameSpace」キー下に英数字の並んだキーが複数存在します。
「PC」に表示されていた個人用フォルダーのキーは次の 6つです。
キー名 | 個人用フォルダー名 |
---|---|
{088e3905-0323-4b02-9826-5d99428e115f} | ダウンロード |
{d3162b92-9365-467a-956b-92703aca08af} | ドキュメント |
{24ad3ad4-a569-4530-98e1-ab02f9417aa8} | ピクチャ |
{f86fa3ab-70d2-4fc7-9c99-fcbf05467f3a} | ビデオ |
{3dfdf296-dbec-4fb4-81d1-6a3438bcf4de} | ミュージック |
{B4BFCC3A-DB2C-424C-B029-7FE99A87C641} | デスクトップ |
レジストリ値を編集して個人用フォルダーを表示する
各キーを選択すると、右側の欄に「HideIfEnabled」という名前の RED_DWORD 値があり、値のデータが「0x022ab9b9 (36354489)」になっていると思います。
値のデータの意味は次の通りです。
- 「0x022ab9b9」 = フォルダーを非表示
- 「0」 = フォルダーを表示
では、値のデータを変更してみましょう。
1.上記の個人用フォルダーのキーを参考に、表示したい個人用フォルダーのキーを選択した状態で右側の欄の「HideIfEnabled」をダブルクリックで開き、値のデータを「0」に変更して OK をクリックします。
2.エクスプローラーを開き、「PC」を表示してみましょう。
既に「PC」を開いている場合は、エクスプローラーをアクティブにしてからキーボードの「F5」キーを押すとフォルダーが表示されます。
レジストリ値を編集して個人用フォルダーを非表示にする
表示した個人用フォルダーを非表示にする場合、「HideIfEnabled」をダブルクリックで開き、値のデータを「22ab9b9」に変更して OK をクリックします。
個人用フォルダー以外のオプションを表示
個人用フォルダー以外のオプションも表示することができますので参考にしてみてください。
キー名 | オプションの名称 |
---|---|
{5399E694-6CE5-4D6C-8FCE-1D8870FDCBA0} | コントロールパネル |
{323CA680-C24D-4099-B94D-446DD2D7249E} | お気に入り |
{6DFD7C5C-2451-11d3-A299-00C04F8EF6AF} | エクスプローラーのオプション |
{025A5937-A6BE-4686-A844-36FE4BEC8B6D} | 電源オプション |
{2227A280-3AEA-1069-A2DE-08002B30309D} | プリンター |
{7b81be6a-ce2b-4676-a29e-eb907a5126c5} | プログラムと機能 |
これらのキーは存在しませんので、「NameSpace」キー下に新規で作成してください。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\MyComputer\NameSpace
1.「NameSpace」キーの上で右クリック>新規>「キー」をクリックします。
2.「新しいキー #1」の名前を表示したいオプションのキー名に変更します。
3.作成したキーの上で右クリック>新規>「DWORD (32 ビット) 値」をクリックします。
4.「新しい値 #1」の名前を「HideIfEnabled」に変更します。
これでオプションが表示されるようになりましたので、エクスプローラーを開き、「PC」を表示してみましょう。
既に「PC」を開いている場合は、エクスプローラーをアクティブにしてからキーボードの「F5」キーを押すとオプションが表示されます。
オプションを非表示にしたい場合は、「HideIfEnabled」の値のデータを「22ab9b9」(16進数)に変更するか、追加したオプションのキーを削除します。
レジストリの編集で個人用フォルダーやオプションを表示するメリットは、ユーザーが自由に表示したい項目を選べることです。
ご自身の好きなようにカスタマイズしてみてください。
コメント(降順)